
『スキャンダルイブ』は、スキャンダルを巡る芸能事務所と週刊誌の”禁断の攻防戦”を描く、ABEMA新オリジナルドラマ。誰しもどこか気になってしまう芸能界のスキャンダル。しかし、その裏側では、いったいどんな人たちの、どんなドラマが隠されているのか… 『スキャンダルイブ』は、一見華やかにみえる芸能界の裏側を舞台に、いまだかつて描かれることのなかったスキャンダルの裏側、そして芸能界の深い闇へと切り込んでいくサスペンスドラマとなっている。
ABEMAのドラマランキングに5週連続で1位にランクイン。世界同時配信しているNetflixでも日本における「今日のシリーズ TOP10(12月5日)」以降3日間連続トップを走るなど、多くの反響を呼んでいる。「ABEMA」では2026年1月7日(水)まで、全6話を一挙無料配信。
【1~3話ダイジェスト】
人気俳優の不倫スキャンダルは大御所俳優の性加害を隠すためだった!? 芸能界の闇を描くドラマ
――皆さんの目から見た座長・柴咲コウさんはいかがでしたか?
川口:初めてご一緒させていただきましたが、幼いころからテレビで観ていた柴咲さんに勝手ながら抱いていたイメージと全く変わらず、クールでカッコよくて強くて凛としている女性でした。そしてそれだけではなく、いつも自然体でオンとオフの境目が自分にはわからないぐらいでいて下さいました。柴咲さんご本人と役柄がリンクしていた部分もあるかとは思いますが、柴咲さんの現場の“居方”がカッコよくもナチュラルであることに自分は救われました。役柄上は対立する関係性でしたが、お陰でのびのびとやらせていただけました。
横山:本当にそうで、僕もオン/オフがわかりませんでした。“自分”のままで現場に来て芝居して帰っていくといいますか、役そのものやな!と思いながら見ていました。
鈴木:私も柴咲さんに対してクールなイメージを持っていましたし、多くの視聴者の方も同じかと思います。だからこそ、こんなに暑苦しくドタバタ走り回る柴咲コウを初めて観た!という気になりました。でも、その姿がとても素敵だったんですよね。憔悴しきった玖生(浅香航大)くんにお弁当を差し入れするシーンでのカレーパウダーをかけるところだったり、莉子ちゃん(茅島みずき)と奏ちゃん(川口春奈)が泣いているときにそっと二人きりにするような細かいところも含めて、優しさやちょっとした情けなさも感じられました。出来上がった作品から“もしかして柴咲コウって本当はこっちなのかも?”という印象を受けて、ますます大好きになりました。

――鈴木さんと柴咲さんは役柄上は敵対関係にあり、火花を散らすシーンも多かったですね。
鈴木:バチバチするシーンはやりやすかったですね。ほら、顔が怖いから(笑)。
柴咲:そっくりそのままお返しします!(笑) 鈴木さんはずっと隙のない感じでいて下さいました。余裕の笑みを浮かべながらも、佇まいからもファッションからも、一つひとつのアクセサリーからも「あなたはこのテリトリーに入れませんよ」という威圧がビシバシ伝わってくるんです。共演シーンは、緊張感をおぼえながら撮影していました。

――ユースケさん演じる橋本と鈴木さん扮する蓉子の会食シーンも印象的でした。カニの食べっぷりが絶妙でしたね。
ユースケ:いや、カニが食べづらいからちょっと苦手で……(笑)。僕は今回、鈴木さんと共演できることになって心が躍っていたんです。年齢こそそんなに変わらないけれど、活躍されている姿をずっと見てきたから「待ってました」状態だったのに、なんで食べづらいカニなんだ、どうしてそこに全神経を持っていかなきゃいけないんだって。
鈴木:ずっとボヤいていましたよね(笑)。
ユースケ:だってそのシーン、ずっと喋っていますから。喋りながらカニ食べんの?ってずっと抵抗していたのですが、やってくれと(笑)。でもお陰で充実した大事なシーンになりました。
――横山さんは明石役に対して「ずっとストレスを感じながら演じていた」と仰っていました。
横山:そうですね。ずっと間に挟まれていましたから。完成した作品を観ていても、「俺ずっとしんどそうな顔してるな」と思いました。
ユースケ:横山くんはそういう役が似合うし、こちらも見ていたくなるんですよね。グループで活動しているときは楽しそうにやっているけど、一人で俳優として作品に参加するときは悲惨な役どころも結構あるじゃないですか。別作品で徹底的に追い詰められていく役を演じていましたが、あれもすごく好きだったなぁ。
横山:嬉しいです。ユースケさんにそう言っていただけるとは、ありがとうございます。

