――ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』に出演が決まった時の心境を教えてください
夢みたいだと思いました。自分がこの作品に出られるというのが本当に信じられなかったです。でも毎日歌を頑張っていたので、頑張りが報われて嬉しかったです。
――本作が初の舞台出演となりますが、楽しみにしていることや不安に思っていることはありますか?
舞台に立つこと自体はすごく楽しみにしています。今は何もかもが0の状態なのでまずお稽古初日が不安です。どんな感じで進んでいくのかも全く分からないですし、歌の練習はしているんですけどお稽古はまだなので……。映像のお芝居しかしたことがないのですが、舞台のお芝居は遠くの席から観てくださる方にも届くように大きくお芝居をするイメージがあって、その殻を破れるかなという不安が今はあります。
――ご家族にはどのように伝えたんですか?
母にテレビ電話で伝えたんですけど、私がずっと頑張っていたのを知っていたので「『ロミオ&ジュリエット』受かったよ!」と伝えたら喜んでくれて、「イェーイ!」と画面越しにハイタッチしました。

――乃木坂46のメンバーの方はどんな反応でしたか?
合格発表を聞いた時は同期の子たちと一緒にいたんですけど、皆が涙を流して喜んでくれて。「いろはがそんなに頑張ってたの知らなかった」「本当に頑張ってたんだね」と言ってくれて、皆が私と同じくらい喜んでくれたことがすごく幸せでしたし、良い同期に恵まれたなと思いました。初めての舞台だから皆もすごく応援してくれてて「観に行くね!」と言ってくれているので、観に来てくれるのが楽しみです。
――グループの先輩でもある生田絵梨花さんと同じ役ですが、プレッシャーは感じていますか?
私からしたら同じ役というのは学べる部分もあってすごく良いと思うんですけど、どうしても比べられてしまうこともきっとあるかなと思います。でも私は私なりのジュリエットを皆さんにお届けできたらいいなと思っています。
――『ロミオ&ジュリエット』は日本でも知らない人はいない作品だと思います。作品自体にはどんなイメージがありますか?
“ロミジュリ”という言葉は小さい時から知ってはいましたが、ストーリーの内容は全く知らなくて。2年前ぐらいにDVDを見て知って、すごく好きだなと思いました。“究極の愛”や、愛にも色んな形や伝え方があって、その愛の中に悲しみや憎しみ、そういうのもぎゅっと詰まっているなと思います。
――ミュージカルには憧れや思い入れはあったのでしょうか
乃木坂46に入ってから色んな作品を観に行くようになりましたが、観れば観るほど憧れの気持ちは大きくなって。でも近づけば近づくほど難しさにも直面しました。最初は全く歌えなかったんですけど、だんだん歌えるようになってきたり、自分が成長していくのが楽しくて頑張れています。

――ジュリエット役はオーディションで掴んだと伺いました。オーディションを受けようとしたきっかけは?
元々この作品にすごく興味があって、タイミングも合い、色々な運命で受けられたのかなと思います。オーディションに行けること自体がすごいことだと思って、緊張する状況だったけど、頑張って楽しもう、楽しんで歌おうと思って歌ったのを覚えています。
――課題曲は作品の中に出てくる歌を歌われたんですか?
そうです。『バルコニー』と『ジュリエットの死』という曲を歌いました。『バルコニー』はやっぱりロミジュリの中でも代表的なシーンというイメージがあって、ワクワクしているところから「どうしてロミオなの?」という感情の変化があります。『ジュリエットの死』もロミオがいた喜びから、曲終わりには自分を殺してしまうほどの悲しみに襲われる、感情に差がすごくある曲なので、感情を入れ込んで歌うのがすごく難しかったです。だけど、練習してきたところを辿るんじゃなくて、感情で歌おうという気持ちで頑張りました。
――オーディションの思い出はありますか?
課題曲を歌った後に、ピアノで発声練習があり、その時に「もっとこういう気持ちで」「こうやって歌うんだよ」と色々その場で指導していただいたんですけど、そこで「ダメだ……」となるのではなくて、今学んで全部持って帰ろう、全部吸収してやるぞという気持ちでいました。
――歌を頑張ったとおっしゃっていましたが、どのような準備をしてきたのでしょうか?
小さい時からJ-POPが大好きでたくさん歌っていたんですけど、ミュージカルの歌い方はJ-POPと少し違って、ミュージカルの経験が無かったのでとにかく毎日お家で歌っていました。本当に0の状態でスタートしたので、発声から全部ガラッと変えて音域もすごい広がりました。
――J-POPはどのような歌を歌っていたんですか?
小さい時は木村カエラさんが大好きで、3歳くらいの時にテレビで流して一緒に歌ったりして。あとは父の影響でミスチルさんをよく聞いたり、aikoさんも好きでよく歌っていました。両親の影響を結構受けていたと思います。
――グループで歌うのと一人で歌うのでは歌い方なども違ってくると思いますが、今の心境は?
ファンの方にはよく歌声を褒めてもらうことが多くて。だけど、ライブだとどうしても1人で歌う機会はそんなに多くは無いので、今回はたくさん歌を届けられる嬉しさもありつつ、いっぱい聞いてもらえる分、頑張らなきゃという気持ちです。

――どういったところを褒められるんでしょうか?
表現力がすごい豊かになったね、と言われます。初期の頃に歌っている映像を見たら、ただその音楽を歌っているだけだなと自分でも思うのですが、今はその音楽にちゃんと感情を乗せて、歌詞の意味を理解し、それを伝えたいという気持ちが前よりもあって。昔と比べて成長出来たかなと思っています。そこがもしかしたら褒められるポイントになっているのかもしれません。
――YouTubeで路上ライブの様子を公開したりもしていましたが、ご自身で歌をやりたいと思ったり、自信を持てたタイミングはいつでしたか?
歌を専門的に習っていたわけではないんですけど、ただただ歌うことが好きで、物心ついた時から歌っていました。昔はすごく音痴だったんですけど、両親は「音痴だからやめて」と言わずに自由にのびのびと歌わせてくれました。だから歌を好きになれたし、ここまで来られたのかなと思います。(歌には)自信がありますとは言えないですけど、大好きです!