――かなりインパクトがある本作のタイトルですが、タイトルを聞いた時の心境と、原作や台本を読んだ感想を教えてください
森香澄(以下、森):最初、題名を聞いた時は率直にびっくりしたんですけど、読み進めていくと、ハートフルな内容なので、人間的な部分とか、ヒューマンドラマ的な一面もあるなという印象を受けました。ただ、やっぱり題名のポップさは残していてコメディチックな一面もあるので、作品を通してすごく色んな要素があるなというのを原作と台本を読んで思いました。
――タイトルを聞いた時のイメージとギャップはありましたか?
森:だいぶキャッチーというか、衝撃的な題名なんですけど、中身は割とポップですね。そのギャップがありました。


 

柏木悠(以下、柏木):僕は最初、過激とまではいかないですけど、やっぱりびっくりするような題名で、でも中身を見ていくとそういうピュアなラブコメもあるんだなっていう、読み進めていくうちに次が気になるような展開ですし、題名からしてもすごい面白そうというか、組み合わさらない言葉が組み合わさっているので、とても面白いなと思いました。
――それぞれ演じられるキャラクターについてどのような印象をもちましたか?
森:花恋は、1、2話を読み進めていくと結構恋愛に対して軽く考えているというか、性に対しても奔放な役なので誤解されがちで、一見軽いと言われるような一面があるんですけど、実際は色んな過去があって、それを抱えたから鎧をまとっているようなところがあるので、そこは共感しながら演じることができたなと思いますね。私もテレビに出ているキャラクターで色々誤解されることがあるので(笑)、そこは結構花恋と重なるなと思いながら演じました。
――自分を貫いていくのは大変なことではあると思うのですが、重なる部分があるとより強い思いを込めて演じられましたか?
森:そうですね。自分をしっかり持って、自分の意志で動いている、周りにあまり流されていないというところは花恋を見習うところもありましたし、私自身も自分の芯をしっかり持っていたいというのは常に思っているので、そこは花恋に学びつつ演じています。
――柏木さんはいかがですか?
柏木:僕、全く同じ理系なんですよ!そこは同じだなと思ったんですけど、中身はすごく真面目で、閉ざした交友関係みたいなのが、僕はそんな感じではなかったので、役作りとかどうやって演じようかなというのは少しありました。でも演じながら帝都の性格がだんだん掴めてきて、閉ざしてはいるんですけど、それは傷つけないための優しさだったりもするので、そういう優しさもあるんだなという学びにもなりましたし、花恋さんはすごく明るくて、正反対な部分が惹かれ合うのかなというのは思いました。


 

――閉ざしている性格でありながら言う時にはビシッと言う部分もありますよね
柏木:自分がそこは違うと思ったら、あまり場を関係なくスパっと言っちゃう帝都の潔さが、僕は良さだと思っているので、この物語ではそれがコメディっぽくも映されているので見やすいというか、嫌な気持ちにはならないような脚本ですごいなと思いました。
――かなりコメディ要素が強めの作品ですが、コメディを演じて難しさや楽しさを感じたところはありますか?
森:花恋は帝都と向き合っている時とカメラと向き合っている時があって、あとは自分とも向き合うので、目線が多いのが結構難しいなとは思います。あとはコメディならではの表情のバリエーションが必要なのが難しいなと思いつつ、すごく楽しい部分です。現場で「こっちの顔の方が良いですかね?」とか「こういう顔の方が面白いかな?」と監督とかと相談しながら、コントを作っているかのような会話をしながら撮影しています。
――柏木さん演じる帝都は花恋の妄想シーンに登場させられる場面がありますが、演じ分けで難しさを感じる部分はありますか?
柏木:むちゃくちゃ難しいです!撮影の段取りでは繋げてやるので、急にスッとなって、めっちゃかっこつけて言ったその1秒後にまたスッとなるみたいな。むちゃくちゃ難しいからびっくりしました!(カメラを)止めてくださるのかなとか思っていたんですけど、止めずにやっていたので、ありがたいんですけど(笑)。それこそ本番でも「妄想からください」って言われて、帝都に戻るみたいなシーンがあったので、こんなにもスイッチをカチカチ切り替えたのは初めてだったので、難しさもあり、すごいワクワクしました。


 

――そんな姿を森さんは近くでご覧になっていたんですよね。そういうところで年下の可愛らしさは感じましたか?
森:ワタワタしている感じはありましたけど、すごい切り替え上手でパッパと切り替えてやっていらっしゃるのは、さすがプロだなと思いながら見ていました。
――今回、お二人は初共演となりますが、お互いの最初の印象はどうでしたか?
森:10個差があって、10個下の人ってどういう環境で生きてきたんだろう、っていう……。あまり関わることがないので、大丈夫かなっていう不安が最初はあったんですけど。会って最初にちょっと探る時間みたいなのがあって、その後色んなトラブルがあり、場をすごく和ませてくれて。そこから一気に現場が和んだので。言っちゃいますと、衣装をちょっと汚すというか……(笑)
柏木:ハプニングです!汚してはいないです!白いパーカーにカレーなんてつけてないです!(笑)
森:そんなに大きな問題ではないんですけど、ちょっとしたハプニングがあって(笑)。そのハプニングのお陰で、この子はつっこんで良い人なんだ、って皆が理解して、全員がツッコミに入るっていう空気がクランクインの日に出来あがりました。


 

――共演してがらりと印象が変わりましたか?
森:そうですね。アイドルをやっていらっしゃって、MVとかそういうイメージだったので、砕けた一面もあるんだなと思いました。率先して現場を和ませてくださって、若いのに周りがすごく見えているんだなといつもすごく助かっています。
――対して柏木さんは森さんについてどのような印象ですか?
柏木:めちゃくちゃ優しくて、僕が何するにしても笑ってくださったりとか、多分そんな面白くないでしょって思うことにも笑ってくださったり、そういう優しさがたくさん見えます。周りのスタッフさんへもそうですし、現場を引っ張ってくださっているなって思います。僕も本当は帝都の寡黙キャラで本当は行きたかった……。
森:最初はめっちゃ寡黙だったんですよ!全然喋らなくて、そういう人なのかしら?って皆がちょっと思っていたんです。
柏木:それが空回りしちゃいました……。いつも抑えてはないので、急に抑えると何かしらが蓄積されて、反動があったのかなと。
――森さんとお会いする前のイメージはどうでしたか?
柏木:お会いする前はテレビとかでも拝見していたので、イメージで言うとですよ?あざといのかなと(笑)。あざといというのはもちろん褒め言葉で、色んなあざといがあると思うんですけど、その中に見える優しさがすごく温かい、心が広いなという、そこが素敵だなと思いました。