
本作は「文化の百花繚乱」の様相を呈した大正から昭和初期を舞台に実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描く。実在の女優・長谷川泰子を広瀬すず、のちに不世出の天才詩人と呼ばれることになる青年・中原中也を木戸大聖、のちに日本を代表することになる文芸評論家・小林秀雄を岡田将生が演じている。
映画公開から1週間たち、周囲からの反響について「連絡をいただいたり見たよって声をかけていただくこともありまして、やっぱり今まで割と元気だったり、もう少し何かを抱えた女の子が多かったんですけど、大正時代という初めての挑戦ということもあって、色んな方から『新鮮だったよ』「靖子かっこよかったよ』と言っていただくことが多くて、そういうふうに届いていて嬉しいなと思うばかりです」と笑顔を見せる。
本日が最後の舞台挨拶ということで、作品にちなんだいくつかの質問に答える企画が行われた。
ワンカットで撮影しているファーストシーンの感想を聞かれると、「あのシーンはめちゃくちゃ印象的で。私は必死に階段を降りて、裏側はバタバタだったんですけれど、色んな方に力を貸していただいて、凛とした顔で出てくるみたいな。それで必死だったので、完成してから私も見て、なんてシーンなんだと思いました。私自身もゾクっとしちゃいましたね」と撮影当時の苦労を明かしながら語った。
また、物語の中で、泰子と中也の取っ組み合いをするシーンにちなみ、「誰かと取っ組み合いの喧嘩をしたことはありますか?」という質問が。広瀬は「きょうだい喧嘩じゃないかな。取っ組み合いというより、勝ったことは一度もないんですけど。上に二人いるんですけど、完全にけちょんけちょんにされていましたね。なかなか家族以外とはないですね」と話し、「中也と泰子みたいな喧嘩は嫌ですね」と木戸と顔を見合わせていた。
そして、愛に人生を翻弄されている3人の物語ということで「皆さんが人生を翻弄されるような出会いをしたものはなんですか?」という質問には「事務所の社長さん」と答え、「姉が先にこの仕事をしてても、全く私は興味がなく、やり始めた頃も辞めたくて仕方なくて。ドキドキして嫌々東京の現場に行って、やりたかったバスケがあるしもっと友だちと居たかったけど、色んなことを経験させてもらったら結局未だに続けている、辞めないじゃんこの人!って同級生たちも思っていたくらい、とてもマイナスなネガティブな感じでポンと入っちゃったけど、言葉と人柄と与えてくださってたものも全部含めて、結局楽しくて、もはや人生みたいになっちゃっているというのは想像してなかった」と芸能界に入った当時の心境を振り返る。姉・広瀬アリスからはその時何かアドバイスがあったのか聞かれ、「いつ辞めれる?バスケがやりたいんだけど、みたいな感じでした。どう言えばいいのかも分からないみたいな感じで泣きじゃくって、オーディションの電話があると泣きじゃくって行きたくないって毎回言っていたので」と、芸能活動に後ろ向きだったことを語った。
最後に「実際に性別に関わらずどのような人に惹かれますか?」という深い質問が。これには「色んな意味が込められているからちょっとずるい回答かもしれないですけど、面白い人」と語り、「それは頭の回転の速さの面白いもあるし、センスの面白いもあるし。自分の感性を貫いて、それを表に出せる人というのは見ていて面白いなって思います。私はちっちゃいことも面白くなれば何でもいいや!みたいな、結果ハッピーになれる人間なので、周りにいて楽しい人とか面白い人はとっても惹かれます」とコメント。
すると木戸から「めちゃくちゃ面白いです」と言われると「面白くないですよ!」と即答し、「面白い人になりたい!なりたくないですか?面白いって言われたくないですか?」と共感を求めていた。
最後に来場者へ向け、「皆さん本日は、本当に本当にありがとうございました。この作品は泥臭く、人間臭く、一生懸命時代を生き抜いた男女三人の愛なのか、友情なのか、言葉で表しきれない関係性をこの作品では体現して、とても面白い作品に出会えてよかったととても思います。一人でも多くの方に届いてほしいなと思いますし、この世界にどっぷり浸かって映画を楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。ぜひこの映画が広まることをとても願っているので、ぜひ皆さんにもお力を借りて、この映画を一つ大きくしていただけたら良いななんてちょっとわがままを思ったりしています。ぜひ楽しんでください」とメッセージを送った。