
本作の出演オファーを受けた際、柳楽は「“九条の大罪”という人気漫画が原作であることはもちろん、以前『浅草キッド』でお世話になったNetflixと、那須田淳プロデューサーと土井裕泰監督というTBSのレジェンド級の方々が、タッグを組んでやられるということだったので。その座組に、とても高揚感を覚えましたし、すごくワクワクしました。」と喜びを語っており、 対して松村も「“九条の大罪”って、割とダークな世界観というか、ある意味ダークヒーローの話じゃないですか。そういう世界に「松村北斗を」と思っていただいたことが嬉しかったです。」と、柳楽同様喜びの気持ちと共に、本作への参加に対する素直な驚きも明かしてくれた。

そして互いの初共演について松村は、撮影現場で中心に立つ柳楽の姿に深い感銘を受けたという。 「柳楽さんの場合は、もうホント一貫して、優しさと温かさで、現場をくるんでくれていて。そう、柔らかくて優しいんだけど、柳楽さんは、常に現場に熱量を運んでくれるんですよね。柳楽さんが中心に立つことで、その熱量がみんなに伝わって、チーム全体がものすごい熱量に包まれていくという。やっぱりこういう方が、作品の座長を務めるんだなって、すごく感動しました。」
さらに松村は、柳楽の芝居の「切り替え」の鮮やかさについても、畏怖の念を込めてこう語る。 「具体的に、どのシーンというわけではないんですけど、この作品って、九条の決め台詞的な瞬間が、結構多いじゃないですか。何気ない会話をしている中で、ふと九条が決定的なことを言ったりする。その緩急のつけ方というか、その場の空気をパッと支配してグッと刺さるような台詞を言う、その切り替えはどうなっているんだろうと思って。自分にカメラが向いてないときは、たまに柳楽さんに見入ってしまって、危うく自分の台詞を言い忘れそうになることもありました(笑)。」
重ねて、作品の核となるキャラクター作りにおいて、松村は柳楽と土井監督のやりとりを「本当に忘れられない」と振り返る。「柳楽さんが、ちょっとずつ九条というキャラクターのお芝居をズラしていって、それを土井監督が「あ、今の九条です」というやりとりをされていて。一回それを決めたら、そのあとずっと、その九条なんですよ。あのチューニングの仕方は、ホントすごかったです。今もそれが忘れられないです。」それを受け、柳楽も自身のスタンスを明かし、「自分の芝居についても、「ああしよう、こうしよう」って, あらかじめ固めていくのではなく、もし不安なことがあったら、それを一回監督に投げてみて、自分ができることはやってみようっていう。そういうスタンスでやっていました。」と振り返る。

柳楽もまた、松村が現場にもたらす空気感と人間性に絶大な信頼を寄せている。「北斗くんの空気感が好きなんですよね(笑)。不思議と安心感みたいなものがあって……いつも自然体だからなのかな?それが安心感を与えることにも繋がっているような気がして。あとやっぱり、優しいですよね。現場で北斗くんの優しさに触れていると、僕も優しくなれるというか。それはスタッフの皆さんも多分同じだったと思っていて…。そういうのって、現場ではすごく大事なんですよね。特に“九条の大罪”のような、緊張感をキープしながら進んでいくような作品では。だから今回、北斗くんとバディを組むことができてすごく良かったなって思っています(笑)。」
松村も柳楽との関係性について、「中盤ぐらいに、九条先生と一緒にカップラーメンを食べるシーンがあって。その頃にはだんだんと距離が縮んでいって、会話も増えてきたような気がしていて。なので印象に残っています。」と、役柄とリンクするように深まった絆を振り返った。

そして、本作が持つメッセージでもある社会的意義について、二人は表現者としての真摯な眼差しを向ける。 柳楽は「個人的には、「知らぬが仏」と「無知は罪」のあいだを、行ったり来たりするような感覚がありました。配信ドラマの深度って、僕は少し違うような気がしていて……より攻めた表現ができているというか、視聴者の方が求めているものも、より深いものであるような気がするんです。」と語り、本作が到達した表現の深さに自信を覗かせる。
松村も「今って簡単にSNSで発信して、それに対する反応も簡単に返ってくる時代で……瞬間的なことが、すごく増えている気がするんです。物事を「点」で捉えてしまうことが多くて、なかなか「線」で考えることができない。そういう意味で、九条はいつも依頼人のことを、ちゃんと「線」で考えている。そういう考え方が、このドラマには全体的に入っているような気がしました。」と完成した本作への確かな手応えを滲ませた。







