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1989年にイギリス最高の文学賞であるブッカー賞、2017年にノーベル文学賞を受賞し、二つの世紀を代表する小説家となったカズオ・イシグロの鮮烈な長編デビュー作「遠い山なみの光」を、『ある男』(22)で第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞含む最多8部門受賞を果たした石川慶監督が映画化。
長崎時代の悦子を演じるのは広瀬すず、佐知子に二階堂ふみ、イギリス時代の悦子に吉田羊、ニキにはオーディションで選ばれたカミラ・アイコ、さらに悦子の夫に松下洸平、その父親に三浦友和と、日英映画界の煌びやかな至宝がそろった。そのほか、日本パートには柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜(子役)らが出演。豪華実力派キャストが集結し、物語を彩る。

そしてこのたび、本作が第50回トロント国際映画祭(2025年9月4日〜14日/現地時間)スペシャル・プレゼンテーション部門へ正式出品されることが決定した。トロント国際映画祭は、北米最大級の観客動員を誇り、アカデミー賞の行方を占う“オスカーレースの登竜門”として、世界的にも注目される映画祭。記念すべき50回目の開催となる今年、本作はトロントで北米プレミアを実施される。
スペシャル・プレゼンテーション部門は、世界各地の映画祭で高く評価された話題作や、気鋭監督の最新作、世界的な名匠の新作がラインアップされる注目のセクション。過去には是枝裕和監督の『怪物』や、濱口竜介監督の『悪は存在しない』などが出品されており、今年はすでにHIKARI監督の『Rental Family』や、ダニエル・クレイグ主演の『Wake Up Dead Man: A Knives Out Mystery』の出品が発表され、早くも大きな話題を集めている。この選出に際し、監督の石川慶は「この地で、戦後を生き抜き、海を渡った一人の女性の物語が、誰かの記憶と響き合うことを願っています。」と喜びのコメントを寄せ、主演の広瀬すずも、「長崎で生き抜いた女性たちが感じでいたこの感覚を世界に知ってもらえる機会があると思うと、とても光栄」とコメントを寄せた。

2025年5月に開催された第78回カンヌ国際映画祭では、「ある視点」部門に出品され、公式上映には石川監督をはじめ、原作者でありエグゼクティブ・プロデューサーのカズオ・イシグロ、キャストの広瀬すず、吉田羊、カミラ・アイコ、松下洸平、三浦友和ら7名が登壇し、世界中から注目を浴びた。上映後のスピーチでイシグロ氏は、「石川監督が本作の映画化の企画をくださったときに、素晴らしいアイディアだと思いました。美しい映画が生まれる可能性に満ちていた。そして、僕のその直感は正しかった」と語っている。カンヌ、上海に続き世界を舞台に歩みを進める本作が、トロントの地でどのように迎えられるのか、今後の展開にさらなる期待が高まるばかり!

<石川慶監督 コメント>
「初めてトロント国際映画祭に参加できることを嬉しく思います。トロントは、多様な文化や記憶が交差する街だと感じています。この地で、戦後を生き抜き、海を渡った一人の女性の物語が、誰かの記憶と響き合うことを願っています。」

<広瀬すず コメント>
「トロント映画祭!素直に嬉しいです。
紐が解いていくたび、振動が激しくなっていくような、当時長崎で生き抜いた女性たちが感じていたこの感覚を世界に知ってもらえる機会があると思うと、とても光栄に思います。
監督、すごいです。おめでとうございます!」