
本作は「文化の百花繚乱」の様相を呈した大正から昭和初期を舞台に実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描く。実在の女優・長谷川泰子を広瀬すず、のちに不世出の天才詩人と呼ばれることになる青年・中原中也を木戸大聖、のちに日本を代表することになる文芸評論家・小林秀雄を岡田将生が演じた。
この日は、上映後の舞台挨拶ということで鑑賞後の観客の前に立った広瀬は「どんなふうにこの映画が届くのか、受け取り方もきっと皆さんそれぞれ違うような気がするので、すごく早く感想を聞きたい」と興奮冷めやらぬ様子。「無我夢中でやってた撮影も2年前」と撮影当時を振り返りつつ「自分の(作品)ってなかなか客観的に見えないっていうか、見るところがいっぱいあってそういう風に見れないので、皆さん見てもらった言葉とか、伝えてくださった感想とかで、そういう風な映画になってたんだ、良かったって思えることが多いからこそ、皆さんの言葉が聞きたいなと思います」とあらためて呼びかけた。
本作は、壮絶な青い春=赤い春が描かれていることにちなんで、感情的になってしまったことを聞かれた広瀬は10代の頃に初めて主演を務めたドラマ現場でのエピソードを披露。「毎話少なくて10ページとかのセリフがあってそれをスピーチしていく、いろんな感情的なものの打ち合わせをプロデューサーさんと一緒に毎日2~3時間してた」と話し、「最終的に熱が入りすぎて、バレンタインかなんかの日に自分が1人で戦うって回だったんですよね。そのスピーチの日に1人にされて『自分で頑張れ』ってプロデューサーさんのメッセージでだったらしいんですけど、急に1人にされて『なに?』ってなって大喧嘩した」と笑いながら告白していた。
最後に広瀬は「大正から昭和初期を舞台にした作品が、今の時代に皆さんにどう届くのかが、映るのかなっていうのは、すごく不安でもありながら、楽しみにしていた瞬間」と公開を喜び、「多くの世代の方に今日来ていただいて、この作品もそんなふうに届いていくんだなってとってもこれからがワクワクしております。面白かったよってこの作品を広めていただけるととても嬉しく思います」とアピールしていた。
この日は広瀬のほか、共演の木戸、岡田、主題歌を担当したキタニタツヤ、監督の根岸吉太郎も出席した。