
1960年9月20日に開業した映画館「丸の内 TOEI」が、2025年7月27日に閉館となる。約65年という長い歴史のグランドフィナーレを彩る「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトとして、5月9日(金)から7月27日(日)まで傑作特集上映が行われている。
この度、「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトは、『バトル・ロワイアル』(2000)の上映前に、主人公の七原秋也役を演じた藤原竜也と脚本を務めた深作健太が登壇し、舞台挨拶イベントを開催することを発表。
「ねえ、友達殺したことある?」という異様で衝撃的なキャッチコピーは、20世紀末の日本を震撼させた。中学生同士が殺し合いをするという作品内容に対し、少年犯罪の助長や青少年への悪影響が危惧され、国会議員による上映規制運動が展開されたり、2000年11月17日の国会(第150回国会文教委員会)で当時の文部大臣にこの映画に対する政府の見解が問われたりするなど、ある種の社会問題として取り上げられた。しかしながら、こういった問題がマスコミによって取りざたされたことで、映画は却って世間の関心を集める結果となり、興行収入31.1億円の大ヒット作となった。本作は国内ではもちろん海外においても高く評価され、21世紀以降の世界のポップカルチャーに文化的な影響を及ぼした。特に、いわゆる「デスゲーム」ジャンルの草分け的な作品でもあり、以降、現在に至るまで多くのデスゲーム作品がさまざまな業界で制作されるようになったのは本作の功績とも言える。
そんな日本映画史上唯一無二の超問題作である本作上映に際し、本作主演の藤原竜也と脚本の深作健太が登壇しての舞台挨拶イベントを実施。1999年の秋から始まった生徒役の大規模なオーディションを勝ち抜き主演の座を掴んだ藤原は、本作で第24回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞と新人俳優賞の二冠、第43回ブルーリボン賞新人賞を獲得し、高難度の役柄における演技を高く評価された。藤原は、深作健太の父で本作監督の故・深作欣二からもその才能を認められており、本作と、『バトル・ロワイアルⅡ【鎮魂歌】』(監督:深作欣二・深作健太)でも共に仕事をしているが、21世紀、令和の時代に入った今、改めて撮影当時を振り返り、巨匠への並々ならぬ思いも織り交ぜながらの貴重なトークが期待できそうだ。