――テニミュ4thシーズンを振り返り、お二人にとってどんな約3年でしたか?
山田健登(以下、山田):濃すぎて正直何年も経っている感じがあまりしないのが今の気持ちです。第2の青春じゃないですけど、こういう青春を送ってみたかったというのをこの約3年で経験できたというか、忘れられない期間だと思います。この先、生きていく上で絶対思い出す時が来るだろうし、あの時キラキラしていたなって多分胸を張って言える期間だったと思います。
今牧輝琉(以下、今牧):これまでテニミュに出演されていた方は“青春”という言葉をよく話している印象があるんですけど、僕もその通りだと思っていて。僕は部活とかを一切やってこなかったんです。スポーツなんてほとんど経験無くて、球技に関してのセンスも皆無で。部活の社会というのも体験したことがなかったので、テニミュをやってみて僕にとっては第1の青春だったなと。テニミュに出られて良かったです。テニミュのことを考えない日って無いんですよ。(出演が)決まってから毎日考えるんです。生活の一部、人生の一部みたいな感じです。
――これまでテニミュ4thシーズンを牽引してきたお二人ですが、お互いがここはすごい!と思った部分がありましたら教えてください
山田:対応力がすごいなと思って、肝が据わっているんですよ。だからリョーマに抜擢されたんだろうなって思います。舞台上で何か起きたとしても、ハプニングじゃなくてリョーマとしてアレンジして返してくるのがすごいなと。輝琉は大物になるなと思います。

今牧:確かにそれは色んな方に言っていただいているかもしれないです。
――今牧さんが思う山田さんのすごいところは?
今牧:引っ張る力がすごいというのは一番思います。不動峰公演の時から、青学(せいがく)だけじゃなくてカンパニー全体を引っ張ってくれてたんですよ。健ちゃんが主体になって自主稽古をやったり、全部まとめてくれて、当時はあんまり座長として何をすれば良いか分からなかった僕はすごく参考にしていました。

山田:嬉しいですね!
今牧:改めてすごいなと思ったのは氷帝公演で、舞台上で初めて生で健ちゃんの公式戦を観たんですよ。ミュージカル『新テニスの王子様』The First Stageの時も試合はあったんですけど、その時は物語的に舞台上では観られなくて。氷帝公演のシングルス1の稽古の時に、普段人のお芝居を観て感動はしてもあまり泣くタイプじゃないんですけど、シングルス1を観て泣いちゃって。稽古でですよ!周りを見たら皆もちょっと鼻を啜ってるんです。その時に、僕たちの青学(せいがく)の部長が健ちゃんで良かったって思いました。
山田:ありがとう!

――山田さんは手塚について似ているところが無いとおっしゃっていましたが、どのように近づけていったのでしょうか
山田:真逆な部分しかなかったのですが、自分が持っていない、でも絶対にこれから必要になってくるだろうなっていう部分だったので、だからこそスッと入ってきたというか。できているかは分からないですけど、真逆だからこそ意識ができて役が入ってきやすかったかなっていうのは思います。
―― 一方の今牧さんは、負けず嫌いが似ているとおっしゃっていたリョーマという役についてどのように思っていましたか
今牧:最初、僕とリョーマの似ているところはやっぱり負けず嫌いというところもあったんですけど、立海公演をやっていて思ったのは、自分で言うのもちょっと気持ち悪いんですけど、窮地に立たされた時の切り抜け方が、僕も前より器用になってきたなと思うことがあって。それはリョーマも同じで、どんなに劣勢であと1ポイントで負けそうな時でも、自分の中で咄嗟に案を出したりするところが似てきたなと思います。負けず嫌いもそうですし、ちょっと生意気とも言われるので、共通点で言ったらそんな感じですかね。
――これまでの公演の中で、役を掴んだという実感があったのはどの公演ですか?
山田:僕は氷帝公演でした。クールな手塚部長ですけど、内に秘めたるものは多分誰よりも熱く、チームのことを一番に思っているし、自分を犠牲にしてまで約束を果たそうとしているところが、あの舞台の上に立って跡部と試合をしている時に重なったというか、手塚と山田の距離みたいなのが重なった気がして、その時にその気持ちがすごく分かったというか、本当に青学(せいがく)の皆を全国に連れて行きたい、という一心でただ立っていました。

今牧:僕は聖ルドルフ・山吹公演ですね。不動峰公演から約1年空いたんですけど、その間に色んなことを学べて、僕の中でリョーマの演じ方がちょっと変わったんですよ。その辺から意識したのは、リョーマというキャラクターを保ちつつ、中学一年生の幼さというか、頼りになるけどどこかちょっと危なっかしいところとか。昔の自分と重なるところもあるんですよ。それを見つけるために自分のスマホのアルバムにある自分の昔の動画を観たりして、リョーマとは似ていないんですけど、でも全国の中学一年生に通ずるものがあると思っていて、そういうのを上手く抽出して厳選して、これならリョーマっぽいかもみたいな感じのことをやっていた時に、リョーマってかっこいいだけじゃなく可愛いところもあるんだと気づきました。