本作は、巨匠・黒澤明の助監督を務め、監督デビュー作『雨あがる』(00)以来、一貫して人間の美しい在り方を描いてきた小泉堯史監督が、吉村昭の原作「雪の花」(新潮文庫刊)を映画化。日本映画を代表する豪華キャストとスタッフが集まり、多くの人命を奪う疫病と闘った町医者の愛と感動の実話を描く。
実在した町医者・笠原良策役に松坂桃李、良策の妻・千穂役を芳根京子が務める。

この日は親子特別試写イベントということで小学5~6年生の生徒125名とその保護者125名の総勢250名が参加。
映画を鑑賞した生徒を前に松坂は「僕が5年生、6年生ぐらいの時って、時代劇を観る機会が本当になくて、そこを通らずに来てしまったので、こうして皆さんに時代劇というものを届けることができたのは本当に嬉しい」とにっこり。本作を観て感じたことについて「観た感想のまま、そのまま素直に受け取ってほしい」と話し、「それぞれ感想をお持ちだと思うので、単純に面白かったでもいいですし、ちょっとわかんなかったなとかでもいいですし、それが、どんどん時を経て、最終的にはこの作品の内容っていうものが少しずつ分かってくるっていう形でも僕はいいのかなと思うので、今皆さんがそのまま感じ取ったものをそのまま持っていただければ、僕はそれで大満足」と呼びかけた。

イベントでは生徒からの質問に回答する場面も。
『笠原さんのような立派な人になるにはどんなことを心がければいいですか?』という質問に対して松坂は「僕が勝手に思ってることだけど、立派になろうと思って立派にはなれない。周りの人がその人のことを立派だなと思うから、その人が立派になるわけであって。自分が立派になるっていうのは、自分がなろうと思ってなれるわけじゃない。でも、笠原さんも立派になろうと思って医者になったわけじゃなくて、医者になってたくさんの人を助けたいと思う気持ちや志が、周りの人から見たら立派だなと思う。つまり、立派になった人ということ。だから、好きなことややりたいことに一生懸命になれば立派な人になれると思います」と真摯に回答する姿をみせ、芳根は「優しさを忘れず、周りの人に対してありがとうっていう気持ちを忘れずに、のびのびと成長していってください」と優しい言葉を投げかけていた。

次いで問われた『どうして俳優の仕事を選んだんですか?将来の事はどうやって選んだらいいと思いますか?』という質問に松坂は「ワクワクしたからかもしれないです。ちょっとでも興味があるなとか、この好きな気持ちがすごく大事だと思う」と続け、「それを頼りにしたらこの仕事に最終的に行きつきました。周りの言葉に左右されずに、自分の本当に好きな気持ちを大事にすることによって、本当にやりたいことっていうのが見つかると思うので、好きな気持ちを大事にすれば、なりたいものっていうのは自然と見つかるかなと思います」と笑顔をみせた。
芳根は「私は学生時代、やりたいことがなかったんです」と回顧。「どうしよう将来って思ってた時に、今の事務所の人に声をかけてもらって、この世界に飛び込みました」と明かし、「人から勧めてもらったことっていうのに、自分がこんなに熱中できるとは正直思っていなかったし、だからきっかけはいろんなところに転がっているんだなってすごく感じています。今はこのお仕事が大好きで、お芝居が大好きなので、本当にご縁に感謝しています。だから、もし自分が今やりたいことがないなって悩んでいたとしても、きっといつかいろんなご縁や運命で出会える日が来ると私はそう思っています。応援しています」と答えていた。