©2025 A Pale View of Hills Film Partners

1989年にイギリス最高の文学賞であるブッカー賞、2017年にノーベル文学賞を受賞し、二つの世紀を代表する小説家となったカズオ・イシグロの鮮烈な長編デビュー作「遠い山なみの光」を、『ある男』(22)で第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞含む最多8部門受賞を果たした石川慶監督が映画化。
長崎時代の悦子を演じるのは広瀬すず、佐知子に二階堂ふみ、イギリス時代の悦子に吉田羊、ニキにはオーディションで選ばれたカミラ・アイコ、さらに悦子の夫に松下洸平、その父親に三浦友和と、日英映画界の煌びやかな至宝がそろった。そのほか、日本パートには柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜(子役)らが出演。豪華実力派キャストが集結し、物語を彩る。

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この度、本作が“豪華初共演”となる広瀬すず、二階堂ふみの劇中の様々な表情、1950年代の長崎を懸命を生きる二人の女性の姿を捉えた新たな場面写真7点が一挙解禁された!
解禁となったのは、1950年代、戦後復興期の活気溢れる長崎で夫と共に暮らしている主人公の悦子(広瀬すず)が出会った、どこかミステリアスで凛とした強さを放つ佐知子(二階堂ふみ)と、その幼い娘の万里子を捉えた場面写真7点。時代を感じさせるレトロな街並みの中、万里子が夏祭りの射的で当てた一等賞を手にし、嬉しそうに歩く三人のリラックスした笑顔カットや、その夏祭りの中、ひときわ華やかなスカーフを首に巻いたモダンな装いで佇み、悦子と万里子を静かに見つめる佐知子の意味ありげな表情を捉えた場面も。
さらに楽しげな夏祭りとは打って変わり、佐知子の家で神妙な面持ちを浮かべて話す悦子と佐知子の姿は、二人のただならぬ雰囲気を感じさせる。
また綺麗な和服を装い、出先で何かを気にするかの様に上に眼差しを向ける悦子の姿や、街で日傘をさし幸せそうに微笑むカット、さらに佐知子が青いバンダナを頭に巻いて働き真剣な表情を浮かべて何かを見つめる姿や、万里子の腕に何かを見つけ驚いたような表情を見せる悦子など、物語の行方や二人の関係性が気になりながらも、この時代を自分の信念に基づき懸命に生き抜く二人の女性の姿が切り取られている。

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キャスティングに関して、石川監督が最もこだわったのは“当事者性”。そのため、長崎パートの悦子役は20代後半の女性である必要があり、その世代の俳優の中で圧倒的に傑出しており、さらに企画全体の重心になるような求心力を持つ存在として、広瀬すずの名前が真っ先にあがった。純粋さと影を併せ持つ悦子の二面性に関しても、キャリアを積んできた今の広瀬なら当然期待しかない。石川監督がその気持ちを手紙に綴り、受け取った広瀬から快諾を得たという。撮影現場での広瀬について、石川監督は「これだけ周りに存在感と演技力を兼ね備えた役者さんが揃っていると、少し埋もれてしまったり、もしくは埋もれないように力が入ったりするものだと思うのですが、広瀬さんは本当にベテランのようなオーラを放って、中心にいらっしゃった。焦ることもなく、引くところは引いて、最終的には強い印象を残す。すごい方だと感服しました」と絶賛する。
また広瀬と誰の“対決”が観たいかという観点からキャスティングが始まったのが佐知子役。悦子から見た佐知子は、その時の自分にないものを持ち、圧倒的に自由で、希望を胸に自身の足で前へ進む女性である。そんな、悦子がある種の憧れを抱く人物としても二階堂ふみが適任だった。二階堂について石川監督は「二階堂さんは、佐知子という存在の“違和感”を芝居の中に落とし込んでくれました。声の質から佇まいまで、この映画に必要な佐知子の異質さは、脚本だけでも美術や衣装だけでも難しかった。やはり、二階堂さんが持ち込んでくださったものが大きかったと痛感しています」と讃える。また広瀬と二階堂の共演について、福間プロデューサーは「キャスティングの時から、あの二人が並んだらどうなるのだろう、間違いなく異次元の反応が起きるだろうと、全員が期待していました。撮影中も、二人のツーショットの画の強さは圧巻でしたね」と振り返り、今作が初共演となった二人の豪華競演にも期待が高まる。