――女優になりたいと思ったきっかけは?
中学生位のころから映画やドラマをすごく見ていて、活躍している女優さんが自分の中で格好よく、輝いている存在で、自分もこういう憧れをもってもらえるような存在になりたいな。と思ったのがきっかけですね。
――憧れの女優になり、主演映画『シグナル~月曜日のルカ~』が6/9に公開される訳ですが、実際に完成したものを見ていかがでしたか?
懐かしい思い出や大変だった事など、色々な思い出が走馬灯のように蘇ってきて、序盤の方で胸が熱くなってしまいました。自分の演技を見るのが恥ずかしかったのと、色んな思いもあって、はじめは作品として見られなかったんですけど、エンドロールで自分の名前が最初に出てきたのを目にしたときに、自分が主演の映画を撮って頂いたんだとすごく実感したのと同時に感動しました。
――出演が決まった時のお気持ちを教えてください。
はじめは原作の本を頂いて、「この物語の中のルカの役が演じられたら素敵だな。」って。確かに映画化したら面白そうだなと思いましたし、ルカも素敵な女の子だから演じられたら良いなと思っていたんですけど、その数ヶ月後にルカやります!今度監督と顔合わせ行きます。ってお話があって、まさか本当にルカの役で映画に出るなんて思っていなかったのでビックリしました。それと同時に、演技の勉強をしっかりやってきた訳ではなかったので不安な気持ちやプレッシャーも感じましたが、「主演が出来るような女優になりたい!」と思って上京してきたので、折角のチャンスを無駄にしないよう、下手くそなりに頑張ろうと気持を切り換えて精いっぱい演じました。
――ルカのどんな所が素敵だと感じましたか?
原作を読んだ時に、辛い過去があって心を閉ざして自分の殻に閉じこもってしまっている部分がある半面、優しい温かい心で包み込むような母性がある所に魅力を感じました。映画ではキャラクターが変わっている部分もあって、最初は心を閉ざして冷たい女の子という印象かもしれませんが、本当は温かくて可愛らしいお茶目な部分を持っている等身大の女の子という感じで共感できる部分も沢山ありました。

――初めての主演で大変なこともあったのでは?
難しい部分も沢山あって逃げ出したいと思ってしまう場面もあったんですけど、本当に沢山の方に支えて頂きました。怒られて落ち込んでいた時も「怒ってもらえるのも可能性を感じているからであって、有難い事だよ。」って言って頂いて。怒られて悔しかったり悲しかったりしたんですけど、「次の日は監督を驚かせてやる!ギャフンと言わせてやる!」という気持ちで挑んで(笑)、なんとか最後まで撮影することが出来ました。
――そのような経験が大きな成長に繋がったのではないですか?
撮影を経て、顔つきがキリッとしたと言われました。また、毎日毎日成長が目に見えてわかったからすごく面白かったとも言って頂けて、自分では意識していなかった分とても嬉しかったですね。
――クランクインまでに何か準備はしましたか?
監督に最初に会った時に、「あなたはプロの映写技師の役なんだから、目を瞑ってでも映写機にフィルムをかけられるようにしなければいけません。」と言われていて、撮影に入る前の1ヶ月間は週2~3回位で浅草のプロの映写技師さんに特訓して頂きました。映写機を完璧に扱えるようになったという事は自分の中でもルカを演じるにあたって自信に繋がったので、そういう練習の場を設けて頂いたのは本当に感謝しています。
――本作では、ストーリー中のルカの表情の変化も見どころではないかと思いますが、演じるにあたって工夫したことや難しかったことがあれば教えてください。
ケイスケに心を開いていくにつれて、ルカの持つ本来の明るさだったり、女の子らしい部分をちょっとずつ見せていく心の変化の表現がすごく難しかったです。監督からは「頭で考えずに気持ちを作って集中して、そこにルカとして存在していれば大丈夫だから。」と言って頂いていて、とにかく気持ちを作ることを一番に考えて演じました。自分では意識していなかったんですけど、色んな方から「目の表情が良かった。」と言って頂けたので、気持ちが目に表現できていたのかなと思うと嬉しいです。
――何度も繰り返し演じたシーンもありましたか?
毎日何度もテストをしました。OKが出ても監督が曇った表情をしていたこともありましたね。何十回もテストした日もあって、毎日そんな感じでした。でも、少しずつ「1発でOK出せる日が多くなってきたね。」ってメイクさんとかに言ってもらえる事が増えてきてすごく嬉しかったです。
――特に思い入れのある注目して欲しいシーンは?
ルカがケイスケに自分の過去を語るシーンがあるんですけど、一番最後の日に撮影して、すごく重要なシーンで、時間をかけて撮影して頂きました。長回しで撮っていて動きの無いシーンなので、セリフとちょっとした表情やニュアンスでルカの辛かった過去や、もどかしかった気持ちを表現しなくちゃいけないので、それがすごく難しかったです。4テイクか5テイク撮っていく中で、自分の中では毎回毎回全力で演じていたんですけど、「もっと良いの出そうだからもう1回」って何度も言われると「もう出ません!全力なのに。」って(笑)。それが自分の中でプレッシャーになっていて、泣いたら目が腫れてしまうから泣いちゃいけないのに途中で泣いてしまった時は、「1回休憩して外の空気吸ってきて良いよ。」って言ってくださったり、本当にあのシーンは時間をかけて撮って頂いたので記憶にも残っています。