
本作は、東日本大震災で家族を失った青年が、喪失と向き合いながら、周囲との絆と家族愛の中で再び前へ踏み出していく姿を描いた、脚本家・内館牧子の小説『小さな神たちの祭り』が初の舞台化。演出は鈴木裕美、脚本はG2が担当する。
主人公・谷川晃を演じるのは、宮城県仙台市出身の八乙女光。親友役に福田悠太、弟役に藤井直樹、恋人・岡本美結役に堺小春、母・クミ役に西尾まり、父・広太郎役に中村まこと、祖父・行雄役に福島県出身の斉藤暁が出演する。
東日本大震災から15年が経つが、改めて当時の状況を聞かれた八乙女は「当日は東京にいて、たまたまお仕事がなくお母さんと普通の日々を過ごしていたんですけども、揺れを感じて、大きかったので二人で机の下に隠れて。それでテレビをつけたら東北が大変なことになっていました。当時はテレビを見続けるしかなかったので、知っている街がどんどん変わっていく状況は、何かしたいけど何もできないという無力さに悔しい気持ちを抱いたのを覚えています」と振り返り、本作から伝えたい想いを「15年が経ち、改めて復興や東北を思い出そうとなると、3月11日の当日しか振り返らなかったり、僕も岩手の伝承館で当時の映像を見たんですけど、僕でさえも忘れてしまっていることがあるので、この作品を通してより深く思い出して、暗くなるのではなく、明るい未来に繋げるため、そして日本はいつ災害が起きるか分からないので、備えることにも繋がりますし、気持ちのお守りになったらいいなと思います」と、真剣な表情で語る。
八乙女は、本作のテーマソングの作詞・作曲にも挑戦。「演出の鈴木さんとも話し合いを重ねて作りました。作品に寄り添った歌詞やメロディーにもなっているんですけど、観に来てくれた誰しもの心にも響くように、言葉がちゃんと伝わるように、テンポも少し遅めの温かい曲にしてあります」と話しながら、制作過程を聞かれると「本当は2曲作ったんですけど、1曲は簡単に言ってしまえばボツになり(笑)。歌詞も3回ぐらい書き直しましたが、今は自分でもしっくりきます」と手応えを感じている様子。「劇中で航がギターを弾いて、子どもたちが僕に向かって歌ってくれるんですけど、自分で作詞作曲した曲なのに、うるっとくるんです。それがお客さんにも伝わったらいいなと思っています」と期待を寄せる。
先輩である八乙女が作った楽曲を歌う藤井は、「すごく嬉しいです!曲を作る段階から『楽器何かできる?』って聞いてくれて、僕が初めて人前でギターを弾くので、『できるだけ弾きやすいコードになるように作るから任せて』って言ってくれて」と、八乙女の優しさを明かし、「ちゃんと教わったのは2回だけで、あとは自主練という形だったんですけど、自主練の3日目くらいに裕美さんに『弾ける?』って言われて、行けます!と。子役の子たちのパワフルな歌声に助けられながら、奮い立たせながら頑張っています」と笑顔を見せる。福田も八乙女の作った楽曲は「名曲です」と絶賛していた。

さらに藤井から、「八乙女くんには『ここのセリフは次がこういう返しが来るから、こうやって言ってみるといいかも』とアドバイスをいただいたり、福田くんも温かく見守ってくれていて、僕のシーンが終わってハケてくると、微笑んでくれます」と、稽古中のエピソードも語られた。













