本作は、ロンドンの舞台公演で成功を収めた俳優・高瀬川玄(役所広司)が、パンデミックが明けて、2年ぶりに帰国すると、世間からも家族からも完全に忘れられてしまっていたことから始まる、話題のヒューマンコメディ。脚本・宮藤官九郎×プロデューサー・磯山晶の黄金コンビと金子文紀監督らが再結集し、“承認欲求”をテーマに描かれる。主演の役所が“承認欲求の塊”である高瀬川玄をコミカルに演じ、熱波師からエキストラ、リア王まで怒涛の七変化を披露する。
この日は10月22日(木)からの配信に先がけて完成報告会が実施され、豪華キャスト&スタッフが大集結した。
完成を迎えた心境について、役所は「僕が演じた高瀬川 玄だったらこういう場は大好きなんだと思うんですけど苦手なんです」と笑いを交えながらあいさつ。続けて「脚本の宮藤さん、演出の金子さん、プロデューサーの磯山さんのチームに初めて参加させていただいて、素晴らしい俳優さんたちと仕事ができたことはとても幸せに思います」と喜びを語る。賀来は「個人的に宮藤さんの作品に憧れて僕はこの業界に入ったので今回オファーをいただいて、そして役所さんと初めてご一緒できて本当にもう光栄なことづくしなお仕事で幸せな時間を過ごさせていただきました」と感慨深げにコメント。磯村も「この現場では本当に忘れられない経験をたくさんさせていただいてとても幸せな現場でした」と撮影を振り返った。

本作への出演を決めた理由について聞かれた役所は宮藤官九郎の描く世界や人物造形に興味があったという、以前宮藤から「またやりましょうね」と声をかけられていたことを回顧。脚本を読んだ際には「セリフ長いなって(笑)でも面白い」と感じたそうで「この脚本を読んでるだけで面白いのに人間が演じたら面白くなくなったらどうしようってそういう弱気になりかけました」と率直な思いを打ち明けた。
さらに撮影中の驚いたエピソードを聞かれた役所はホームレスの扮装で撮影していた際の出来事を紹介。「僕はホームレスになった時にバイトしてるんですね。その時にエキストラの子がたくさんいるんですけど、僕はホームレスで汚れてひげだらけのシーンなんですけど、エキストラの方が『VIVANT』って(笑)」と明かし、「これは『VIVANT』の撮影をやってる、シーズン2をやってるのかって意味だと思うんですけど、これはもう笑いましたね」と会場の笑いを誘った。
サウナ「白樺」での撮影について賀来は「本当に楽しかったです」と振り返り、撮影の合間に自然とセリフ合わせが始まっていたと説明し「僕は勝手にタダで役所広司と本読みをさせていただけてるってそれだけでニヤニヤしてました」と声を弾ませた。さらにアドリブについて聞かれると「宮藤さんの本が初めてだったので一言一句間違えないですごく楽しく丁寧にやらせていただきました」と明かした。
一方、役所はセリフ合わせについて「待機してる場所があって賀来さん、坂井さん台本を見てるんですけど、僕もセリフ覚えなきゃいけないんで最初のセリフをぱって言うとすぐ答えてくれます。僕のためにみんな付き合ってくれたって感じですね」と感謝。これに賀来は「こっちはやりたいんです」と返し、「いつ始まるかわからないんでお菓子とかいじってる時も始まったりする。その時にもうすぐ行けるという反応も試されました」と笑いを誘った。
劇中で助監督役を演じた松山は「自分がこの仕事を始めてからずっと目の前に助監督さんがいるわけで何十人の助監督を目の前で見てたのでやれたのはすごく嬉しかったです」とコメント。役所との共演については「かわいいおっさんだなってずっと思ってました」と明かし、吉田も「すっごいかわいいです。全シーンかわいい」と同調していた。

劇団「ウイスキーボンボン」の看板俳優・村井タケルを演じた磯村。役作りのポイントについて聞かれると「肉体作りですかね」と即答。「肉体作りによって芝居が生まれてくるって考え方でやって今回それを試してみようかなと思った」と明かした。そんな磯村の演技について賀来は「怖くなっちゃって…何をこの人はしてるんだろう、何一つ理解ができないまま、みんなただ圧倒されるみたいな瞬間があった」と言い、「磯村くんすごいストイックに向き合われてるんですよ。それがもうおかしすぎて」と絶賛。磯村自身は「こんな機会ないと思ってやってましたね。役所さんに見られてる時もあったんで自分のステージだと思いながらやっておりました」と語った。
また本作では実際に下北沢のザ・スズナリで5回の舞台公演を実施。23年ぶりの舞台出演となった役所は「必死でした」としみじみ、宮藤から舞台公演があると聞いた際に「それちゃんと芝居にしちゃったらどうですか」と提案したところ、実現することになったと説明。「稽古が始まった時は覚えられるかなって恐怖感ありましたけど」と明かしつつ「23年ぶりにお客さんたちの反応によってやり続ける勇気が出てくるんだなって思いました」と語った。磯村も「こんなことあるんだって稽古から含めて夢のような時間でした」と感激した様子で「役所さん立ち稽古の時から一切台本も持たずにセリフも入っててとにかくエネルギッシュ。1日1日が終わっていくのがすごいどこか寂しいと言いますか、こんなに濃厚で貴重な時間はないぞという素敵な時間を過ごさせていただきました」と充実した時間を振り返った。

イベントでは作品のタイトルにちなみ、「俺のことなんか言ってた?」と気になってしまったような経験を聞かれると、松山は「僕は必ずドラマ放送された直後からずっとSNSと向き合ってますよ」と告白。「感想が全てだと思ってる」と自論を語り、本作に関しても「2話の途中まででやめてるんですよ。なので配信始まったらSNSと一緒に見たい」と独自の楽しみ方を明かした。吉田も「私もエゴサします。寝る直前までエゴサして寝て、朝起きて一番にエゴサします」と打ち明け、「寝てる間に1個増えてるんじゃないか」とコメント。役所もエゴサをするそうで「今日こうやってイベントの後とか映画の上映の後とかって気になって気になってしょうがないですよね」と共感し「つまんなそうなドラマだって書いてる人いるんじゃないか」と笑いを交えて語る。
最後に役所は「正直言って自分が出てるんで良いのか悪いのかわからないんですけども、宮藤さんの脚本と金子さんと磯山さんのこのチームだと面白くないわけがないと思います」と作品への自信をのぞかせ「この出演者の俳優さんたちは魅力的なんですよね、とりあえず皆さん見てみてください。最終回に向けてどんどん盛り上がっていくドラマになってると思います」と呼びかけイベントを締めくくった。
イベントでは本作の完成を祝して人気熱波師で本作のサウナ監修も担当した箸休めサトシによるアウフグースパフォーマンスも披露された。