原作は、2021年9月に発売され、瞬く間に話題となった君嶋彼方によるデビュー作『君の顔では泣けない』。数々の名作を世に送り出してきた“入れ替わりもの”に15年も入れ替わったままという独自の設定を加え新たな物語が完成。入れ替わったまま大人になっていくふたりの時間が切なく、そして瑞々しく描かれる。入れ替わってしまうふたり、坂平陸を芳根京子、水村まなみを髙橋海人が演じている。
MCからの呼び込みで登場したキャスト陣、笑みを浮かべながら歩いてきた髙橋は「入ってきてすぐポップコーンの匂いがして、さっきも（舞台挨拶）やらせてもらったんですけど上映前というワクワク感がすごい伝わってきてニヤニヤしちゃいました」と挨拶。
ついに本日11月14日に公開を迎えた感想を聞かれた髙橋は「監督、芳根ちゃん、裕太君も含め撮影期間はそんな長いわけではなかったんですけど短い間でも十分苦楽を共に過ごせた仲間たちとの日々をすごく思い出してちょっとエモーショナルな気持ち。そういうのも含めて上映前のワクワクした皆さんのお顔を見ながら嬉しい気持ちでいっぱいです」と喜びをコメント。芳根は「たくさんの方に見ていただけて、そしてこのカメラの向こうにはライブビューイングで見てくださっている方もいるということで本当に幸せなことだなと思っております。これまでみんなで大切に大切に育ててきた我々の子供を皆様に『届けー！』ってする今日なんだか夢のようですね」と公開初日に笑顔をみせた。

イベントでは原作者・君嶋彼方から登壇者への心のこもった手紙がサプライズで披露される場面も。
MCからの代読で「主演のおふたりは本当に見事に陸とまなみを演じきってくださいました。性別を主張しすぎない細やかな演技は言わずもがなですが、何よりもおふたりの醸し出す雰囲気が素晴らしく原作者にもかかわらずもっとこのふたりのやり取りを見せてくれと思いました。特に坂平陸という人物は僕にとって初めての主人公でありかなり思い入れのあるキャラクターです。そんな陸を芳根さんはとても魅力的に人間臭く演じてくださっていて坂平陸のことをますます好きにさせてくれました。『君の顔では泣けない』は小説としてはもうこれ以上書くことのない作品だと思っていたのですが、芳根さんの陸を見てもっと陸のことが書きたいと強く感じてしまいました。髙橋さんのまなみも素晴らしく原作ではほとんど内面が見えない難しいキャラクターだったにも関わらず、感情を豊かに表現してくれていました」と手紙が読まれると、代読するMCをずっと見つめながら手紙を聞いていた芳根は「お手紙ありがとうございます。とっても嬉しいです。原作の先生がどう思われるかって私たちも怖い部分でもあるしそれでももっと陸を好きになるってなんて嬉しいんだろう。そんな光栄なことあるんだ。そしてその先の陸私もぜひ読ませてもらいたいなと思ったので楽しみにしております」と感無量。髙橋は「とっても嬉しかったです。世の中の皆さんに自分たちの作品を出す前に自分たち出てる側作る側の人たち全員が『よしやったぜ！満足したぜ！』って気持ちで出すことが1番のエンターテイメントとして素敵な形だなって思うんですけど作品を作っていく中ですごくハードルが高いのが原作の先生を納得させることでもあると思うですね。作っていく側でのボスみたいな。なんかすごく安心しましたし、そう思ってくださってることがめちゃくちゃ嬉しかったし、肩の力を抜いて胸を張って皆さんに見ていただけるなっていうふうに思いました」と改めて本作の出来栄えに自信をみなぎらせていた。

最後にマイクを握った芳根は「初日の舞台挨拶の最後このタイミングに『私は何が浮かんでるのかな。何を言いたいのかな』って実は何も今考えずにいるんですけど、とにかくこの作品を少しでも大切に思ってくれる方がいらっしゃるといいなとかこの作品が少しでも皆様の心に残るといいなと今はすごくそう思っています。ほんとにみんなで力を合わせて精一杯臨んだ作品です。私はこの作品を見て自分の人生は自分だけのものでかけがえのないもので自分のこれまでの人生、嫌なこともいっぱいあったし辛いこともいっぱいあったけど、それも全部ぎゅっと抱きしめたいなって思えるような作品になったかなと思います」と本作への想いを熱く語る、続けて横にいる髙橋に体を向け「そして、この場をお借りして改めて髙橋くん本当にありがとうございました。撮影中すごい不安で、終わってからもずっと不安で、初号見ても不安で、取材が始まって宣伝活動始まってもずっと心にあった不安が髙橋くんと一緒にいろんな取材を受けさせてもらう中で少しずつ氷が溶けていく感覚というか怖いけど髙橋くんとだったら大丈夫って思えた。まなみが高橋くんでよかった。一緒に戦うのが髙橋くんでよかった」と感謝を述べると、髙橋は「芳根ちゃんの顔見てるとちょっと泣きそう」とお互いに感極まった様子をみせる。ここでスマートにハンカチを取り出した髙橋が芳根に渡すという紳士な行動をみせるも芳根は「一旦。大丈夫」とまさかの拒否に会場は爆笑。行き場をなくしたハンカチに髙橋は「さすがにしまうのはずいと思って、今ずっと握りしめてました」と笑わせ、最後は全員笑顔で舞台挨拶は終了した。