――咲と奏の関係性がどんどん変化していくのも本作の大きな見どころです。
柴咲:言葉で説明すると「対立していた者同士が同じ方向を見ていく」と簡単に言えてしまいますが、とはいえ2人が全く違う立場であることは変わりありません。それぞれが違う経験を経て、共感できるポイントが合致しただけで、一貫して個々であるとは感じていました。物語としては2人が組んで真相に迫り、決着させていく構図にはなりますが、じゃあベタベタするかといったらそうではないですよね。つるまないけど信用しあっている関係性がちょうどいいなと思っていました。
川口:本当にそうだと思います。それぞれに「知りたい/伝えたい」目的があり、動く先が同じだっただけで、人としては全く違う生き物だと私は感じていますし、ある意味でドライな関係性があの2人らしいですよね。
――最終話、皆さんの想いを教えて下さい。
柴咲:全6話の疾走感や、原因究明とどう決着がついていくかが見どころになるかとは思いますが、観終わってハイ終わりという話ではないと私は感じています。ある種の問題提起も含まれていますし、芸能界と関係のない人たちにおいても社会の作り方や「常識って何だろう」という問いかけが刺さると思うので、そういったところも楽しんでいただけたら嬉しいです。
川口:柴咲さんがおっしゃるように、観ている方に投げかける/問いかける最終話になっていると同時に、それぞれの展開の行方がクライマックスに向かって畳みかけるように展開していくので、シンプルに面白いのではないかと思います。
横山:本当にテンポがよくていち視聴者として楽しかったですし、観ていて「情報の切り取り方でこうも変わるんやな」「何が正義なんやろ」と考えさせられもしました。明日は我が身だと恐怖もありましたし、ちゃんとせなあかんなとも感じました。
ユースケ:ここにいる全員がそう感じたよね。皆と違う角度のお話をすると、これからの時代のドラマは6話構成で良いんじゃないかと思うくらいでした。視聴者としても見やすいし、内容がギュッと凝縮されてもいますから。もしもっと描きたいことがあれば第2章として続ければいいし、評価が芳しくなければここで終わればいいし(笑)。でも、『スキャンダルイブ』は本当に一つの物語としてまとまっていて、かつ熱量高く駆け抜けた作品になったと思います。
鈴木:本当に皆さんおっしゃる通りで付け足すことがなかなかありませんが(笑)、きっと「こういう終わり方か」「そうやって決着をつけるのか」と思っていただけるのでないかと思います。一つの結論をきっちりと提示したうえで、さあこの先どうする?と皆さんに投げかけるような最終回になっています。
――最終話のクライマックスとなる記者会見シーンでは、咲と奏それぞれに長ゼリフがありましたね。
柴咲:いただいた脚本時点でも「えらく長いのが来たな」と思っていたのですが、撮影前に差し込み原稿(追加のセリフやト書きが書かれたもの)が来て「増やされてる〜!」と思いつつ(笑)、不思議とストンと頭に入りました。最終話はリレーのような感じで、鈴木浩介さん→春奈ちゃんと長ゼリフをバトンタッチしていくところがあるため緊張感もありましたが、全体を通してニュートラルな状態で降りてきた感じがあります。
川口:私は普段、コンタクトレンズを付けた状態でお芝居をしていますが、コウさんがいつも「ちょっとよく見えないくらいがちょうどいい」と裸眼でお芝居をされていると聞いて、このシーンの撮影で自分も実践してみました。セリフも長いし、シーンの頭からお尻までカットを割らずに通して撮影する形式だったし、エキストラさんがたくさんいるし、カメラが顔の近くまで近づいてくるので「このままだと緊張してしまう。ここだ!」と思って。
柴咲:もちろん芝居に関しては演出を受けていますしちゃんとやろうと意気込んでいますが、どうしても気持ちが数に負けてしまう瞬間ってあるんですよね。見えなきゃ負けない!と思ってこの方法論に辿り着きました(笑)。

――蓉子が麻生(鈴木一真)につかみ掛かるシーンも非常に見ごたえがありました。
横山:現場は大変でしたよ(笑)。保奈美さんは優しいから鈴木一真さんにビンタするシーンも初めはそこまで強くいってなかったけど、最終的にものすごいことになっていましたよね。
鈴木:金井紘監督にも「本気でやって下さい」と言われて(笑)。でも完成版を観たら、自分の方が跳ねちゃっていて「体幹が弱かったな……」と反省しています。
横山:見守っていた身としては「思ったより振りかぶっていったな!」と思っていました(笑)。
鈴木:次の日、筋肉痛になっちゃいました(笑)。

