
第169回直木賞・第36回山本周五郎賞をダブル受賞した永井紗耶子の傑作時代小説『木挽町のあだ討ち』を映画化。芝居小屋を舞台に、仇討ちの裏に隠された真実を描く本作は、『このミステリーがすごい!2024年版』『ミステリが読みたい!2024年版』などにも選出され、2025年には歌舞伎としても上演され大きな話題を呼んだ。日本映画界が誇る実力派キャストとスタッフが集い、“あだ討ち”をめぐる極上の江戸ミステリーを描き出す。
公開に先駆けて実施された完成披露舞台挨拶に登壇した柄本は、仇討ち事件の真相を追う田舎侍・加瀬総一郎という自身の役柄について「実際には原作には出てこない役。というより、読み手が加瀬総一郎になるというふうになっているんですが、今回はその加瀬総一郎を真ん中に据えて描くということでした。原作にないので自由度はかなり高いですが、自由にさあどうぞと言われた時の不自由さを感じます」と振り返り、監督から役のモデルは“刑事コロンボ”だと伝えられ、「森田座という劇場に一人で向かっていく時に、人の往来があるんですけど、テストでは避けながらやっていたんです。そしたら監督が『避けずにガンガンぶつかりながらで良いから一直線に行って』って言われて、それをヒントに演じさせていただいたような気がします」と語る。
あだ討ちの真相を突き止めていく役柄ともあり、キャストとの共演が一番多かったそうで、「一人一人の癖がすごすぎて。目の前で一人一人と相対して、丁寧に芝居が見れるのは非常に幸せで役者として楽しいことなんですけど、終わった後ぐったり疲れるんです」と苦笑いしていた。

芝居小屋「森田座」で謀略を巡らせる立作者・篠田金治を演じる渡辺は「見ただけで変なやつばっかりなんですよね。僕らは世の中から外れている人間で、皆どこかから落ちこぼれたり生きていけなくてこの芝居小屋に逃げ込んで、肩よせあって生きていると。だから包み込んで皆一緒に色んなことを成し遂げていこうというタイプかなと」と自身の役についてコメント。
京都撮影所のセットで行われた撮影を振り返り、「残念ながら、スケールで言うと『国宝』の方がすごかったんです」と笑いを誘いながらも「ただ、言っておきたいのは“江戸時代”なんです。江戸時代の歌舞伎ってこうだったよなと、そういうイメージの劇場を作っていただきました。だから、本当に僕たちはここで生活をして、芝居をやっているんだというイメージが体の中に入ってくる、そういうセットでした」と、熟練のスタッフたちが作り上げた素晴らしいセットを賞賛した。

また、本作の魅力について聞かれた柄本は「全てが魅力ではあるんですけど、一つに映像の美しさというのが、色彩美と様式美が、始まって冒頭で美しさをバーンと見ていただけると思います。あれだけ美しいあだ討ちのシーンはなかなか見れるものではないですし、そこで一気に映画の中に入り込んで没入してもらえるんじゃないかなと思います」と熱く語る。
渡辺は「帰る時に爽快感を持って劇場を出られる。そういう時代劇は最近なかったので、心温まりながら、すっきりとして笑顔で出られる、そういう映画になると思います」と話していた。

完成披露舞台挨拶には柄本、渡辺のほか、長尾謙杜、北村一輝、瀬戸康史、滝藤賢一、高橋和也、正名僕蔵、山口馬木也、イモトアヤコ、沢口靖子、源孝志監督が登壇した。















