
韓国の映画監督、イ・チャンドンが手掛け2002年に公開された『oasis』は、社会に馴染めないまま30歳を目前に出所してきた青年と、脳性麻痺を患い体の不自由な女性の、特異ながらも純粋な恋愛を描き、周囲に理解されない2人の行方を鮮烈に映し出す衝撃作。
同年の韓国MBC映画賞、さらに第59回ヴェネツィア国際映画祭において多くの賞を受賞するなど国内外で高く評価され、公開から20年以上経った現在も多くのファンを持つ本作がついに舞台化。
脚本・演出は、ロ字ックの山田佳奈。自身の一番愛してやまない映画は『oasis』だと公言し、人間が生きるために発するエネルギーを余すことなく魅力的に描くスタイルに定評のある山田が新作舞台として創り上げる。
主人公・ジョンドゥを演じるのは、SUPER EIGHTの丸山隆平。今作では、家族にも疎まれた前科三犯の青年という難しい役どころに挑む。そして、ジョンドゥと心を通わせるコンジュを演じるのは菅原小春。ダンサーとして世界で活躍する菅原が、空想の世界でだけ自由に生きることのできる女性をどう演じるのか期待が高まる。
囲み取材前のフォトセッションでは、作品の内容とは打って変わり明るく賑やかに登場した丸山と菅原。演出の山田とともに、目線を求められ次々とポーズを変え、和やかな雰囲気のまま囲み取材へ。
明るい雰囲気について丸山は「稽古中もずっとそれですね。良いのか悪いのか(笑)。(演出・山田が)母のように時に厳しく、時に優しく見守るというので、僕らのメンタルを操ってくれています」と話すと、山田も「二人がいてくれるので心強いです」と信頼を寄せる。

丸山と菅原への出演オファーについて、山田は「丸山さんは付き合いが長いのでパーソナルな部分もよく知っていますし、こういう役は絶対ハマると思っていました。菅原さんは今回演じていただく方が、体に特性のある役だったので、体のことを一番よく知っていて、なおかつお芝居だったりパワフルにされているのを拝見していたので、ご一緒してみたいなと思い、この人たちしかいないという人にお願いできたので、すごく光栄な機会でした」と述べる。丸山は山田が本作を手掛けることを事前に知っていたようで「好きな作品やるんですね、どんな作品に仕上げるんやろうなと思っていたら、後日マネージャーさんから(伝えられて)、『え?俺なの?』って。嬉しかったのと同時に色んな方々に20年間愛されている、本当に大切な作品だったりするので、心してやらねばと、嬉しさと同時にプレッシャーも感じました」と語った。

最初から丸山にオファーをすることは決めていなかったそうで、山田から「いざキャスティング誰にしようってなった時に、丸ちゃんが良いねって自ずとなったんですよね。人に見せないものが多い役だから、人に見せないものの多い丸ちゃんが良いなって。多分、今回いつも見てる丸ちゃん以上の丸ちゃんが見られるんじゃないかなと思っています」とキャスティングの経緯が明かされると、顔を覆う丸山の姿が。
また、山田は過去に丸山のソロ曲『ヒカリ』のMV撮影を担当しており、当時のことを丸山は「ちょっと厚かましくも、最初はストレートにお願いしていたんだけど、コンペっていう形でも良いかな?と申し立てして。でも、楽曲の奥行きや想いを汲んでくださっての絵コンテだったので、やっぱり佳奈さんやなって」とMV製作の敬意を振り返ると、山田が「私、お気に入りの作品です。好きです」と返していた。
今回、難しい役を演じる上で菅原は「色んな意味で難しいです。覚悟が要りますし、尊敬していたいです。来てくれる人たちに一切不安に思ってほしくないから、毎日を生き切る。どうなるか分からないって思いながら、それが楽しみだし、怖いし。でもそれを一緒に共有できる人たちに出会わせてくれたから、それが最高のギフトです!それさえあれば絶対大丈夫」と自分を鼓舞する。丸山とは初共演となるが、「彼がいなかったらできなかった」と話し、そんな二人を間近で見ていた山田は「見てて支え合っている気がしていて。小春ちゃんはすごい体を使うので、丸山さんは気遣いの天使ですからすごい寄り添っていて。丸山さんは主人公でたくさんの葛藤がある役なので、自ずと決まり事も多い中で、繊細に作ってくれているのを、小春ちゃんが豪快に元気づけていたり。ベストパートナーですね」と、絶賛する。

さらに菅原は、丸山の印象を「会った瞬間からずっと一緒です。言葉とか会話がいらない感じがあるから」と話すと、丸山も「よく根も葉もないところからハモるよね。どうでも良い会話なのに、同時に同じことを言ったりするんです。不思議だよね」と共鳴し合っていることを実感しているようだった。

対する丸山は、稽古での菅原の姿を「とてもストレートで大きな優しさと愛で、普段別の人からそういうのを受けると戸惑う時もあるんですけど、自然とスッと入ってくる。あとは一つ一つの言葉の説得力や、血肉になる言葉を言ってくれて、それに突き動かされたり、士気を上げるのがとても強いというか」とパワーを感じていたようで「それがなかったら僕も篭りがちだったり、いっぱいいっぱいになったり、臆病だったりするので、そういう部分をダイナミックに優しく壊してくれるというか。優しい殴り方をしてくれて、鼓動を鳴らしてくれるところがすごく助かってここまで来れました」と、顔を見合わせる。

そんな信頼を寄せ合う息ぴったりな二人に、山田は「びっくりしましたね。友人二人を合わせたらそっちの方が友人になっちゃった、みたいな。時に寂しくもありますが(笑)、幸せなことだなと思います。こうやってつながっていくんだなって。この二人にとっても、仕事の一つですけど大事な瞬間になってくれたらすごい嬉しいなって」と微笑んだ。
NAPPOS PRODUCE 舞台『oasis』は、3月14日(土)より東京・サンシャイン劇場にて、その後大阪、愛知にて上演される。

















