
時代を超えて愛される国民的バンド・スピッツの楽曲「楓(かえで)」が、デビュー34年にして初の映画化。「楓」は、1998年にリリースされた8thアルバム『フェイクファー』の収録曲で、同年にアルバムからシングルカットされ、その後数多くのアーティストにカバーされながら、27年経った今も愛され続ける名曲。ボーカルで作詞・作曲も担当する草野マサムネが綴る歌詞と心揺さぶるメロディーは、聴く人それぞれに寄り添い、大切な人との別れや想い出を包み込む。
そんなスピッツの「楓」を原案にした本作は、事故で双子の弟を失った涼は、弟の恋人・亜子に弟と間違えられたまま恋人として過ごす。しかし亜子もまた<秘密>を抱えていた。真実を言えないまま惹かれあってしまう2人の運命が交差するとき、驚き涙するこの冬一番の感動作となっている。
映画公開までまもなく1カ月と迫る中、本作でW主演を務めた福士蒼汰、福原遥をはじめ、宮沢氷魚、石井杏奈、宮近海斗(Travis Japan)、行定勲監督が登壇するジャパンプレミアが開催。会場に敷き詰められた鮮やかな“楓色”のカーペット上で、本作を心待ちにしていたファンと交流する姿を見せた。

本作への出演が決まり、福士は「僕はこの歌がリリースされた時は5歳の時だったんですけど、だけど当たり前のように知っていましたし、なんならカラオケでもよく歌っていたので。この歌の世界の住人になれるのが感慨深かったですし、どんな作品なのかすごくワクワクしました」と心境を語る。本作が9年ぶりのラブストーリー作品となり、「僕が30代になって、人の心の内側を表現できる作品だなと思いました。人間誰しも生きていると、喪失だったり壁だったりがあるじゃないですか。ただ、この作品を読んでいくうちに、救ってくれるというか助けてくれる、そんな物語だなと思って、こういうラブストーリーをやりたいなと思いました」と、作品への想いを明かした。

福士と共にW主演を務めた福原も、「小さい頃から色んな曲を聞かせていただいて、大好きなアーティストでしたし、『楓』をリリースしたのが私の生まれた年だったんです。運命を勝手に感じてしまって、たくさんの方に愛されているアーティストの方なので、緊張や不安もあったんですけど、やりたい気持ちが大きくて、嬉しかったです」と笑顔を見せ、自身が演じた役については、「涙するシーンが多くて、気持ちを考えれば考えるほど胸が苦しくなる思いでいっぱいだったんですけど、そこからどう立ち上がっていくのか、前に踏み出していくのかという部分に亜子の力強さを感じました」と語る。さらに、「私自身も亜子に背中を押された部分もあったので、立ち上がっていく姿を大切に演じられたらいいなという思いでした。作品の中でも相手を慮るという言葉が結構出てくるんですけど、亜子自身も慮りながら前に踏み出していける女性にできたらいいなという思いで演じました」と、撮影を振り返った。

そんな二人を見守っていた宮沢は、「福士さんはずっとカメラを片手に写真をたくさん取ってくださって、それも全部すごくセンスが良いんです!」と絶賛。かなりの枚数を撮影していたようで「この間、遥ちゃんの写真を整理したんですよ。遥ちゃんだけで800枚ぐらいあって、そこから300枚にして、遥ちゃんに送りつけました(笑)」と報告する福士。
一方、宮沢が現場で見た福原の姿については「編み物をされていて、セットチェンジの時にスッと編み物を出して、すごい集中されていて」と話し、福原は「マフラーとかニット帽とか編みました。録音部さんにプレゼントしました」と、現場での過ごし方を明かしていた。












