――本作への出演が決まり、作品の印象や台本を読んだ感想を教えてください
台本を見ただけではこの仕上がりになるとは正直思っていなくて、読んでいるだけで面白いですけど、これを映像にするのはどうやってやるんだろうと最初は疑問でした。でもそれが仕上がりを見るとすごく面白くて、とてもかっこよくてミステリアスで、音楽のかかり方も良くて、テンポ感も良くスピード感も速くて、本当に良い作品になっていて、すごく楽しみだなと思っていました。学園シーンの問題が発生して、この物語がスタートしていくので、学園シーンがとても大切だと台本を読んでも思いましたし、読み合わせの時にも言われました。
――初めての学園ドラマ作品への出演となりましたが、いかがですか?
初めての学園ドラマだったんですけど、僕が想像していた学園ドラマとはまた違ったテイストで、ミステリーやコメディ、感動も入った、色んな要素が入った学園ドラマに出演できてすごく嬉しいなという気持ちでした。作品のテイストによってはあまり現場で和気あいあいとするより、やる時はバシッとやって、みたいな感じなのかなと思っていたんですけど、今回に関しては、学園シーンは結構コメディパートなので、楽しくやればそれが画にも出て一番良いと思ったので、カメラが止まってもそのまま会話をしたりしていたので、とても楽しかった印象しかないです。

――江藤新という役を演じてみた感想はどうですか?
多分1話を見ただけでは多分なんだこいつって思う瞬間とか、なんだろうこの人間はみたいな冷たいセリフや、人を蔑んだセリフ、自分のことをすごく大きく言うセリフもあったり、変わった子だなと思うかもしれないですけど、どんどん話が進んでいくごとに人間味が出てくると思うので、楽しんでいただけるんじゃないかなと思っています。僕のことを好きでいてくれる皆さんや、それ以外の方々にも江藤という役を見て、愛くるしいと思ってくだされば嬉しいなと思ったので、楽しみです。
――江藤にはどのような印象を持ちましたか?
すごく可愛いんですよ。ただ、友だちにはなりたくないですね(笑)。僕自身は友だちになりたくないだけで、江藤のことは好きなんです。江藤の気持ちや、どういう思いでこういうセリフを言っているのかとかを考えるとすごく好きになりますけど、江藤という人間をあまり知らない人からすると、印象は良くないのかなと思っています。多分、学校内でも、すごく仲良い友だちがいるかと言われると、まだいないと思うし、宮内(山下永玖さん)が江藤のことを「は?」って思うシーンも今後出てくると思います。なので、そういうセリフや描写が出てきたら、可愛いなと思って見ていただければ嬉しいです。

――台本を初めて読んだ時と演じていく上で、江藤の印象に何か変化はありましたか?
初めて読んだ時は、色んな場所で物語があるなと思っていて、1つの大きな題材で犯人はだれなのかというメインストーリーというより、色んなパートに分かれていて、その中での物語や葛藤がある台本だなと思ったので、そこは読んでいてすごく楽しかったです。江藤に関しても、台本を読んで、演じている上でこんなことを言うようになったんだという役としての成長をすごく感じていたので、とても面白い、やりがいがある役だなと思いました。
――ご自身と役でどこか似ているところ、また演じる際に苦戦したところがあれば教えてください
僕自身がそんなに知的なタイプではなくて、割とぶっきらぼうだし、何でも直感で動いてしまうというか、結構感覚でやってしまい、それが良い方に転ぶ時もあれば悪い方に転ぶ時もあって、そういうタイプの人間なので、あまり江藤みたいに考え込んで行動するキャラクターはだいぶ真逆なんですが……。でも、江藤にも高校生だなって思う、子ども心がある可愛い部分があって、その可愛い部分は何なんだろうと考えた時に、多分素直で、あまり曲線的に物事を考えず、直線的に考えているなと思ったので、そういう部分は僕に似ているのかなと思っています。苦労した部分で言うと、セリフの早さや間を詰めて芝居をしようと思っていました。
――江藤を演じるにあたり、意識したことはありますか?
逆に意識しなかったかもしれないです。肩の力を抜いて、セリフに対して自分が思った感情のお芝居をやっていけば、監督と作り上げてきた江藤が、時が経てば経つほど体に入ってくる感覚はあったので、あまり考え込むことは無かったです。
――演出面やお芝居について、監督からの言葉で印象に残っている言葉はありますか?
一緒に作り上げてくださったというか、江藤という役を一緒に理解しようとしてくださったので、何か言われたというより「こう思うんだけど、どう?」ってディスカッションしていたのが印象に残っています。

――主演を務めた五百城茉央さんはどのような方ですか?
すごく独特な、良い意味で他の人が持っていない雰囲気で、乃木坂46でのアイドル・五百城茉央も、女優・五百城茉央も、それぞれすごく素敵な顔を持った方だなと思っています。現場ではすごくふわふわしているというか、とてもニコニコしていて気さくで明るくて、それがこの現場にはフィットしていて、その存在がとても助かりました。
――撮影で印象に残っているエピソードがあれば教えてください
(山下)永玖くんとはカメラが止まった時にふざけ合ったり、他愛もない会話をしたり、2人でいるシーンが多かったのですが、全てを受け入れてくれる方だったのでとても楽しかったです。五百城さんも同じ兵庫県出身というところから会話も弾んで、他のキャストの皆さんとも明るく楽しく撮影に臨めました。

――作品の見どころを教えてください
この作品はコメディパートやミステリアスな謎解きパート、警察パートと、色んな描写やストーリーが詰め込まれています。そこに江藤というキャラクターが仲野茜に対してどういう心情を抱いているのか、どれだけ影響を与えられるのか、見どころかなと思います。
――江藤として注目してほしい部分はありますか?
仲野茜との関係性が江藤はすごく濃くて、それが犯人として疑っているからなのか、劣等感なのか、悔しいと思っている気持ちなのか、色んな感情があって、江藤は一体何なんだろうというカットが次第に多くなっていきます。江藤の表情を1カットで描写したり、これは仲野茜に対してどういう気持ちでこの顔をしているのかというのも、江藤を楽しんでいただく上ですごく大切になってくると思います。物語が後半になるにつれての江藤の心情の答えを、皆さんで見つけてほしいなと思います。
――1話の頃からかなり心情の変化がありそうですね
6話ぐらいから、江藤自身がすごく人間味を出すシーンがあるんですよ。6、7話の江藤が本当の姿だと思います。1話から5話までは江藤自身が作り上げた江藤を演じているので、そのメッキがどんどん剥がれていく姿を見てほしいなと思います。
――最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします
いつも見てくださっているファンの皆さんには、また一つ違う自分が見せられるのではないかなと思って、とてもワクワクしています。江藤というキャラクターを解いていく瞬間を一緒に見届けてほしいなと思うので、ぜひ楽しんでいただければ嬉しいです。


撮影:秋葉巧
スタイリング:阪上秀平
ヘアメイク:齋藤 将志