ユーモラスでオフ・ビートな文体が癖になる新時代の青春小説で第28回松本清張賞を満場一致で受賞した波木銅『万事快調〈オール・グリーンズ〉』(文春文庫)が、『猿楽町で会いましょう』の児山隆監督により映画化した本作。W主演としてラッパーを夢見ながらも学校にも家にも居場所を見いだせず鬱屈とした日々を送る朴秀美(ぼく・ひでみ)役を南沙良、陸上部のエースで社交的、スクールカースト上位に属しながらも家庭では問題を抱えている映画好きの矢口美流紅(やぐち・みるく)役を出口夏希が演じる。

1月16日に初日を迎えたいまの感想を聞かれた南は、普段あんまり見に行ってくれない友達が鑑賞してくれたそうで「これを見てすごく面白かったって言ってくれたのですごく嬉しかったです」と報告するも、詳細については「特に何も言われなかった」と苦笑いしつつ感謝を語った。
劇中での印象深いシーンを聞かれた南は『爆破のシーン』に言及。「テストの時は熱いけど我慢できる程度だったんで大丈夫かと思ってたら、本番レベル違うぐらい熱くてほんと焼け死ぬかと思うぐらい熱かったんですよ、本気で逃げてました」と告白し、「あんな熱いって聞いてなかったですね…びっくりしました」と児山監督にクレームを入れると、児山監督も「おれらもあんな燃えるって聞いてなかった」と明かし会場を笑わせた。
さらに出口演じる美流紅が劇中で言う『人生の第二部がはじまる』というセリフにちなみ、『新たに始めたいこと』を質問された南は「ゴルフ」と答え、「去年から始めてるんですけど、ちょっとまだ初心者中の初心者なのでもっとうまくなりたい」とゴルフの上達に意欲をみせた。

この日のイベントではキャスト陣へ児山監督から手紙がサプライズで披露される場面もあった。
MCの代読により「2018年頃、まだ自分の映画すら撮っていない時に南さんとお仕事させていただいたことがありました。現場で静かに佇む姿、それでいて本番が始まるとこちらの予想を大きく上回るお芝居で返してくださる。天才だと思いました。そして、いつか南沙良で映画を撮りたい。そんな幻想を抱いたことを記憶しています」「クランクアップの日『この五年くらいの中で一番楽しかったです』と南さんが言ってくれました。南さんと初めて仕事をして五年と少し、あの時天才だと思っていた人は、考えることをやめずひたすらに表現を追い求める「努力の人」だったんだとその時ようやく理解できた気がします」と感謝が告げられると、南は「なんか汗かいちゃった、あっつい」と熱のこもったメッセージに感激しつつ「この映画を良いものにしたい、面白いものにしたいってキャストスタッフ含め全員がそう思っていたと思います。それがこうやって形になってとても嬉しいですし、その思いがちゃんと監督にも伝わっていたことが嬉しいなと思いますね」と改めて作品が完成し公開を迎えたことに喜びを語っていた。