
『君の膵臓をたべたい』でデビュー以来、数々の人気作を手がけてきた住野よるの同名小説を映画化した『か「」く「」し「」ご「」と「』が5月30日(金)より全国公開となる。本作は、“少しだけ人の気持ちが見えてしまう”男女5人の、純度100%の尊い日々を描く青春ラブストーリー。原作は累計発行部数80万部を突破し、2017年の原作発売から若者を中心に根強い人気を誇る。
本作でW主演を務めた奥平大兼と出口夏希。完成披露イベントには、佐野晶哉(Aぇ! group)、菊池日菜子、早瀬憩、中川駿監督も登壇した。
引っ込み思案で自分に自信の持てない主人公・京を演じる奥平は「内気ではあるもののヅカと一緒にいるときは普通の男子高校生として明るく接している時もあったので、撮影している時も自由にき役にやっていたというのがすごく記憶に残っていて」と撮影を振り返る。「ただ、ミッキーの前だと、自分に自信がなくなってしまうというのは、自分が学生時代を過ごしてきた中で、特定の人に対してちょっと消極的になってしまう経験は僕もしたことがあるので、なんとなくその時のことを想像していながら演じていました」と過去の経験が役に生かされたよう。
出口は底抜けに明るい性格でヒロインよりもヒーローになりたいと願う・三木直子(通称ミッキー)役だったが、「作品に入る前に皆、住野先生からお手紙をいただいて。私だけすごい淡白な一言で“バカかわいいミッキーを演じてください”と書いてあって。どんなふうにかわいいミッキーを出せるのか悩んでいたんですけど、その一言で分かった気がして。私が自然体でいれたら、それが場面に出るのかなと思って、何も考えずにただただ楽しくやっていたら、自分っぽくなっちゃって。でも私からしたらそれがミッキーぽいなとも思えたので、良かったなと思っています」と原作者である住野氏の言葉が役作りのヒントになったと話す。
また、映画のタイトルにちなみ、撮影時の“かくしごと”を発表する場面が。
すると出口が「先に言いたいんですけど、この番宣期間で、タイトルが『か「」く「」し「」ご「」と「』じゃないですか。どこに行っても隠し事を教えろって言われて、もうネタがないんです!」と訴える場面が。「ないので、出した結果……」とフリップに書かれていたのは“でんぐり返し”。
「学校行事でアクションを練習するシーンがあって、アクションの先生が『ウォーミングアップしよう。じゃあでんぐり返しして』みたいに、普通に言われるんですよ。私も普通にできると思ったら、途中で止まっちゃって、すっごい恥ずかしい思いをして!」と後ろ回りのでんぐり返しができなかったそう。「皆の前で固まってて、すっごい恥ずかしくて言うのやめようかと思ってました……」と照れていて、「でんぐり返しのシーンとかないですよ!ないんですけど、やれって言われて、まさかのできなくて……」と身を削った“かくしごと”を披露した。
続く奥平だが、直前に発表した出口が「こんな暴露しているのに、この後の奥平大兼のこれはないと思います!」とクレームを入れ、奥平自身も「隠し事でもなんでもないんですけど」と前置きして、「新潟の学校をお借りしたじゃないですか。あそこの目の前に喫茶店があって、あそこにマネージャーさんと2人で行ったよっていうだけの話です。これぐらいしかなかった」と話していた。
さらに、本作に書き下ろした『I hate this love song』で映画主題歌を初めて手掛けることになる若者を中心に絶大な人気を集めるラッパー/シンガー・ちゃんみなからのメッセージがサプライズで上映。「実際の初恋した時の経験を書いた曲で、実は7、8年前ぐらいに書いた曲なんですけども、今回 『か「」く「」し「」ご「」と「』のために歌詞を変えたり、ちょっと手を入れて、映画に寄り添った内容にしております」だと明かされると、驚きの声をあげる。奥平は「そんな貴重な曲を、嬉しいですね」と笑顔を見せた。
イベントの最後に、まずは出口が「見ていただければ、キャッチフレーズになっている純度100%の意味がわかると思うので、最後まで、ちゃんみなさんの曲も合わせて見ていただけたら嬉しいです」と述べる。
そして奥平は、「原作がある作品なので、きっと原作の小説のファンの方もたくさんいらっしゃると思いますし、あとは住野よる先生のファンの方もたくさんいらっしゃると思うので、まずはその方たちにちゃんと良い映画だったなと思ってもらえるような映画であると僕も思っているので、それをぜひ楽しんでほしいなという気持ちが一つ」と原作・原作者ファンへ言葉を送り、「あとは、本当だったら見えないものが見えるというちょっとフィクションの部分もあったりするんですが、5人の登場人物にある気持ちや行動は決してフィクションではなく、現実の僕たちがしてもおかしくない行動や気持ちだと思うので、ぜひ自分に当てはめて見てほしいです」とコメント。
さらに「これは住野先生とお話しした時に住野先生がおっしゃっていたことなんですけど、この作品は自分が自分であることを肯定してくれるような作品だとおっしゃっていて、まさにその通りだなと思っているので、あとは純粋にこういう温かい作品を楽しんでください」とイベントを締めくくった。