――ライブ配信を題材にしたドラマ、と聞いた時の心境を教えてください
松井愛莉(以下、松井):あ、新しい!って思いました。どう撮影するんだろうという疑問とワクワク感と、でもなかなかないテーマだったのですごく楽しみにしていました。

加藤史帆(以下、加藤):私もライブ配信がテーマなんだと思って、どういう話になるのかなって思いました。

小笠原海(以下、小笠原):ライブ配信は縦画面だけどテレビは横だし、撮影方法も放送画面もどうなるんだろうとか、そこがすごく楽しみでした。劇中で使用しているPocochaを登録して色々見てみたらすごく距離感が近いなと思ったので、すごく面白そうだなと思いました。

――ライブ配信というものにどんな印象を抱いていましたか?
松井:動画って一人で喋らなきゃいけないじゃないですか?私はすごい苦手で、歌っている方がいらっしゃったり、リスナーの方からのリクエストに即興で答えたりしていて、尊敬します。

加藤:私は日向坂46というグループに所属していて、グループでも個人でも配信をすることがあるので、“ライブ配信”というワードに対して抵抗感は無くてスッと入ってきました。

小笠原:僕も普段グループで活動させていただいていて、配信は実際に顔と顔を合わせなくてもすごく近い距離でコミュニケーションが取れる素敵なツールだなと思っています。Pocochaは以前から知ってはいたんですけどなかなか見るタイミングが無くて、今回このお話をいただいてから色々と見てみたんですけど、他のプラットフォームでの配信よりもかなり距離が近いような気がしたので、多くの人がどっぷりハマる理由が分かりましたね。配信に入ったら絶対に名前を呼んでくれるんですよ!僕は基本的に匿名のSNSは「おかか」って名前でやっているんですけど、「おかかさん初めまして」って絶対言われるんですよ!絶対に名前を呼ばれるプラットフォーム自体が初めてなのですごく新鮮で、嬉しいなと思いました。

松井:ドキッとしますよね?呼んでもらえた!みたいな。

小笠原:認識されてる!って。

松井:こっちがドキドキしちゃいました、私も。

――皆さんが演じられる役柄について教えてください
松井:美緒は、言いたいことを言うのが苦手な女の子なんですけど、ライブ配信を通して自分の気持ちに素直になって、自分の悩みを打ち明けてちょっと成長できる役になっています。幼馴染の同性の親友を好きで、その想いをずっと伝えられずに18年間過ごしてきていて、それを初めて打ち明ける時のドキドキ感とか緊張感が皆さんにも伝わったら嬉しいなと思います。

加藤:かすみは脱力系ライバーなんですけど、ある過去を抱えています。それはまだ秘密なんですけど、なんで脱力系ライバーになったのかとか、すごく人間味のある素敵な役だなと思って、演じさせていただけてとても光栄に思います。頑張れって言いたくなるようなキャラクターなので、ぜひかすみを応援していただけたら嬉しいです。

小笠原:キラ(光)は、普段は冴えないサラリーマンで前髪も重くてメガネもかけていて結構モサい男性なんですけど、実は胸の内には変身願望というか、メイクが好きですごく詳しくて。かすみと出会うことで影響を受けて変身して、キラとして配信をする中で匠(堀家一希さん)に影響を与える側になっていくという役どころで。自分が影響を受けて、それから人に与える立場になっていくという立場の移り変わりも見られるかなと思います。普段の光と変身したキラが全く違うのでそこも楽しみにしていただけたら嬉しいです。

――役と自分で似ているところや共感出来るところは?
松井:私も昔から自分の想いを伝えるのが苦手で結構殻にこもりがちだったので、立場は違いますが美緒の気持ちはすごい分かるなと思いました。言いたいことが言えないもどかしさや苦しさは、すごく共感できます。

加藤:かすみの役をいただいた時、脱力系ライバーということで、私も「脱力系だね」とよく言ってもらえることがあるので共通点を感じました。あと、かすみは二面性がある役なんですけど、私も本当の自分とアイドルをしている時の自分にギャップを感じることがあるので、そういうところが重なるなと思いました。

小笠原:光は普段は頼りない弱々しい部分があるんですけど、芯がすごく強くて。自分の好きなものに真っ直ぐだったり、いわゆるコスメオタクなので配信の中で「メイクについて教えて」と質問が来たらめちゃくちゃ早口になったり……。僕も好きなものに対して一直線だったり、好きなものをとことん追求して語れるようになるまで好きと言わず、ミーハーというよりは本当に好きなものを全力で突き詰めるタイプなので、好きなものに対する情熱とか、すごく似ている部分があるかなと感じました。

