――お芝居を始めたきっかけは?
僕は工業高校出身だったけれど、「(就職)したくないなー」と思っていて(苦笑)。進路で迷っていた時に、母親が舞台に連れて行ってくれたんです。その時に観た舞台が楽しくて、これをお仕事にしている人たちってステキだな、と思ったのがきっかけです。
――ちなみにその舞台というのは……
いろんなところでお話させていただくのに、実は覚えていなくて(笑)。みんなが楽しそうだったことと佐藤隆太さんが主演だったことは覚えているんですけど……。
――小さい頃はどんな子供でしたか?
SMAPさんの歌を聞いて踊っていた子らしいです。でも僕、歌も下手だしダンスもうまくないんですよ(笑)。
――もともと人前に立つのが好きたっだんですね
でも恥ずかしがりやで、家ではやるけど人前にでると隠れちゃう、みたいなタイプでした。

――デビューしてから周囲の反応はいかがでしたか?
実は中学の頃まで斜に構えていて、クールぶってた時期があるんです。だから中学の同級生は“まさか前原が俳優なんて!”って、かなり意外みたいです。
――連絡もたくさん来るようになったのではないでしょうか
来るようになりました。「○○に出てたね。見たよ~」とか。素直に嬉しいですね。あと、うちは母子家庭で中学の頃くらいから父親に会ってなかったですけど、事務所に入ったタイミングでfacebookにメッセージがきて。大河が決まった時も、“俺大河めっちゃ好きやねん。頑張ってな”って一言だけメッセージをくれて、こういうところで繋がって行くこともあるんだなって思いました。

――その大河「おんな城主 直虎」。前原さんが演じる百姓の“角太郎”とはどんな役どころですか?
3人いる百姓の中で一番若いのが角太郎です。大河ドラマの中で百姓と城主のやりとりをしっかり描くのは珍しいみたいで。(角太郎は)あまり賢くはないんですけど、人として大切なことは分かっている。捉えどころがないようで、自分がこうだと思ったことには、周りの左右されずに動ける人間です。
――時代劇にプラスして百姓という役どころ。今回役作りで苦労したことは?
ひとつあげるとすれば方言ですね。遠州弁というのはサンプルがなくて、それこそ沼津とか静岡のいろんな方言の要素が入っているんです。遠州弁の指導の先生と“ここは語尾が、「に」の方がいいのか「で」の方がいいのか”ディスカッションしながら作って行く感じです。
――撮影現場の雰囲気はいかがですか?
同じスタジオにこもって撮るので暗くなりがちかと思いきや、全然!田んぼとか作ったりするんですよ、スタジオの中に。毎回景色も変わるし、新鮮です。ムロ(ツヨシ)さんとかが、おもしろいことをして盛り上げてくれたりして、すごくいい雰囲気です。
――ムロさんはどんなことで盛り上げてくれるんでしょう
全然そこで入れなくていい場面だけど、ムロさんが入れるから華やいだりするアドリブもあったりして。勉強になります、すごく。
――柴崎コウさん初め、豪華なキャストの皆さん。共演を楽しみにしていた方は?
すっとムロさんが好きだったので、その方とご一緒できるのは単純に嬉しいです。関わるシーンはあまりないんですけど、読み合わせの時にいらっしゃるのをみて、同じ空間にいるんだなぁと。
――主演の柴崎コウさんの印象はいかがですか?
エキゾチックな印象だったんですけど、笑うと華があるし、気さくに声をかけてくれたりもするので、みんなに愛される城主・直虎という役が“まさに!”という感じでした。