女装した大柄な家政夫・三田園薫が、派遣された家庭・家族の内情を覗き見し、そこに巣食う“根深い汚れ”までもスッキリと落としていく痛快“覗き見”ヒューマンドラマシリーズ『家政夫のミタゾノ』は、松岡昌宏主演で2016年10月に金曜ナイトドラマとしてスタートし、過去に放映された5つのシリーズ全てが深夜帯としては異例の高視聴率をマーク、“家政婦(夫?)ドラマ界”に確実に新たなページを刻み込み続けている。

このドラマが、テレビを飛び出して初の舞台化。
脚本はこれまでの『家政夫のミタゾノ』シリーズを手掛け、ミタゾノの魅力を知り尽くす八津弘幸が、演出は『私のホストちゃん』『けものフレンズ』シリーズなどを手掛け、既存の原作イメージを崩さない作品作りに定評がある村上大樹が務める。

寡黙で神出鬼没、何を考えているかわからない上に女装しているため不気味な面もあるが、家事のスキルはプロ級の、むすび家政婦紹介所に所属する家政夫・三田園薫を演じるのは、もちろん松岡昌宏。自身の代表作ともいえる『家政夫のミタゾノ』で1年ぶりに主演舞台に挑む。

共演に、矢作穂香、原 嘉孝、六角精児、更に、矢島舞美、本折最強さとし、奈良原大泰、浦嶋りんこと舞台版の新キャストに加えて、余 貴美子、平田敦子、しゅはまはるみとドラマでお馴染みのキャストもむすび家政婦紹介所を飛び出し大活躍。
多方面で活躍する個性豊かなキャストが結集した。

東京公演開幕に先駆けて行われた取材会には、松岡、矢作、原、六角、余が出席。

初日に向けての意気込みを聞かれた松岡は、「ドラマのシリーズを何本かやらせていただいて、その中でこの作品はより舞台にすると面白いんじゃないかっていう意見がちらほら出てきてドラマの現場で盛り上がり、そして新たなキャストの方が加わって、今日初めてこの劇場で、初めてのゲネプロをやらせてもらったんですけども『あー、なるほど』と。普段やっているドラマのパターンとは全く違う舞台バージョンのミタゾノっていうものを楽しんでいただけたらいいなと思いました。3時間後、お客様の前にお出しできることをとても幸せに思います」とコメント。

手ごたえについては「原次第ですね!」と冗談も交えながら「大丈夫だと思います。今初めて通せて、ね」と共演者と顔を見合わせ、「お互いにお互いの傷口を舐めながらやってますんで、大丈夫だと思います」と力強く語る。

松岡と同様にドラマから出演している余は、「こんなちょっと仮装してるみたいな感じで賑やかだし、ちょっと早い忘年会に参加するような気持ちで、皆さん喜んでいただけるようにお勤めしたいと思います」と話し、「初めて家政婦紹介所以外に出られたので、楽しくてしょうがないという感じですね。もう動きたくてしょうがないというか」と喜びを見せる。

寺の僧侶でどこか怪しい雰囲気を持つ小田切尊徳を演じる六角はミタゾノシリーズへの出演は舞台が初となるが、「この舞台の中で、このミタゾノ、そして家政婦の皆さんの世界観があるんですけども、しっかりと受けながら、自分としてはこのストーリーの構造みたいなものをちゃんと支えていきたいなというふうに思っております」と語る。

同じくミタゾノシリーズ初出演となり、三田園の新しい相棒・穴井仁奈・通称アニーを演じる矢作も、「最初にお話をいただいて、あっという間に初日でびっくりしてるんですけど、ミタゾノさんの相棒としてこの舞台に立てることがすごくすごく楽しくて、私も早く3時間後にやりたいなって気持ちでいっぱいですけども、相棒っていう名前にしてはちょっと頼りなさすぎるキャラクターではあるので、邪魔しないようにしっかり頑張ります」と気合を入れた。

そして、物語の舞台となる寺を継ぐのが嫌で、ミュージカル俳優を目指して家出をしていた跡取り息子の雀尊役の原も「家政婦のミタゾノの世界に入るのは今回が初参加なんですけども」と話し、「最近僕がやってきた作品は結構シリアスな作品が多かったので、こういうファンタジーな世界に思いっきり飛び込んで、その世界観を楽しもうと思ってます」と話すと、松岡に「それは『俺は場数をこなしてるぞ』っていう。スケジュール詰まってて、この間『罠』も終わって(※原の主演舞台)、同時稽古で俺がここに立ってるぞってことを…」と発言の裏を深読みされ、「違います違います!そういうことじゃないです!ちゃんと切り替えて世界観を楽しみたいと思います!」とたじたじになる原の姿があった。

同じ事務所の先輩後輩の間柄となる松岡と原。
松岡との共演が初めてという原は、「すごく気さくな方なので。気さくっていう言い方はわかんないですけど(笑)。すごく気を使わせないというか、本当に皆のお兄ちゃんみたいな感じだと僕は捉えていて、今ではもう気は使ってないです」と語る。
記者から「先輩としていいんですか?」という問いかけがあり、松岡は「いや別にあの人間として接してないので。あのゴリラのシャバーニみたいなやつなんです」と気にも留めていない様子。原も「ずっと言うんですよ!皆にシャバーニシャバーニって呼ばれてるんです!」と言い、仲睦まじい様子が伺えた。

松岡の座長ぶりには、余は「松兄とお呼びしてるんですけれど、もう本当に尊敬しますよね」、六角は「我々年上なんですけれども兄さんですね。たぶん余さんも同じお気持ちでおっしゃってるんでしょうけども、なぜか頼ってしまう、っていう感じがしますよね」と話し、先輩となる二人に頼られているようだった。