――役を演じる時に意識していることはありますか?
松井:美緒を演じるにあたっては、すごくナチュラルに演じようと思いました。父親との関係性や、父親と親友と話していることが多いので、あまり大げさになったりしないように、素の自分に近いというのもあったので気負いすぎずリラックスした状態で演じました。

加藤:私はまだ撮影が少ししかできていなくて(※取材は2月中旬)、これから本格的な撮影なのですが、脱力系ライバーの時とそうじゃない時のギャップを出せるように頑張りたいなと思っています。

小笠原:キラの時は、完全に変身して美のカリスマ的な感じなので全力で振り切ってやらせてもらったんですけど、光の時は、弱々しくてただなよっとしているというよりはどこか自分の信じるものがあって、そこに対して真っ直ぐで。同僚の匠が今の若者っぽい強いタイプなんですけど、それに同調するわけでもなく流されるわけでもなく、でも自分の意見を持っているのがすごく大切な部分だと思ったので、ただただ頼りない人物にならないように意識して演じていました。

――注目してほしいポイントを教えてください
松井:やっぱり私は想いを打ち明けるところですね。直接伝えるわけではないんですけど、18年間密かに馳せていた想いを打ち明けるのはすごく勇気がいることですし、想いを伝えたら友だちのままではいられなくなるのではないかなど、色んな想いを背負って打ち明けるところは注目してほしいなと思います。

加藤:私は普段言わないような言葉遣いのセリフが結構あるので、それを言うのがドキドキワクワクで楽しみです。どんな自分が現れるのかまだちょっと分からないんですけど、新しい自分が開拓できそうで楽しみにしています。

小笠原:キラのシーンではメイクをめちゃめちゃ変えているんです。ウィッグも8つとか9つとかあって、かなり印象を変えてライブ配信の撮影をしたので、一体何人いるんだろう?っていうぐらい、百変化じゃないですけど、その変化を楽しんでもらえたらと思います。

――皆さんがライブ配信を自由にできるとしたら、どんな配信をしたいですか?
松井:ザ・素の自分を配信して良いなら。お見せできる感じではないんですけど(笑)

小笠原:逆に見たいよ!(笑)

松井:それでも良いのなら、そういう配信ができたらなって思います。

加藤:昔から寝ることが好きで、小さい頃からずっと寝てたらしいんです。寝てるか奇行するか、どっちかだった……

松井・小笠原:奇行!?

加藤:池に落ちたりとか。それで……。

小笠原:ちょっと待って!寝てるか池に落ちるかって(笑)。話が入ってこない!心配!(笑)

加藤:あとは逆さまになっていたりとか、アイスを顔に塗っていたりとか、とにかく珍エピソードか寝てるかどっちかの幼少期で、今もすごい寝ることが好きなんですけど、かなり寝相が悪くて。自分でもどんな寝相をしているのか気になるので、睡眠配信をしてみたいです!一緒に寝ようよっていう、添い寝配信です!

小笠原:……強いな僕の前が(笑)。僕は普段から自分のSNSとかでライブ配信をする方なんですけど、何か自分がしているところ、それこそメイクとか料理とか、何か自分がしているものを発信できたら面白いのかなとは思っています。キラキラしていないんですけど……じゃあ池に落ちるところを配信します!(笑)

――ライバーは画面越しに視聴者の方を励ましたり、応援しているような存在ですが、皆さんが俳優やアーティストとして表に出てファンの方に接する時に心がけていることは?
加藤:日向坂46でライブをさせていただくことがあるんですけど、ライブをしている時に推しメンタオルとか自分の名前のグッズを持ってくださっている方がいると推してもらえているんだなって実感が湧いて、なるべく目を合わせられるように、指を指したり見えてるよって合図をしたりしてますかね。自分なりにその時を一生懸命生きていたら応援してもらえるのかなと思って、一生懸命生きてみてます。

小笠原:僕自身も色んなアーティストさんのファンだったりするので、自分もファンの方の気持ちは分かっている方だと思うんですけど、何よりも出ている人が楽しんでいる姿が一番魅力的だなと思っていて。どういう表現であれ、楽しい曲、かっこいい曲、悲しい曲とかでもステージに立つことや表現することを楽しんでいることがすごく魅力的だと思うので、ライブの時は会場にいらっしゃるお客さん含め、誰よりも自分が一番楽しんでやろう!という気持ちでステージに臨むようにしています。

