
9月17日(水)18:00、映画祭のメイン会場「映画の殿堂(別名:釜山シネマセンター)」にて、開幕式のレッドカーペットイベントが行われた。レッドカーペットの前に一台の車が到着すると、なんと降りてきたのは河内大和扮する“歩く男(おじさん)”…!?共に降りてきた川村元気監督とレッドカーペットを歩いた。両サイドでカメラを構えるマスコミのフラッシュを浴びながら、笑顔で手を振る川村監督に対し、映画から飛び出したようにまっすぐ背筋を伸ばした姿勢のまま歩きながら、時折あの不気味な笑顔を向ける“歩く男”(河内大和)。表情が変わるたびに、客席からは笑いと驚きの声が続出。格式ある映画祭に出現した“異変”に、場内からは「おじさん!」と声があがる“異変”も発生!日本のみならず、韓国でも“歩く男”の人気が証明された瞬間だった。

初の海外映画祭初参加となった河内は、「もう…感動しましたね」と一言。「開幕式では、世界の第一線で活躍されている俳優や監督たちが一堂に集まってこんなに華やかな世界があるのかと驚きました。“歩く男”に扮してレッドカーペットを歩くのはとても緊張しましたが、車から降りた瞬間に『おじさん~!』って声がしましたし、私が笑うたびに悲鳴と歓声が入り混じったリアクションも見られて、本当に歩いて良かったです(笑)」と、無事に“歩く男”としての出番が終わり、ほっとした様子。「韓国語で“アジョシ(おじさん)”って声が聞こえて、韓国の方々にも作品が認知されているんだと嬉しくなりました。レッドカーペットでは、私が“歩く男”の開発者みたいに見えたのは面白かったです(笑)。カンヌから始まり、様々な国際映画祭を経験しましたが、世界各地で楽しみにしてくれている方々がいるのだなと思いました」と、川村監督もレッドカーペットを満喫した様子で、素晴らしい釜山での映画祭初日の幕開けとなった。

翌日の9月18日(木)深夜0:00には、「ハヌルヨン劇場」にて「ミッドナイト・パッション部門」の公式上映が行われ、韓国プレミアに駆けつけた二宮和也とともに、河内大和、川村元気監督の3人が上映前舞台挨拶に登壇。深夜の上映にも関わらず、およそ700席は満席に。韓国初お披露目を前に会場全体が熱気を帯びるなかでの、舞台挨拶を前に、二宮は「開幕式の様子は映像でチェックしていましたが、日本から出品している作品も多く、すごい場所になっているなと思いました。公式上映はなかなか観るのが難しい深夜の時間帯ではありますが、楽しんでいただきたいですし、ぜひ韓国の皆さんにも『8番出口』を受け入れていただきたいです」と、意気込みを語った。
観客からの割れんばかりの拍手で出迎えられた3人は、「アニョハセヨ!(こんにちは!)」と、満面の笑みで手を振りながら登場。本作に出演することになった経緯を聞かれると、二宮は「ある日、川村監督に急に呼ばれて、『8番出口』を実写映画化したいと言われて、率直に『何を言ってるんだろう』と思いました。原作にはストーリーがないため、まずはどういう風に映画化をしていくのか構想を聞かせていただき、普通の映画ではない特殊な設定が逆に楽しそうだなと思い引き受けました」とコメント。河内は、強烈なインパクトを誇る“歩く男”のキャスティング経緯を尋ねられると、「私が出演したある舞台をたまたま川村監督が観劇していたのですが、その内容が歩くシーンを象徴的に描いており、オファーをいただきました。私は舞台にずっと出演してきて、体を使うことが得意だったため、今回の“歩く男”にぴったりはまったのだなと思います。本当にタイミングがよかったですね」と、感慨深い表情で語った。「深夜に集まっていただきありがとうございます。スマホやテレビで映像を観る時代ですが、本作品は映画館で観るために作りました。色々な意味で待たなければいけない、次に何が起こるのかを予想しなければいけない、鑑賞後も色々考えなければいけない作品です。スマホをおいて95分間、『8番出口』の世界に没入してほしいですし、ここにいらっしゃるみなさんが韓国で初めて観る方々なので、ぜひ韓国中に広めてほしいです」と川村監督が締めの挨拶をし、舞台挨拶は終了。海を越えた異国の地で、さらなる盛り上がりを見せた韓国プレミアとなった!