――映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』に出演が決まった時の気持ちを教えてください
初めての映画出演で、嬉しさよりも何が何だか分からなくて。三池(崇史)監督の以前の『妖怪大戦争』も見ていたので、驚きの方が強かったです。
――台本を読んでみた感想は?
読んでいてとても楽しかったです。作品としての面白さが先に来て、自分の役を振り返りながらもう一度読んで、何度も読み込みました。
――濱尾さんが演じるのは妖怪・酒吞童子(しゅてんどうじ)。どのような役どころですか?
寺田心くん演じる主人公が、弟を助けるために頑張っていく中、その弟を生贄にして武神様を甦らせようとする側です。いわゆる悪役になります(笑)
――妖怪役ということで特殊メイクもされていましたが、初めての特殊メイクの感想は?
僕は顔を生かしての特殊メイクだったので、一番時間がかかったのではないかと思います。いつも3、4時間かけてメイクをしてもらっていました。でも初めての作品で特殊メイクをして、多分人生で経験しない人の方が多いことを最初に経験出来たのは良かったです。
――ご自身の酒吞童子の姿を初めて見た時の感想は?
このままでいたいなと思いました。自分の年齢より上に見えるビジュアルで、すごくかっこよく仕上げていただいて。「素顔より全然好きかも」と撮影中もよく言っていました(笑)

――演じる上で気をつけたことやこだわりは?
セリフよりも動きの方を大事にしていました。酒吞童子は妖怪なのですごく長く生きていて、鬼たちを司るボスみたいなところもあるので、動きに重みを出したというか、何かあって周りがざわざわしている時にもどんと構えている、という佇まいは意識していたところです。
――苦労した点は?
演技のレッスンや他の作品でも人外の怪物を演じることはなかなかなくて、初めての作品ということもあって役とのすり合わせがすごく大変でした。感情から動きを作りたいのに、妖怪っぽい動きや酒呑童子の動きから感情を作ろうとして難しかったですし、監督からもそこは意識して演じて欲しいというお話はしていただきました。
――初めての映画が三池監督というのはかなり贅沢な経験だと思います。三池監督はどのような方でしたか?
三池監督は作品への熱を出演者に対して平等に注いでくださる方と言いますか、僕のような新人にも作品を良くするために必要なことを教えてくださいました。何も分からない僕に丁寧に演技の指導をつけてくださって、ご一緒出来て本当に嬉しかったです。撮影している時からまた三池監督とご一緒させていただきたいと思うくらい、すごく魅力的で惹きつけられる方でした。
――三池監督からお芝居の指導を受ける中で、印象に残っている言葉は?
ファーストシーンを撮った時に、本当に緊張でガチガチだったんですが、「楽しんでやれば良いから!」というのを言っていただけてだいぶ表情の方は和らぐことが出来たように思います。
――共演者の方と何かお話はされましたか?
SUMIREさんとは一緒にいる役どころだったのでお話しました。あとは心くんとも結構お話をさせてもらいました。
――心くんとはどのようなお話をされたんですか?
現場にはお茶台やお菓子スペースがあったんですが、僕はそれを勝手に取って良いものか分からなくて。そうしたら心くんが「ここから取るんですよ!」とお茶を持ってきてくれました(笑)。お芝居の面では大先輩ですが、一緒にしりとりをしていて悩んだ時には「ちょっとタンマ」と言ってマネージャーさんに聞きに行ったり、ネットで調べて戻ってきたりして、子どもらしい一面もあり、テレビで見るそのままの可愛らしい方でした。

――様々な妖怪が出演していますが、ご自身の役以外でかっこいいなと思った妖怪はいましたか?
大沢たかおさんが演じていた隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)です。大沢さんは僕よりも身長が高く、体つきもたくましくて迫力がすごかったです。一緒に演技をさせていただくタイミングがあったのですが、あまりの迫力に圧倒されてしまって。1テイク目に声が出なくなってしまったぐらいなので、隠神刑部は大注目です。
――濱尾さんから見た映画の見どころを教えてください
ストーリーや演技ももちろんですが、『妖怪大戦争 ガーディアンズ』ということで妖怪がたくさん出てきます。役名が付いている妖怪はもちろんのこと、一瞬映るだけの妖怪もここまでやるのかというぐらい特殊メイクで作り込みがしっかりされているので、1度目はストーリーを楽しんで、2度目は妖怪のディテールにも注目して見てもらいたいぐらい、何度でも楽しめる作品になっています。