本作は、東日本大震災で家族を失った青年が、喪失と向き合いながら、周囲との絆と家族愛の中で再び前へ踏み出していく姿を描いた、脚本家・内館牧子の小説『小さな神たちの祭り』が初の舞台化。演出は鈴木裕美、脚本はG2が担当する。
主人公・谷川晃を演じるのは、宮城県仙台市出身の八乙女光。親友役に福田悠太、弟役に藤井直樹、恋人・岡本美結役に堺小春、母・クミ役に西尾まり、父・広太郎役に中村まこと、祖父・行雄役に福島県出身の斉藤暁が出演する。

公演初日に先駆けて公開ゲネプロが行われ、その後の取材会で初日を迎える心境を八乙女は「稽古を1ヶ月半くらいやってきて、カンパニーの皆でディスカッションをしながら作ってきたので、やっと初日を迎えることができて嬉しいです」と喜びを語る。

堺は「すごい細かいところまで話し合える環境だったのは良かったと思っています。一人一人がちゃんと役に向き合って積み上げていったものを、やっとお客様にお届けできるんだとなと思って嬉しく思っています」と、稽古の日々を振り返りながら意気込む。

福田は「稽古場で皆でディスカッションして築き上げたメッセージが、お客様にしっかりと届けば良いなと思っております」、藤井は「実際に東北の方にも行きましたし、このセリフがどう聞こえるかとか、すごい細かいところまでこだわったので、僕たちの想いが届くのがすごく楽しみです」と笑顔を見せる。

そして斉藤は「やっと来ました、という感じです。皆で話し合って作ってきた、僕らの作品だっていう気がします」と、手応えを感じているようだった。

公開ゲネプロを終えた感想を八乙女は「今日はこのあと初日があるので、本番ぐらいの気持ちで頑張ろうと思っていたんですけど、斉藤さんが本番前に『良い感じに力抜いて』と言っていたのが良い言葉だなと。ちょっと方の力を抜いて挑むことができました」と斉藤の言葉が励みになったことを明かす。
製作発表会見で八乙女は、主人公の晃は“ダメな主人公”と話していたが、実際に演じてみて「こんなにダメな人間を演じるのが初めてなので、なんでこういう思考回路に至っちゃうかな?と。元からマイナスな気持ちばかり持っているわけではないと思いますけど、周りが温かい分、甘えちゃってるのかなとか、稽古で晃を観察しました」と、役と向き合っていた日々を語った。

本作を通して伝えたいメッセージについて、八乙女は「内館さんが書いた小説をもとに作られていますが、あの世とこの世を考えるときに、小説の中に出てくる一つの考えが温かいなと思っていて、それが舞台にも生かして、やっぱりあのようなことを考えると暗くなる気持ちがあると思うんですけれど、この作品を見ると少しでも温かい気持ちになって、前向きに復興のことを考えることができるんじゃないかなと思います」とコメント。

堺は「震災のこともそうですし、日常のことでも突然目の前が真っ暗になっちゃうことって誰しもあるんじゃないかなと思って、そういう人にとっての光みたいな作品なのかなと思いながら、どこかに小さい光を保てるんだなと思えるような、背中を押せるような作品を皆さんに届けられたらなと思っております」と期待を寄せる。斉藤は「『この世とあの世は繋がっているんだから』って良いセリフがあるんです。それは勇気をもらえる良いセリフだなと思っています」と話していた。

舞台『小さな神たちの祭り』は、2026年3月30日(月)から東京グローブ座にて開幕し、福島、大阪、岩手、愛知、宮城にて上演される。