《読売文学賞 戯曲・シナリオ賞受賞》の松田正隆による傑作戯曲を、気鋭の演出家・玉田真也の監督・脚本で映画化。主人公・小浦治をオダギリジョー、治の姪・優子を髙石あかり、治の妻・小浦恵子を松たか子、優子の母で治の妹・阿佐子を満島ひかり、優子へ好意を寄せる・立山を高橋文哉、治が働いていた造船所の同僚・陣野をフォークシンガーの森山直太朗、同じく同僚・持田を光石研が演じている。

ついに公開を迎えた本作、周りからの反響に髙石は「これまでに演じた役と全くというか全然違うキャラクターを今回演じさせてもらえたっていうことも大きくて、意外だったっていう声もすごいたくさんあったので、それは自分にとって嬉しいことだなと思います」と喜びのコメント。
また、印象深いシーンについて聞かれると「私が撮影入ってからずっと楽しみにしていたシーンは、1番最初のシーンで、松さん、満島さん、オダギリさん、この4人で1つの空間で作っていくあのシーンはもう一生忘れられない、私にとっては特別なシーンになりました。」としみじみ、「私の演じた優子は、そのシーンでもほとんど言葉を話さないのでとにかく敏感に周りを感じながらお芝居できてたこともすごい大きかった。皆さんのお芝居が決められたものじゃないのに、人間なら当たり前にできる対相手の動作を察知して次につなげていくみたいなことがずっと重なって重なって、次の本番ではまた違うものが、別の角度からしたら違うものが生まれていって、これはなんて楽しいんだっていう時間が私にとってすごく大好きなシーンです」と撮影を振り返った。

この日のイベントは、7月7日の“七夕”直前に開催されたということでキャストが願いを記入した短冊を披露する場面も。
『家族と一緒に観られますように』と書かれた短冊を披露した髙石は「母は完成披露の時に見てくれていたんですけど、父と兄にも一緒に見てほしいなっていうのと、できたら劇場で一緒に見たいなという気持ちを込めて。実家が宮崎なんですけど、(父も)宮崎の方にいたりして一緒にいれる時間も少ないので、そういう時にこの映画を見てほしいなと素直に思いました」と説明。MCから宮崎と長崎の違いについて聞かれると「空気感は全然違います。長崎は独特の空気感があって、光と影がしっかり見えるので影になった時の暗さがこの作品にすごい合ってるなと思いますし、宮崎はもうそこら辺にヤシの木が生えてるような南国の空気感なので人もゆったりしてますし、またちょっと違う空気感でどっちも大好きです」と笑顔をみせた。
フォトセッションでは、第27回上海国際映画祭メインコンペティション部門での『審査員特別賞』受賞を祝ってくす玉が割られ登壇者一同満面の笑みを浮かべていた。