原作は、熱狂的ファンも多いコント職人ジャルジャルの福徳秀介が2020年に小説家デビューを果たした同名作。個性的かつリアリティあふれる女性主人公を描くことの多い大九明子が監督を務め、恋愛作品としては初の男性主人公の物語に挑戦。主人公の冴えない毎日を送る大学生・小西徹を萩原利久、⼩⻄が恋に落ちるヒロイン・桜⽥花を河合優実が演じている。

SNSをはじめとするレビューサイトでも好評価が続々と話題沸騰の本作、この大きな反響に萩原は学生時代の友人などから連絡がきたそうで「中学とか高校の時からの同級生って、僕が画面に映ってるとなんか恥ずかしいらしいんですよ(笑)そういう友達とかもわざわざ連絡してくれる友達とかが多くて、個人的にいつもない反響ですごく嬉しかったですね」と心境を明かす、河合は「ジャルジャルが好きって人もいるし、大九監督の新作絶対見たいって人もいるし、さっき萩原さんが言ってた地元の友達とかすごいたくさん見に来てくださる方が多様だなっていう感じがしてます」と喜びを口にした。
改めて本作の魅力について聞かれた萩原は「感想の自由、捉え方が見る環境だったり、今の自分の状況だったり、過去だったり、1つ1つの要素でほんとに変わっていく。そういう1つの要素で1個1個が全部違って見えるのがすごくシンプルかもしれないですけど大きな魅力だな、それこそ僕自身も10年とか20年経ってこの映画を自分で見た時に当時持ってなかった感想出てくるんじゃないかなとか思いますし、ほんとに長く楽しんでもらえる作品になってるっていうのが僕の中ですごく大きな大きな魅力かなと思いますね」とアピールした。

この日の舞台挨拶は上映後ということで大九監督が小西と桜田2人の勝負のシーンと話したクライマックスのシーンに言及。撮影現場について萩原は「今後もうあのシチュエーションって経験できないかもしれないってのはやっぱ思います。まるまる1つのシーンで取り組んだことだったりっていうのは2度目を望んでもほぼ不可能なんじゃないかってぐらい、今まで自分がやってきたシーンとは異なっていた、緊張感ありましたけどすごく良いチャレンジだったなって思いますし、忘れることもないシーンだなってのはすごく今でも思います」としみじみ。河合は「山がたくさんあったんで、ちゃんと怖かったし、みんなが頑張ってたなって、ほんとにまっすぐ自分ができることをちゃんと怖がりながら丁寧にやろうとしていた現場の空気はすごくいい記憶として残ってます」と振り返った。
そんなクライマックスのシーンの撮影で萩原は「河合さん長セリフのシーンが終わったあたりぐらいですかね、ちょっとホッとされてる姿を見てなんか嬉しくなりました」と河合の意外な一面を見たそうで、「完璧に見えるってのもあれですけど、割とどんな困難があってもこのまま切り抜けていくような強さを感じてた。だからその一幕を見れて『あ、よかった』って思いました」と打ち明けると、恐縮した様子で河合は「すごいあってはならないことで、それを気づかれるというのは。私が何かをしたというわけではないんですけど、自分のセリフが終わった時に萩原さんが『ちょっとスッキリしてる?』って言ってきたんですよ。で、本当に反省して…自分の番が終わったからもう終わりみたいな。何か体から出てたんだ、その態度がと思って、すみませんでした」と謝ると、萩原は「一息ついていて、逆にホッとしました」と笑顔をみせていた。

この日舞台挨拶には、監督の⼤九明⼦も出席した。