――『仮面ライダーガヴ』の撮影開始から約1年半が経ちました。撮影が始まった当時から比べてご自身が成長したと感じている部分はありますか?
- 本当に最初は右も左も分からないような状態で、監督の言っていることを聞いて、それに何とか食らいつくという感じでした。今回の夏映画で、ガヴの集大成として現場に立った時に、約1年半ショウマを演じてきて、こういう表現をしたいなとか、ここのシーンはこういう魅せ方をしてもいいですか?と自分から聞けるようになり、監督と同じところを目指して一緒にディスカッションができるようになったのは、成長した部分なのかなと思っています。
――アクションにもたくさん挑戦されてきたかと思います
- 元々空手をやっていましたが、魅せるアクションは別物で、1からの挑戦でした。転がるシーンやコンクリートの上に打ち付けられるシーンなども、視聴者の皆さんが夢中になる見せ所だと思っているので、怪我無くできるように、1年半かけてたくさん学ばせていただきました。
――7月25日には映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』が公開となります。台本をもらい、物語の印象はどう受けましたか?
- まず、最初に香村(純子)先生にお伝えしたのが、ショウマと母のシーンを作ってくださってありがとうございます、ということでした。映画では普通の世界と別の世界が出てきたことで、テレビシリーズでは描けなかった生きている母の姿が見られて、ショウマのすっぽり空いた心の穴を埋めてくれるようなものがあったんです。そこは早く映像で見たいなと思いましたし、倒されたはずのストマック家の皆さんも出ていて、この部分は視聴者の方たちが一番湧くだろうなと(笑)。ガヴを1から育ててくださった杉原(輝昭)監督がこのシーンをどう演出するんだろうと、現場に行く前からとてもワクワクしていました。大迫力のシーンを劇場で見ていただきたいです!
――ショウマが辿り着いた世界では、お菓子の家も出てきますよね
- お菓子が大好きなショウマにとっても、僕自身も童話でしか聞いたことのない、子どもの頃に憧れたお菓子の家が映像として見られるのは、ものすごくワクワクしました!初めて映画を見てくれる子どもたちにとっても楽しめるものになっているんじゃないかなと思っています。今回、お菓子の家が2つ出てくるんです。手作りのものとショウマたちが訪れるところと、その違いも見てくれると嬉しいです。
――映画版の撮影に臨むにあたり、意識したことや気をつけたことはありますか?
- 映画では、闇菓子の存在しない平和な世界で、ショウマ以外は別のキャラクターみたいになっています。テレビシリーズのショウマでありつつも、赤の他人のようになってしまったオリジナルキャラクターと絡む時の距離感は、いつも以上に気をつけて演じていました。また、今回はFANTASTICSの皆さんもいらっしゃったので、座長として現場を引っ張っていければと思って、(庄司)浩平くん(ラキア・アマルガ/仮面ライダーヴラム)にも相談して、現場には臨んでいました。
――テレビシリーズに続いて映画でも主題歌はFANTASTICSの皆さんが務めてくださっています。『Candy Blaze』を聞いた感想はどうでしたか?
- 全て撮り終えた後に、世界さんのスマホで聞かせていただいたんです。FANTASTICSさんならきっと良い曲を提供してくださると信頼がある中で聞いたんですが、本当にガヴの世界観に合わせて楽曲を作ってくださっていて、期待値をはるかに超えてきました。聞いた途端に何か心の中に残るようなしんみりとした、でもちょっと甘酸っぱいようなテイストの曲で、これなら夏映画もヒットするんじゃないかな!と思うぐらい良かったです。最初の歌い出しが中島さんなので、タオリンの声から始まるというのも、見てくださる方の心に何か訴えかけてくれるものがあるんじゃないかなと思っていたので、とっても良い楽曲を提供してくださって、本当にありがたいなと思います。
――振付もポイントになっているんですよね
- 『Got Boost?』や『Shake it off』もそうですが、ガヴを愛してくださっている世界さんが振付をしてくださっていて、映画のあるシーンをモチーフにした振付が入っているので、そこにも注目いただきたいです。
――さらに映画にはFANTASTICSからメンバーの世界さん、澤本夏輝さん、木村慧人さん、中島颯太さんの4名が出演されています。皆さんの印象はいかがでしたか?
- 芝居を経験されている方や声優をされている方、一方で芝居が初めての方もいらっしゃいました。僕はガヴの世界観を1年やってきているので、主演として、皆さんが現場に入りやすいような雰囲気作りも意識していたのですが、いざお会いしてみると、4人とも役にすっと溶け込んでいらっしゃいました。特に最大の敵であるカリエスを演じた世界さんの存在感はすごかったです。テレビシリーズではストマック家がヴィランとして魅力的に描かれていますが、映画ではカリエスとクラープがヴィランサイドを担うというのはプレッシャーだったと思いますが、それを感じさせないぐらい堂々とされていて、僕自身もとても刺激をいただきました。
――ショウマとしてはタオリンを演じた中島さんとの共演が多かったかと思います。印象に残っているエピソードがあれば教えてください
- 中島さんはキラキラしたアーティストとしての面しか知らなかったので、現場での中島さんの謙虚な姿勢と芝居との向き合い方は、ギャップをとても感じました。特に、お菓子の家を一緒に作るシーンの翌日にもタオリンとの大事なシーンの撮影を控えていたので、お菓子の家のシーンでは中島さんとの心の距離がぐっと縮まったなと思っています。また、スタッフさんにボケたり面白いことを言う方がいて、そこにスッとつっこんでくださって、関西の血が騒ぐのかな?と(笑)。お兄さんの面も見せてくださって、とても親近感のある方でした。スタッフの皆さんから愛されていて、僕も見習いたいと思う部分がたくさんありました。
――テレビシリーズもいよいよクライマックスに近づいていますが、約1年半、ショウマという役に向き合い続けて、今の心境はいかがですか?
- 楽しいことを思い出せばすごくあっという間で、でも大変なことを思い出すととても長くて、不思議な1年半だったなと感じています。それでも、1年半同じ役を演じられるのはこの先あるか分からないですし、俳優としてはまだ新人の僕が、ショウマという魅力がたくさん詰まった主人公と1年半向き合えたのは、俳優人生において特別な時間になりました。この先も仮面ライダーはどんどん続いていきますが、ショウマが皆さんの心に残るキャラクターになれていたら良いなと思います。
――映画の注目してほしいところを教えてください
- ポップで可愛らしいところも描きつつ、ガヴらしいちょっとビターな内容にもなっているので、そこを見ていただきたいです。あとは映画ならではのゴチゾウちゃんやキャラクター、お菓子の家など本当にワクワクするようなことがたくさん出てくるので、そこもぜひ楽しんでいただけると嬉しいです!
――最後に、映画を楽しみにしてくださっている皆さんへメッセージをお願いします
- いつも応援してくださってありがとうございます。僕らキャストとしても、制作陣としても、ガヴの集大成のような大事な作品になっているので、ぜひ涼しい映画館の大きなスクリーンでガヴの活躍を1人でも多くの方に見ていただけると嬉しいです。みんなのひと夏の大切な思い出になりますように!
撮影:川島彩水