
Amazonと東映のタッグによる世界へ向けた【推しの子】実写映像化プロジェクトが遂にFINALステージ突入。現在、ドラマシリーズがPrime Videoにてプライム会員向けに世界独占配信中、その続きとなる映画『【推しの子】-The Final Act-』が東映配給にて大ヒット公開中。
2020年に「週刊ヤングジャンプ」にて赤坂アカと横槍メンゴのタッグで連載スタートした【推しの子】は、伝説的アイドル・アイの子どもとして転生するファンタジックな設定とショッキングな描写もいとわないサスペンス要素、“芸能界”という複雑な世界に躊躇なく切り込む他に類を見ない斬新なストーリーに衝撃が走り、幅広い世代に話題沸騰。コミック累計2000万部を突破し(※2024年12月現在)、先日フィナーレを迎えてもなおその反響は大きく、勢いはおさまらず、配信・公開中のドラマ&映画『【推しの子】』もそのクオリティの高さに大反響を呼んでいる。
映画公開を記念し、行われた舞台挨拶に登場した櫻井と二宮。
まず、櫻井が「メリークリスマスですね。そんな忙しい時期にお集まりいただき本当にありがとうございます。もう公開されて数日経っていて、僕も実際に劇場の方に行って映画を見て、本当にたくさんの方から色んな反響をいただいてものすごく嬉しく思っております」と挨拶。「ファンの方やSNSを通じて、ものすごく良かったという評価をいただけていますし、この【推しの子】という作品自体、芸能界を描いているので色んな現場で、この業界内での評価というか反応はものすごくいただけています」と手ごたえを感じている様子。
そして二宮は「本当に本当にちょっとしか出てないのに堂々と舞台の上に立っているがめついタレントで大変申し訳ございません」と笑いを誘いながら「僕も配信が始まって、無事公開して、そして皆様へ届いているというのがすごく安心していますし、また色んな感想をちらほら見ていると、ちゃんと狙ったところに届いているんだろうなという感じが実感としてありますので、本当に嬉しい日々を送っている最中でございます」とコメント。
カミキヒカル役に二宮の出演が明らかとなった際にはSNS上で話題になり、親子役となった櫻井と二宮が似ているという声も上がった。それについて二宮は、「ありがたいです。そんなふうに言ってもらえるとは。もちろんそこはそうだったんですけど、似てる似てないとかは度外視というか、もうちょっと深いところで繋がっているような、僕は勝手に考えていたので、そうやってビジュアルも似てるって言ってもらえると、ラッキー!って」と喜びを明かす。
出演が伏せられていたことについては「僕はずっと怖かったので。もう配信の時から。どっかで漏れないかなと思っていたので。ハードル高くなりすぎちゃってて、それがもう恐怖だったので、良かったですね。受け入れてもらえてると聞いて、あぶねーって。ギリ息してます」とユーモアを交えながら答える二宮。
二宮がカミキヒカル役だということは、限られたキャスト、スタッフのみが知っている状態だったようで、当時のことを二宮は「僕一番最初は、うるおいさん(要潤さん)と一緒に現場にいたんですけど、うるおいさんがビビりまくっちゃって。『え!?ニノなの!?』みたいな。『急にこのシーンがちょっとだけ長くなったから、なんでこんなちょっと長くなったんだろうって思ってたんだよ』って言ってたのがレストランのシーンだったんですけど、あそこが初日だったので。初日って大体、○○役の○○さんです、みたいな紹介があるんですけど、それも無しで。なんかスーッと入って、現場でエキストラに入ってくれた人たちも『え?ニノじゃない?何も言わないし。何?』ってざわざわして。その次が山奥のシーンに行って、そこで一人で『カミキヒカル役の二宮和也さんです!』って言われて。それぐらい徹底して皆で守り抜いた形だったので、焦りました」と、徹底された環境だったことを明かす。
櫻井が二宮の出演について知ったのは「残り1ヶ月とかの段階で、プロデューサーから『誰だと思う?』って言われて。色々(名前を)言って、そこで二宮さんだってお聞きして」と撮影が進んでいたことを明かし、「僕は本当に勝手にというか、二宮さんのお芝居が大好きで、二宮さんが出演されている作品とかめちゃくちゃ見てきてたので、これ以上幸せなことはないなという感覚でしたね」と告白すると、二宮が「使ってください!撮ってるんだから使わないともったいない!」とマスコミへアピールする一幕が。
実際に共演してみた感想を櫻井は、「やっぱりカミキヒカルってものすごい役だと思って、一言でサイコパスという言葉では片づけられない、狂気性とかバックボーンみたいなものがあるので。でも最初にアクアとカミキで対峙した時に、もうこれは二宮さんしかいないというか、本当に幸せな時間でしたね。憎き相手ではあるんですけど、一役者としてものすごく貴重な経験をさせていただいているなという感じでした」と話す。