――橋本が咲&奏たちに助け舟を出すとは思いませんでしたが、ユースケさんは今回の柴咲さんとの共演はいかがでしたか?
ユースケ:僕はある作品でコウちゃんとがっつり一緒にやらせていただいたことがありましたが、その時と全く変わっていなくて相変わらず心地よかったです。そのドラマで会う前はクールでちょっと怖い人なのかなと思っていたんだけど、全然そんなことなくて、とても喋りやすくてナチュラルな方でした。今回も座長として真ん中にいるけど、気配をパッと消して皆がやりやすい雰囲気を作ってくれていましたね。共演はワンシーンだけでしたが、充実感がありました。でも、正直言うとコウちゃんや鈴木さんとももっと絡みたかったかな。横山くんなんて共演シーンすらなかったですからね。楽屋で一瞬会っただけで(笑)。今回はそのぶん、春奈ちゃんとバチバチやり合っていました。

――『スキャンダルイブ』は、芸能界で働いている方150人に向けた試写会を行ったそうです。「他人事じゃない」「悪い汗をかいた」「週刊誌の意義を問う作品」「芸能界に一石を投じるドラマ」など様々な声が挙がりました。
横山:芸能界は浮世離れした感じに見られがちですし、矢面に立ちやすい場所ですが、『スキャンダルイブ』が描いているテーマはいまの時代において、どこの会社もひいては社会全体にも共通するものだと思います。ちゃんとせなあかん、そこに尽きますよね。ちゃんとしてたら大丈夫です!
川口:真面目に取り組むのが大事ですよね。
横山:そう。定義はわからんけど、真面目にちゃんとせなと思っています。羽目を外したいときもあるかもしれんけど、ちゃんとせなあかんと。
柴咲:言い聞かせてる(笑)。
ユースケ:そういう風に暗示をかけないとやっていけないところもあるよね。
横山:そうなんですよ。常に100点ってどうしたって無理じゃないですか。
柴咲:本当にそう思う。
ユースケ:『スキャンダルイブ』の中で描かれていること自体は犯罪行為ですが、世の中にあるスキャンダルって「これは悪いことだ」「バレたら大変なことになる」と思って始めていないんじゃないかと思うんです。日常生活の延長線上で誰かと食事をして、フィーリングが合って何となくいい雰囲気になる――ということ自体は突飛なことではないですよね。それが週刊誌や何かに写真を撮られてお茶の間に晒されたときに大事になってしまう。「わかっちゃいるけどやめられない」的なことではなくて、ちょっとしたことの連鎖反応でそうなってしまうと考えると、気をつけようがない気もします。
柴咲:「他の人でもそういった失敗例があったり、つるし上げられたりしてるんだからやんなきゃいいのに」と言われがちですが、プライベートの延長線上にあることだと別に悪いことしてないのにというものもありますしね。

ユースケ:人間関係の延長線上にあることも全部、僕らは我慢して生きていくしかないのかという話でもあるんですよね。
鈴木:もしかしたら幸せな恋愛や結婚に繋がったかもしれないことがスキャンダルとされて、壊れてしまう場合だってありますしね。我々は職場で出会ったらいけないのか、という主張だってあるでしょうし。
ユースケ:本当にね。だから僕らの仕事って、やっぱりイメージなんだなと思います。勝手に作られた世間一般のイメージによって動いているというか。例えば「清純派だと思っていたのに裏切られた」と言われたとして、本人はそもそもそんな人じゃないのに――というパターンだってあるし、逆に「この人はそういうことをやりそう」というイメージがついていた芸能人があまり叩かれなかった、なんて事例もあるじゃないですか。犯罪はもちろんダメだけど、業界にいて芸能の仕事をやっているだけで「なんで記者会見を開かないんだ」と言われたり…。ちなみに僕の発言は、横山くんが言ったことにしても構いません(笑)。
横山:ほんまやめてください!(笑)
川口:でも、先ほど横山さんがおっしゃっていたように私もちゃんとしようと思いました。とどのつまりは自分がされちゃ嫌なことを人にしないことに尽きるかと思いますし、仕事にも友だちにも、全ての人や物事に対して誠実に向き合っていたら、悪い人がいない限り大丈夫かと思います。
ユースケ:確かに。何をするにしても1回考えるのは必要かもしれませんね。ふっと行っちゃいそうなところを「ちょっと待てよ」と考える作業は、こういう仕事をやっている人間に必須だと感じます。ちなみにこの発言は、春奈ちゃんが言ったことにしていただいて大丈夫ですから(笑)。
一同:(笑)。
取材・文/SYO











