「文化の百花繚乱」の様相を呈した大正から昭和初期を舞台に実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描いた本作。実在の女優・長谷川泰子を広瀬すず、のちに不世出の天才詩人と呼ばれることになる青年・中原中也を木戸大聖、のちに日本を代表することになる文芸評論家・小林秀雄を岡田将生が演じる。

鮮やかな黒の着物姿で登場した広瀬。本作は田中陽造が40年以上前に書いた幻の脚本ということに「今の時代に生きてる我々がどんなふうに解釈をしながらこの世界に入っていくのかはある意味本当にすごいチャレンジだと思った」と言い、「セリフの言い回しであったり、男女の関係性、距離感とか全部がとっても新鮮だった」と明かした。
現場については「みんなとお芝居を話し合いながら作っていくみたいなことでもなかった。個々に感じたものをその場ですごく大切にしながら演じている現場だったのですごく貴重でしたし、ビシビシと静かにみんなから伝わってくる熱量がすごく心地のいい現場でした」と当時を振り返った。

広瀬が演じた実在の女優・長谷川泰子に関しては「すごい激しいんです、関係性が。もう疲れました」と吐露。「1周回っていさぎよく気持ちのいい役だったなとは思うんですけど、本当に毎日何かを削りながら生きているような役だった」と話すと、広瀬との共演シーンを木戸は「泰子との芝居のところに関しては、特にフィジカルなぶつかり合いだったのでプロレスをずっとやってるかのよう」と回顧した。

青い春を描いた本作にちなんで“青春時代にやりたかったこと”に話題が及ぶと広瀬は「学生時代、お仕事で学校行けない時が続いたりとかして、学校帰りにみんなで制服のまま遊びに行くのをやりたかった」と告白。「制服のまま『授業めんどくさい』とか言いながらサボったり、『みんなで今日ご飯行っちゃおうよ』っていうのがなかなかできなかったので、もうちょっとみんなで遊園地行ったりとかそういうことをしたかった」と青春時代の憧れを話した。
同じ話題に木戸は「ダンスをやっとけばよかった」と答え、理由について「リズム感っていろんなとこで生きるなっていうか。何かと踊らなきゃいけないことって意外と多いなと思って」と説明すると、横で頷きながら聞いていた広瀬も「すごい大事。(踊らなきゃいけない場面が)何かと多いのもめちゃくちゃわかります」と共感を見せ、岡田は「すごくわかるよ。歌とダンスNGですもん」と話し笑いを誘っていた。

また、“最近出会ってしまったもの”について聞かれると「ぶりしゃぶ」と声を弾ませながら答えた広瀬。何年か前に出会って忘れられなかったぶりしゃぶに最近再会したそうで「すっごい量を食べました…『毎週来ます!』ってお店を出てきたくらい。こんなに美味しいものあるんだって思うほど美味しくて感動しました、(口が)まだ美味しいです!」とぶりしゃぶへの愛を熱弁していた。