毎日映画コンクールは1946年(昭和21年)、日本の映画産業の振興に寄与し、国民に映画の楽しさを広く伝えることを目的に、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社によって創設された国内最高峰の映画賞。演技、作品はもちろん、撮影や美術、録音などのスタッフ、一般映画ファンが選ぶ賞など、幅広い部門を設けていることが特徴となる。各賞は、第一線で活躍中の映画評論家やジャーナリスト、専門家など約90人が選考にかかわり、毎日映画コンクールはその歴史と伝統とともに、選考の厳正公明さによっても映画業界から高い評価を得ている。

『愚か者の身分』でスポニチグランプリ新人賞を受賞した林裕太は、トロフィーが贈呈され「かっこいいトロフィーを、今日は抱きしめて寝たいと思います」と、初々しさを見せ、「僕は、今この仕事が楽しくて楽しくて仕方ないです。それは、僕を支えてくださっている周りのかたが愛情を持って接してくださるからだと思います。そして、この作品では、永田(琴)監督、スタッフの皆さん、そして北村匠海さん、綾野剛さんが支えてくださいました。僕も愛情を持って誰かを支えられる役者になれたらと思います。他人のため、というのは自分も生かすと思っています。それを教えてくれたのがこの映画です。素敵な、そして良い役者になれるよう、これからも頑張ってまいります」と、スピーチ。

贈呈式後の囲み取材で、改めて受賞の感想を聞かれると「歴史のある賞をいただけたこと、前に受賞されたそうそうたる役者の先輩の中で自分も名を連ねることができると思うと、誇らしい気持ちになりました。大好きな『愚か者の身分』という映画でこのような賞を取れたことを嬉しく思います」と喜びを語る。

北村匠海、綾野剛との共演から学んだことについて「学ぶことだらけだったんですけど、役者として人間として、先輩から後輩に繋いでいく、そして繋がれた人も今後後輩に繋いで行けたらというのを、お二人を通じて学ぶことができました。そうやって繋いでいくことが映画界全体のためになることを学んだので、それを僕も継承していけたらなと思います」と頼もしい言葉が。「綾野剛さんとは現場であまりお会いできなかったんですけど、会うたびにポンポンと肩をさすってくださって、『林くんは大丈夫だから!』って言ってくださったのは自信になりました。匠海くんからは、自分の良さを引き出そうとしてくれるお芝居をしてくださったり、撮影以外の場所でも交友関係を積極的に作ってくれたことで、それがお芝居に生きて、その姿勢が学びになりました」と、撮影中の印象的な出来事を明かした。

今回、日本映画大賞に輝いたのは、吉田大八監督の『敵』。主演俳優賞は、吉沢亮が『国宝』で受賞。助演俳優賞は、佐藤二朗が『爆弾』、窪田正孝が『宝島』で受賞。スポニチグランプリ新人賞は『愚か者の身分』の林裕太が受賞した。

スタッフ部門では、『国宝』スタッフが独占。監督賞は李相日氏、脚本賞は奥寺佐渡子氏、撮影賞はソフィアン・エル・ファニ氏、美術賞は種田陽平氏、下山奈緒氏、音楽賞は原摩利彦氏、録音賞は白取貢氏。今回、『国宝』が主演俳優賞・監督賞他、最多7冠達成した。

外国映画ベストワン賞は、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー』。ドキュメンタリー部門・ドキュメンタリー映画賞は、朴壽南、朴麻衣監督の『よみがえる声』、アニメーション部門・大藤信郎賞は、水尻自子監督の『普通の生活』が受賞。そして、TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞の日本映画部門は横尾初喜監督の『おいしくて泣くとき』、外国映画部門はジョセフ・コシンスキー監督の『F1R/エフワン』が選ばれた。