――ドラマ『過保護な若旦那様の甘やかし婚』への出演が決まった時の心境を教えてください
まずは本当にびっくりしました。今回はオーディションがあったんですけど、その時に台本を読んで依音という役はなんて可愛らしい子なんだろう、自分が演じられたらすごく楽しいだろうなと思いまして、オーディションでも依音の気持ちをすごく考えて自分なりに挑んだので、決まった時はすごく嬉しかったです。
――撮影を振り返ってどうでしたか?
撮影期間は大変なことも多かったんですけど、私自身がラブストーリーに挑戦するのが初めてですごく不安な部分は最初ありましたが、でも監督がすごく良い演出をしてくださり、とても素敵なシーンがたくさん撮れたのではないかなと思っています。
――ご自身の役柄と、演じる上で気をつけていたことを教えてください
依音はいつも一生懸命で真っ直ぐひたむきに毎日板前の修業を頑張っているすごくピュアな女の子です。依音の真っ直ぐさや何事も一生懸命取り組む、ひたむきに頑張るところは依音にとってブレない軸で、小さい頃に両親を亡くしているので、どういう感じで生活してきたんだろうというバックボーンを考えつつ、その中で一人で頑張っているという強く揺るがない芯みたいなものは絶対に持ちながら役に挑もうと思いました。

――井頭さんご自身と役柄で共通している部分は?
依音は小さい時からずっと一人で頑張っている女の子なんですけど、私も小学生くらいの時にこの活動を始めて親元から一人離れて東京でお仕事をすることも多くて、依音が板前修業を頑張っている点も、私もレッスンで友だちと遊ぶ時間というものが学生時代はあまり無かったので、仕事が大好きで、自分の強い意志を持って目標に向かっている点は一緒なのかなと、そういう気持ちはすごく分かりました。
――逆にここは違うという部分は?
依音は妄想シーンというか、心の声みたいなシーンが結構あったんですけど、私はそこまでのめり込めるものが無いので、推しがいるのは幸せで良いなって思いました(笑)
――お芝居に心の声をつけるのは初めてでしたか?
初めてでした。すごい難しかったです。心の声と表情は別撮りだったので、どういうテンションでやったらいいんだろうとか、ちょっとやりすぎたらくどくなっちゃうかなとか色々考えました。やりすぎるのも良くないと監督がおっしゃっていたので、その塩梅をどうしようかと思いながら、ナチュラルなうえに少しコミカルな部分があるイメージで演じていました。

――板前修業中の役柄ということで、何か特訓を行ったりしましたか?
普段から結構料理をするのですが、包丁を使うシーンがあるかなと思いまして野菜を切る練習はいつもより多くするようにしました。あとは撮影中に板前さんから魚の捌き方や切り身の切り方を教わりました。
――前より料理の腕は上達しましたか?
そう信じたいです(笑)
――キービジュアルで公開されていた和装もすごく素敵でした。和装でのお芝居はどうでしたか
役としては時代劇で何回か着させていただいたんですけど、現代のお話で和装というのは初めてでした。基本的な所作は(時代劇と)一緒だと思いますが、歩き方とかに気をつけながら、若女将ということでたくさんのお着物を着させていただいたのがすごく嬉しかったです。

――依音の“推し”である染谷雪斗を演じる高野洸さんの印象は?
高野さんはすごく真面目な方で、包容力と言いますか優しさがすごくにじみ出ていて、一生懸命作品に向き合われている姿を見て、私自身ももっと頑張らなきゃと力をいただきました。撮影中は他愛もない話をしながら、二人でどうやったらキュンキュンするんだろうとかこうした方が良いんじゃないかとか、合間に話したり本読みをしたりして、一緒に作り上げていきました。
――“推し”として想いを寄せる依音ですが、演じる時に意識していたことは?
発しているセリフ以外にも、こういうことを思っているんじゃないかというものを書き出したり、あとは原作の漫画を読み直して、妄想の声がたくさん出ていたのでぜひ参考にさせていただきたいなと思って、台本にたくさん書き込みました。推しって人生をさらに彩って鮮やかにしてくれる存在だなと思って、普通に仕事をしているだけではなく、楽しみがあるのは良いなと思って、私も何か見つけたいなと思いました。
――井頭さんはアイドルグループのメンバーとして活動していた時期もあり、推される立場でもありましたが、どのように感じていますか?
応援してくださる方の声や、今でもSNSとかで応援メッセージをいただけると自分の頑張る糧になるのですごくありがたいです。逆に自分の心の支えになっています。

――依音は雪斗にすごく甘やかされる役ですが、井頭さんご自身は甘やかしたい?甘やかされたい?
甘やかされたいですね(笑)。なんでもいいよって言ってほしいです。
――そうすると甘やかしてくれる雪斗は理想ですか?
そうですね。何でも小さいところまで気づいてくれるところだったり、(依音のことが)大好きだからこそよく見ているなと思ったので、良いなって思いました。
――甘やかしすぎて束縛、なんてところまで行ったりはしませんか?
束縛したいけど出来ないみたいな葛藤はこの作品の中でも描かれていて、それがまた物語の大きな起点となってストーリーが進んでいくので、ぜひそこの雪斗の嫉妬もぜひ注目していただきたいです。