
2008年に山田能龍、いとうあさこ、羽鳥由記らを筆頭に旗揚げされた劇団「山田ジャパン」。これまで数々のドラマ脚本を手掛けてきた主宰の山田能龍が今作の舞台として選んだのが、ドラマの制作現場。数々のドラマ制作に携わってきた山田だからこそ作れる、リアリティ溢れる生々しい物語を届ける。
公演初日に先駆け、行われた取材会には、主演の原をはじめ、いとうあさこ、松田大輔、永山たかし、清水麻璃亜、脚本・演出の山田能龍が登壇。
原は、「やっとこの日が来たかという感じです。去年の『愛称⇆蔑称』で山田ジャパンさんと初めましてをさせていただいてから、山田さんが『来年のここ、スケジュールを空けてくれ』と早々にお話をいただいてから1年半ぐらい経ちましたよね。僕としてもこのカンパニーとしてもすごく温めて、ここに照準を合わせてきたので、やっとこの作品を皆さんにお届けできる日が来たなと、もう気合バチバチでございます!」と力強く意気込む。
今回、ドラマの制作現場を題材に選んだ理由を、山田は「普段、主な仕事としてドラマや配信ドラマ、映画とかの脚本を書かせてもらっているんですけども、すごくドラマチックなんです。大人がすごく泣いていたり、怒っていたり、やりきれない気持ちがたくさんあって、普段仕事をする中で、こんなにいっぱい色んな感情になるんだというのを温めていたネタなんです」と構想を明かし、「もう1回原くんとやれることが早々に決まっていて、僕らカンパニーとしても本多劇場という場所で初めてちゃんとやれるということで、この温めていたカードを然るべきメンツで、然るべき題材で今回勝負させてもらいたいという気持ちでした」と念願の公演になるとのこと。
そんな山田は、原の魅力について「シンプルに、まず芝居がめちゃくちゃ良い。他の人が出せない存在感を出してくれるし、お芝居のセンターを背負っていただくに値する、かっこいいやつなんです。人間的な分厚さみたいなのが舞台に出ます。僕が温めていた企画を温めていた場所で、そこを任せられる男だということが大きいと思います」と熱く語り、信頼を寄せているのがわかる。
出演を約束していた当時、原はtimeleszのメンバーではなく、オーディションも参加前だったことに触れ、「すごくラッキーだなと」とストレートな表現に会場からは笑いが起こるも、「成し遂げたなって感じで嬉しかったです」と笑顔を見せていた。
原からも「『イグナイト -法の無法者-』もtimeleszのオーディションを受ける前からのお話で、僕としても色んな方に今携わっていただいて、感謝の気持ちがたくさんありますけど、それより前に知ってくださって、僕を評価してくださっていた方ともう1回できるというのは、特別な愛情じゃないですけど、こんなに素晴らしい山田ジャパンという劇団があるんだぞ!と、今回は僕も背負っていて」と山田ジャパンへの思い入れもあり、「この舞台に立つにあたって、timeleszのメンバー、secondz(timeleszのファンネーム)の方の想いも背負っていますけど、僕は準劇団員として山田ジャパンを背負っている気持ちでやります!」と宣言。
前回に続いて共演となる山田ジャパン劇団員のいとうも「演技が素晴らしいと山田も申し上げましたけど、舞台に向かう精神、向き合い方も私が惚れた一部というか、ちゃんと作品を作り上げるんだという真面目さ、真剣さ、遊び、色んなのが揃っているすごい男だなと思ったので、六行会ホールの帰りの小さい居酒屋さんで『またやろうね』って。他のおじさんとかいっぱいいるところでそんな話をしたのが忘れられないです」と、原を絶賛し、当時のことを思い返していた。
今回、原が演じるのは制作会社の若手プロデューサー役。役作りで参考にした人を聞かれると、「山田さんが色んな現場を見ていらっしゃるので『この作品にはこういプロデューサーがいて…』って実名で何人か色んな事例を踏まえながら、いろいろインプットして作っていきました」と、役へのアプローチを語る。
開幕へ向け、「山田ジャパンさんとしても、僕としても、本多劇場に立つというのは、ずっと夢でした。目標でした。それが叶うと思うとすごくワクワクしております。舞台に初めて来ますという方も多いと思います。そういう方のためにも、舞台の素晴らしさ、この劇団の素晴らしさみたいなものを100%で直面してもらって、少しでも明日から頑張ろうって活力にしてもらえるような作品にしたいと思います」とメッセージを送った。