矢作と原も、「松岡さんがいれば大丈夫だって思っているので、いつも緊張してあがっちゃうことが多いんですけど、今回は緊張せずに済みそうだなって感じです」(矢作)、「松岡くんはドラマで長いこと演じられているので、作品に対する愛がものすごいんですよ。なので、演出の村上さんと松岡くんの意見が上手い具合に組み合わせって形になったというか、一緒に作ってた背中を僕たちは見てました」(原)と頼もしさを感じていた。

映像と舞台の違いについて聞かれた松岡は、「映像では部分部分で撮りますから、その間にスタッフとディスカッションしながら作っていくんです。今回はやっぱり舞台ですから、稽古で色々作り上げてこの2時間弱のものを一気に全員でお届けするっていう当たり前のことなんですけど、映像でやってきたことを舞台にするっていう難しさみたいなものは今回とても勉強になりました」と苦労しながらも「お客様に入っていただいてどうなるかっていうのもありますけど、これも一つの新しい経験だと思うので、やって良かったなと思います」と手ごたえもあったようだった。
演出としてミタゾノの表情がスクリーンに大きく映し出されるシーンもあり、「急遽一昨日撮りまして。部分部分映像で、普段お見せしているミタゾノとシンクロする部分があったら面白いなっていう村上さんの演出があったんで、それを取り入れながら舞台らしくという形でやらせてもらいました」と明かした。

さらに定番となっていた”ミタゾノ走り”も生で見られるのが舞台の醍醐味となっているが「なかなか張るものでございまして、足が。結構パンパンになるんですけど、楽しんでやりたいと思います」と話す松岡。

そして、ドラマシリーズの頃から自身で行っているミタゾノのメイクについては「普段とほとんど変えてないので。舞台用でちょっと唇の色を明るくしたぐらいで」と舞台仕様にしていること。
役が馴染んできたのでは?という問いかけに「ありがたいことに長い時間やらせていただいているんで、ミタゾノがしっかりと骨にまで染みてきているなって気がするんで。元々歩き方とかだらだらだったんで、ちょうどいいかなとは(笑)。普段もこういう姿勢が多くなりました」と、2016年から演じ続けてきた成果を実感していた。

役柄にちなみ、”覗き見したいところは?”という質問に「今日うちの社長(TOKIO・城島茂)が52の誕生日なんで、何やってんのかなっていうのが見たいです」と答え、「こっちは初日なんですけど、どうも聞いたところによるとあいつは休みだと聞いたんで、何してんだってのをちょっと覗いてみたいです」と笑いを誘った。

そして、先日発表となった井ノ原快彦の「ジャニーズアイランド」の新社長に就任の話題となり、松岡は井ノ原の親友ということで「彼なりのやり方で多分これから活動していくと思いますし、今までの形、そしてこれからの形っていうものがあって、アーティストとしても別に何も変わることなくそれぞれの気持ちでやっていくと思うので、きっと彼だったらそれをまとめられるんじゃないかなってと我々も思いますし、ずっと付き合いのある奴ですから、何かあったらきっと相談してくれるでしょうし、その辺は全部信頼してます。自分的にはほぼ同期なんで、こんなに誇らしい気持ちもありません」と力強く語る。
どんな社長になるか?という質問には「うちの城島よりはいいと思います(笑)」と笑いを誘った。

お客様へ向けて、どういうところを楽しんでもらいたいかという質問には、「生のミタゾノというのをご覧になった方って言うのはドラマのロケ中にちょっと見たよぐらいの方しかいらっしゃらないと思うので、ぜひ生のミタゾノと、皆さんが作り上げているカンパニーの強さと、そして見えてはいないですけれどもスタッフ全員が頑張って作り上げている舞台ですから、その熱というものを素直に楽しんでいただければなと思います」とコメント。

さらに、12月4日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される大千秋楽公演を各地の映画館でライブ・ビューイングすることが決定。「舞台に足をお運びになれなかった方にも見ていただけるっていうね。どこのバンドのライブだ?ってことをやらせていただきます」笑顔を見せる松岡だった。

最後にミタゾノでファンの皆さんへ「本日から12月の4日まで、全18公演突っ走っていきたいと思います。ぜひご覧になってください。痛み入ります」へメッセージを送り、会見を締めくくった。

『家政夫のミタゾノ THE STAGE ~お寺座の怪人~』は、11月17日(木)から27日(日)まで東京・EXシアター六本木、12月3日(土)・4日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。

<あらすじ>
開山200年の祝賀祭が終わるまで由緒あるお寺の家事手伝いをすることになった三田園たちは大忙し。
住職の尊徳はかつて、成し遂げたものは数人しかいないと言われる厳しい修行、千一日行を成し遂げ、大阿闍梨として人々から尊敬を集めていた。
「いっさいの我欲を捨てて御仏に尽くすのです」と説く尊徳。
そんな尊徳も60歳となり、代々のしきたりで住職の座を引退することに。
200年祭において後継者を決めるという。当然一番弟子とも言える雲光がその第一候補であると誰もが思っていたが、仏門に入ることを拒んで、5年前に寺を飛び出した尊徳の実の息子・雀尊が、お腹の大きな嫁・朱里を連れて帰ってきたことで、後継者争いが勃発。そんな中、檀家から集めたお布施がなくなるという事件が起こる。
「もしかして、怪人の仕業では…」
じつはこの寺には、夜な夜な謎の仮面の怪人が現れ、金品を奪ったり、災いをもたらすという噂があった。
やがて明らかになってくる、尊徳、そしてお寺の秘密の数々……
三田園の大掃除が始まる!