対して二宮は「アクアと鏡のような向き合い方というか、動いたら動くし、座ったら座るし、立ったら立つとか、そういった映像的な遊びは何個かやっていましたけども」と語り、「でも本当にカミキヒカルが二宮がやってたことで良かったよねってなるように、本当に皆さん頑張ってくれたのでそれはすごく感謝だし、それこそもちろん少ないキャストとのお芝居でしたけども、もっとちゃんとやりたかったなというのは出てきましたよね。一瞬だけだったので、もうちょっと一緒にやりたかったなっていう」と、物足りなさを感じていたとのこと。
そして「ここ(丸の内TOEI)で撮影をしてたじゃない。その時に僕は2ブロックぐらい先の方で、ちょうど髪の毛染めてたから。で、『現場でも見に行っちゃおうかな』『行こうかな』とか言ってたら『ダメです』って」という裏話も披露し、「お話をいただいてる頃には多分もう撮影は始まっていて、じゃあ行くぞってなった時は佳境だったってことだもんね。それは驚きました。長い間、本当にやっていたんだなっていうのはすごいなと思いました」とのこと。
役のために金髪に染めていたが、髪色でバレないか危惧していたのかという問いかけには「バレようがなかったです。神木隆之介がぐんぐん追い抜いてくれたので俺のことを。『カミキは神木隆之介じゃない?』『髪も金髪だし』って。いけ!そのままいけ隆之介!ってなりました(笑)」と、上手くカモフラージュできていたようだった。
また、撮影当時、カミキヒカルは原作であまり描かれておらず、他のキャラと違い役どころを掴むのが難しかったのではないかという質問に、二宮は「映画の筋の中では原作より食い込んでくる形にはなっていたので、むしろ表現は自由ではあったなと思っていますし、映画を見た後に原作に戻ってとか、色んな媒介を渡り歩いて色んなカミキがいてもいいんじゃないかなと思っていたので、そういう還元の、回りの仕方はしたいなと思っていたので。難しいんだろうけど、先生たちも『自由にやってください』と言ってもらえたので、やらせていただきました」と回答。
また、櫻井からは「(劇中映画の)『15年の嘘』でアクアがカミキを演じるんですけど、僕は本来であれば二宮さんが演じているカミキをちゃんと見て、それに寄せる芝居をしようと思っていたんですけど、二宮さんが入る前にその撮影があったので、お芝居を見れてない状態でカミキを演じなきゃいけなかったのでそれはすごく難しかったんですけど、今まで見てきた二宮さんのお芝居をなんとか引き出して引き出して、二宮さんだったらこうするかもなとかで、なんとかやっていました」と二宮好きが功を奏したことを明かした。
そして、二人が対峙するクライマックスシーンの感想を聞かれ、二宮は「俺はすごい楽しかったのよ。一緒のシーンだからさ、日数も限られてたし、僕の場合は。お芝居ができるって楽しさがあったけど、ずっとやって来てたわけじゃん。あそこを撮ってる時はどんな感じなの?」と答え、櫻井に質問。
櫻井は「でも僕自身も変な緊張感はありましたね。最後のところは。二宮さんとの対決というのもありますし、原作がまだその時点では完結してなくて、こういう風に終わっていくんだって先にネタバレ食らってる感じというか。その原作が見えてない中で自分ができるアクアとしての終わらせ方みたいなものはものすごく考えていた気がします」と語る。続けて二宮が「結構遅くまでやってたよね。もう終わるんだろうなと思ってたら全然終わらなくて。すごく全体の空気の作り方とかすごく独特で、ちょっとどこのシーンにしてもライブ感みたいなのがすごくあるというか、それは撮影してて新鮮でしたね。もうちょっと尖っても良いですよって言われたようなシーンなんだけども、ライブ感がすごく強く僕は感じていて、軽やかに行けたなって感じはありました」と振り返った。
ラストのアクアのモノローグシーンは、赤坂アカ先生からもアイデアをもらい、収録に臨んだという櫻井。「最後のモノローグを録ったのがクランクアップしてから半年後ぐらいだったんですね。だから僕自身も、ちょっとアクア抜けちゃってるんじゃないかなと思いながら、ビビりながら行ったんですけど、いざ自分が繋がれている映像を見て台本を読み返してみると、すぐに戻ってきちゃって、人生で初めて涙しながらモノローグを録ったんですよ。アクアとして過ごしてきた期間が長かったので、アクアの抱えている感情みたいなものが、最後あそこに全部乗っかれば良いなと思っていたんですけど、結果的に全部乗っけれたので、それはすごい貴重な経験でした」と明かす。
