
本作は、2022年から約2年間で107本に及んだ森山直太朗 20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』の映像作品をもとに、新規映像と新たな楽曲をとりいれたドキュメンタリー映画となっている。
本作を映画化をすることになったきっかけを森山は「両国国技館でのライブをDVD&ブルーレイにしていく中で、スタジオで音響とか映像込みで確認した。素晴らしいその5.1サラウンドあるいはドルビーアトモスでも聞いた時に生以上の臨場感がそこに立ち上がってると思った」と話し、「一夜限りのイベントだったんで、全国でも志半ば見れなかった方もいらっしゃると思ったので、例えば、いろんな地域にある単館映画館だったりイベントスペースをお借りして、皆さんと一緒に鑑賞会をしようっていうのが最初の発端」と経緯を明かした。
劇中のセットリストについては森山がライブのように組んだそうで「今回の映画と紐づくようなそんな思いっていうのは全くなくて、ただただ両国国技館の土俵型のステージの上で、どこから始まって、どこを通って、どういう終わりに向かっていくのかってことを想像した」と語った。
舞台挨拶後半には、本作の主題歌『新世界』の生歌唱も行われた。
新曲『新世界』の誕生について「父が亡くなる2ヶ月ぐらい前にふと父は逝ってしまうんだな」と感じたそう。「明後日だろうと2ヶ月後だろうと10年後だろうと、その別れはいつか来る。ただ、心準備ってまだできてないもので、少し切ないというか、寂しい気持ちになった」と告白、そんな時に「父はどんな気持ちで生と向き合ってるんだろうみたいなことを考え、ふとそんな思いに駆られて作った曲。父が自分を介して父の思いを歌ってるような、父が歌ってる曲」と制作の過程を説明した。
最後に森山は「今日も来る途中に『きっと父親も、ちゃっかりこの客席に座って見てるんじゃないかな』と思いながら今日の日を迎えました。音楽だけの映画ではなくて、家族との繋がりが描かれてる作品になっております。なので、音楽も楽しみながら、その向こうにあるそれぞれの景色だったりとかを思い浮かべて、また大切な人を連れて今日見に来てくださったり、全国でご覧になってる方もいろんな人を誘ってこの作品を感じていただきたいなと思っております」とメッセージを残した。
この日、舞台挨拶には監督の番場秀一も登壇した。