――デビューのきっかけは?
大学時代から演劇活動はしていたんですが、デビューと言われると個人的には東宝ミュージカル『RENT』への出演ですかね。大学の時にイギリスに交換留学で1年間行って、帰って来た時に大学の先輩からそのミュージカルの応募があると教えてもらったんです。応募締切まで期限があと1週間しかなかったので、大変だ!ってなって急いで準備をしたんです。一般公募だったんですけど、選んでいただいて「Swing」という役を演じました。
――お芝居には、もともと興味がありましたか?
そうですね。小さい頃から一人でお話を作って演じたりとか、○○ごっこが好きでした。保育園の先生がお話を読んでいると、いきなり立ち上がって体で表現しだすといったような事もあったみたいです。物語とかにはずっと触れてきて、空想の世界とか物語の世界が好きでしたね。当時は演技とは思ってないですけど、歌ったりとか踊ったり、紙芝居やってみたり、絵本読んでみたり、人前でなにかをするのは好きでしたね!

――女優になると言った際の、ご家族など周りの反応はどうでしたか?
はっきり「なります!」とは言ってないんですけど、中学のダンス部でバリバリ踊っていて、宝塚に入りたくて色々レッスンに行って、その流れで今に至るので、あんまり両親も驚いてはなかったですね。応援してくれています。
――大学に通われていた時は、どんな事を学ばれたんですか?
大学時代は、普通の教養学部に通う学生だったんです。でも、演劇に近いものも学びたいなと思って、英文学のシェイクスピアを教えている先生からシェイクスピアの戯曲を学んだりしてましたね。
――どなたか影響された方はいらっしゃいますか?
イギリス人の女優の方でキャサリン・ハンターという方です。彼女は舞台がメインの女優さんなんですけど、背も小柄だし声も結構しゃがれ声で、いわゆる世間が持っているような綺麗な女優さんって方ではないんです。でも、それを逆手に取って彼女にしかない全くオリジナルの役者像・アーティスト、表現者としてのスタイルを確立しているんです。私も結構コンプレックスの多い人間なので、自分のそういう所もうまく転換して表現にいかせるような演者になりたいなと思っていて、彼女にすごく勇気づけられました。
――演技をする上で気をつけている事はありますか?
相手の言葉をいかにちゃんと聞けるかという所を気をつけています。「この時はこういう感情だからこの顔だろうな」とか「こういう言い方だろうな」とかではなく、あくまで目の前の相手とのやりとりに没頭するというか。相手の話をちゃんと聞いて、考えて、それに対して返すって言うそのシンプルな単純な事が、何回やってもあたかも初めてやったやり取りに見えるというか、いかに新鮮に見せられるかという所に気をつけています。
――舞台芸術集団「地下空港」にご所属中ですが、所属のきっかけは?
地下空港の主宰の伊藤靖朗さんが同じ大学の10個上の先輩で、舞台芸術集団「地下空港」は通っていた大学の演劇サークルの中でも名が知れていたんです。ある先輩を授業でインタビューした際に、その方も元地下空港の役者さんで、「今度、地下空港がアンサンブル募集してるけど興味ない?」って言ってもらって、地下空港か~見たことないけど興味あるからやってみよう!って思ったのがきっかけです。そのまま続けて今8年目ですね~結構長く続けてます。
――6/1~5まで『ポセイドンの牙』という舞台にご出演されるんですよね!どんなストーリーなんですか?
水産高校に通うやんちゃな陽気な男の子達のグループ「スイサンズ」が、ある日自治体の資金難で高校が防衛人材育成高校に変わっちゃう、しかも共学から男子校になっちゃうって言うのを聞いて、そんなの嫌だ!という事で、昔から海底に埋まっていると言われている「黄金の釣り針」をなんとか探そうと奮闘するんです。ちょうど時を同じくして、海の深海にずっと太古の昔からいる海の神々たちもその「黄金の釣り針」をなんとか見つけ出そうと動き出していたんです。その男子達と太古の海底の神々と太古の海底の生き物達がぶつかってどうなるんだ!?みたいなアドベンチャー冒険活劇です!
私は、男の子達の担任で、エリー先生っていう英語教師の役なんです。なんとなくちょっと臆病な「もうちょっと男子しっかりして~」「ちょっとしずかにしてよぉ~」みたいな感じで、ちょっと強く言えないような気の弱い先生なのかな~?っていう気がしますね。コミカルな役だよと言われてるので、もう暴れようと思います(笑)!気弱な部分が逆にコミカルになるのかなと、私自身もすごく楽しみにしています。

――ポスターのポージングがみなさん個性的でしたが、どのように決まったんですか?
真ん中のポセイドン役の滝川さんを中心にみんなそれぞれポージングしているんですけど、私のポーズは主宰の伊藤靖朗さんによると、ミケランジェロの「最後の審判」という絵画があって、その聖母マリア像から取っているらしいです。そういうモチーフがあってのそれぞれのポーズなんです。
――舞台の見どころを教えてください。
馬鹿男子高校生VS昔から海底にいる神々とか海の人達、生き物とどうぶつかっていくのか、私はその間で何をするのか!?って言うのが見どころですかね(笑)。結構、私は地下空港の作品の時に人間じゃない役の方が多いんですね。なので、今回珍しく人間になれて、しかも教師でびっくりしたんですけど、ただ単なる先生ってだけじゃないと思うので、私の役回りがどう変わっていくのかってところを楽しみにしていてください。
――いつも役づくりはどのようにしていますか?
台本を読んでいく中で、なんとなくの物語の流れであったりだとか、世界の雰囲気空気みたいなのをイメージしていって、流れを体の中につかんでいれたら、普段どんな生活しているんだろうとか、学者だったら専門の学問などのリサーチをわぁ~ってやりますね。その後、例えば歴史学者の役だったら歴史学者ってどんな本を読んでいてどういうスケジュールで一日動いていてどう一日を過ごしているのだとか、どういうものの考えをしてるのかっていうのを徹底的に調べたうえで臨みます!なるべく感覚だけでやらないように気をつけてます。
――こんな役をやってみたい!というものはありますか?
死ぬまでに絶対演じたいと思ってるのは、シェイクスピアに出てくる道化です。道化の役のフールっていう役を絶対やってみたいですね!言葉遊びとかちょっとコミカルなんだけどちょっと怖い、二面性のある狂気もはらむようなそういう役をやってみたいです。
――舞台の他にもMVに出演されていますが、舞台とは違う点が色々とあるかと思いますがいかがでしたか?
すっごく楽しかったのと、舞台は自分でやったものを見れないので、MVで初めて出来上がったのを見て「私ってこんな顔するんだ」とか「こういう動きするんだ」とか「いい顔してるじゃない!」とか自分を客観的に見れたのが凄く嬉しかったです。あと、MVって数分ですけど、その世界があるわけじゃないですか。そこでどう自分が表現して生きるのかというのがすごく楽しかったです。同じ所を何テイクも撮る時に、マンネリ化しないように毎回きちんと監督が求めるものを回数重ねてもできるかというのが難しかったですが、すごくいい勉強になりました。