――なるべくファンの方を覚えたいとか、そういう考えはありますか?
小笠原:これは自慢ですけど、記憶力がめちゃくちゃ良いんです!本当に目、合ってます。すごく見てます。ライブの何日か後とかにオンラインでお話する機会があった時に「あの辺にいたよね?」とかも言えるタイプで、それは必死にやろうというよりは自然に身についたものかなと思います。

松井:私は応援してくださる方に直接会える機会がお二人よりすごく少ないので、会えた時にどれだけ自分らしくいられるか、着飾らず今の姿の自分を見ていただきたいなと思うので、なるべくナチュラルに自然体にいることですね。

――「もしこの世に魔法があったなら」と“魔法”もキーワードの一つになっているのかと思いますが、皆さんがもし魔法を使えたら、どんな魔法を使いたいですか?
松井:太らない魔法を自分にかけます!いくら食べても絶対太らないというのが最高です。それでいっぱい食べたいです。

加藤:私はどこにでも移動できる魔法が使いたいです。普段は家に引きこもりがちなんですけど、今年の冬に沖縄に行ったら、冬の沖縄って最高だなと思って。だから今年は2日間のお休みがあったら旅行に行きたいなと思っているので、移動時間をなるべく無くすためにその魔法を使いたいです。

小笠原:ルフィみたいに手とかちょっと伸ばしたいです。ちょっと遠くにあるリモコンを取ったりとか。できるだけ家にいる時は一歩も動きたくないんです。ソファの上で全て完結させたいから、この両手を伸ばせるようになりたいです!

――作品を通じて伝えたいことがあれば教えてください
松井:このお話は、全話通して皆が一歩前に踏み出したり、そのままの自分を出してみたりするきっかけにライブ配信があるので、このドラマを見てちょっとでも背中をポンと押してもらえて、そのままの自分を愛していいんだよと、自分を好きになるきっかけになってもらえたら嬉しいです。

加藤:本当にその通りだと思います!多分世の中に自分らしくずっといられる人っていないと思うんですよ。だから本当に難しいことだと思いますし、私も自分らしさってなんだ?って思うことがあるので、そうやって悩んでいる人に寄り添えるドラマだと思いますし、少しでも自分らしさを出せる、一歩踏み出す勇気のきっかけになるドラマになれたら嬉しいなと思います。

小笠原:もう二人が言ったこと一言一句そのまま同じなんですけど(笑)。自分らしさってなんだろうとか考えている時こそ一番自分らしくないなというか、何も考えずにただ友だちと喋っていたり、好きなことに向き合っている時は、自分らしいとか考えないと思うんですよ。一番何も考えていない時の方が自分らしさのままで素敵だと思うし、実はこういうことを抱えているとか話してもらえて嫌な想いをする人っていないと思っていて、むしろ僕はそういうのを話してくれたら嬉しいし、その人をもっと深く知れる気がするので。恐れずに自分の感情の赴くままに、心がワクワクする方に一歩踏み出すのが素敵なんじゃないかなと思います。

――ありがとうございます。最後に作品の見どころをお願いします
松井:今、人との繋がりが少なくなってきている中で、ライブ配信を通して人と繋がっていくところもそうですし、4話見終わった後に背中を押してもらえるような優しい気持ちになれるような作品になっていると思うので、ありのままの自分を好きになってもらえたらと思います。

加藤:ライブ配信を題材としたすごく現代的なドラマで、人それぞれの人生があるよなって改めて思わせられるすごく心が温かくなる勇気が出るドラマです。

小笠原:ライブ配信というスマホを通して画面の中で行われることが実際に何かに影響を与えたりする部分が、リアルと配信を行き来していてすごく面白い作品だなと思いました。配信画面の撮影もしたんですけど、実際にスマホで撮ったり、今までにない不思議な新しい撮影方法ですごく新鮮で楽しかったです。それがどういうふうに編集されてオンエアされるのかがすごく楽しみな作品です。


カメラマン=秋葉巧 ヘアメイク=松井愛莉:相場清志(eif)、加藤史帆:宇賀持萌
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<松井愛莉 衣装クレジット>
イヤリング ¥49,500/norme(ノーム 06-6377-6711)
リング ¥4,950/loni(ロニ loni_info@auntierosa.com)
その他/スタイリスト私物

<加藤史帆 衣装クレジット>
キャミワンピース、ジャケット(共にBELPER)
ピアス(BIG△TIME△下北沢)
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