その仕上がりについて二宮は「僕はもう本当に、若い子たちって言っても失礼ですけど、今回核となる人たちが本当に本当に頑張って、お芝居と向き合って、【推しの子】という本来の筋に向き合ってやっている姿を見てすごく感動しましたし、今の話を聞いても感動しちゃうし、どこかもう親じゃないけど、すごく頑張っていたので、それを垣間見たり聞いたりすることで、やっぱそうだよなって。おそらく自分の若い頃にもあったんだろうけども、どこか蓋をして思い出していない自分が今いるということを考えると、貴重な経験をここで皆してたんだなというのは改めて感じましたね」と語った。
そんなキャスト陣の頑張りの話から、先日行われた前夜祭の話題へ。『15年の嘘』にかけて最近ついた嘘を披露し、櫻井のついた嘘が「実年齢が29歳」という嘘だった。
「それ、掘り返さなくていいんですよ」と恥ずかしそうにする櫻井は「「あれは皆さんが発表していくじゃないですか。最後のトリだったんですよ。控室でマネージャーに『トリなんで!』ってすっごい圧をかけられて、やらざるを得なかったんです。そんな面白くないのも分かってるんだけど、やらなきゃいけなかったんです」と弁明し、二宮が「偉いよ本当に!」とねぎらう。
すると司会から「そこで二宮さん、最近ついた嘘をこの場で大トリとして!」と無茶ぶりが。そこで二宮は「信じてもらえないかもしれないけど、今言ったこと全部嘘です。何とも思ってません、若手のこと」と分かりやすい嘘を。「僕ね、本当にびっくりするぐらい嘘つくのよ。僕、ラジオとかもやってるんですけど、ラジオで本当のこと喋ったことないぐらい。だから、最近ついた嘘を明確に言語化できる人たちは、信じていいと思った。もう思い出せない!」と続け、「その時見てて、ああいうのって無理じゃん。空気的に、そんな空気じゃないっていうか、厳かだし皆揃ってるし、皆もちょうどな感じの嘘を披露して、正解なんだけど、こっちはちょっと出したいというか、ワハハぐらいまで行きたいんだけど、空気的に笑えないし、嘘もないし、それであれ言えるんですよ。俺はもう泣けましたよなんて良い奴なんだって」とフォローした。
「結構空気はできてますけど」と再度司会者に振られた二宮は「嘘?今日電車で来ました」とさらに分かりやすい嘘をついた。「ただ、僕は本当に【推しの子】で言っている“嘘が本当になる”とかそういうものに関しては、一方で嘘をついた人間じゃないと分からないし、その職業でやっていたからこその塩梅というもの、人を傷つけないというものは、今のこの環境、社会においては程度のいい、分からなくもないとは感じますよね。というのは本当(笑)」と笑いを悟った。
さらに、ここで二人から発表があり、1月3日より、入場者プレゼント第2弾のスペシャルビジュアルカードが数量限定で配布されることが発表された。
アクアとルビーの後ろに、表面はアイ、裏面にカミキヒカルが映っているデザインとなっており、これを見た二宮は「そういう一枚絵があったんだって思った、俺は。一緒に映像にも映れないし、写真も撮ってないから、だから無いかなと思ったけど、そういう手があるのか、素晴らしい」と感心し、櫻井は「僕は昨日リアルに劇場に行って、第1弾の入場者特典をいただいてきたので、もう1回行かなきゃなと」と話した。
最後に二人からメッセージが。
櫻井は「赤坂先生から『当事者意識』とコメントの中で使っていただきまして、ものすごくそういう意識は我々の中でものすごく強くあったので、自分だからこそできるお芝居があるんじゃないかと常に信じながら撮影現場で日々を過ごしていましたので、ようやくこうやって皆さんのもとに作品が届くことがものすごく嬉しく感じております。まだ今年ももうちょっとありますし、来年に入ってからも公開は続いていくので、ぜひ2回でも3回でも、何度も見ていただければなと思います」と呼びかける。
二宮は「僕は後半からの撮影の参加だったんですけども、だからこそ見える部分と言いますか、現場のスタッフの人たちもそうですし、出ている演者の方々もそうですし、本当にこの作品がすごく好きで、このチームが好きで撮影をしているのがすごく印象的でした。本当に若い子たちが一生懸命頑張って、一生懸命この作品とぶつかって生まれたものを、どんどん映画として残していっている、ある種青春もあるような作品ですのでぜひ皆さんに何度も見ていただきたいですし、そういう友情良いな、愛情良いな、というものを改めて確認していただける、そして原作のファンの人たちも必ず納得していただけると僕は思っております」と力強く語った。
映画『【推しの子】-The Final Act-』は全国公開中。ドラマシリーズはPrime Videoで世界独占配信中となっている。