2024/07/09
西野七瀬「悪役としての役作りができれば。ぜひ見に来てほしいです」コロナ禍経て新感線の舞台に3年ぶり登場<劇団☆新感線『バサラオ』>
2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎『バサラオ』は、作劇を中島かずき氏、演出をいのうえひでのり氏が手がける劇団☆新感線の44周年興行であり、主演を務める生田斗真さんの生誕39年を記念して行われる“サンキュー公演”。
幕府と帝が相争う時代を舞台に、いきすぎた自分の信念のために裏切り裏切られる人々の物語で、古田新太さん演じるゴノミカドの守護役・戦女のアキノを演じる西野七瀬さんへインタビュー。
プロフィール情報
西野 七瀬(ニシノ ナナセ)
- 生年月日
- 1994年5月25日
- 血液型
- O型
- 身長
- 159cm
――2021年の劇団☆新感線『月影花之丞大逆転』以来の新感線の舞台となりますが、出演が決まった時の心境はいかがでしたか
本当に嬉しかったです。1回目は初めてということもあり様子を見るためのような部分もあったと思っていたので、もう一度呼んでいただけて良いんですか?と思いました。前回完走できなかったということもあり、そのリベンジも考えて呼んでくださったみたいです。
――台本を読まれた感想は?
初めはまず役名を覚えるのに苦戦して、全てカタカナなので、誰が誰かを確認しながら読みました。お話は本当に裏切りがたくさんあって、途中で今は誰が誰の味方か敵か分からなくなってしまって。きっと視覚的に見ると分かると思いますが、私は活字が苦手で(苦笑)、今これはどういう状況?となりながら読んでいました。でも展開の早さやセリフの言い回しが読んでいて楽しく感じたので、これを生きた人が演じたらより面白いんだろうなと感じました。
――まだ本読みの段階と伺いましたが(※取材は5月中旬)、西野さんはアキノという役にどうアプローチしていこうと思っていますか?
今は考え中なのですが、きっと稽古が始まっていのうえさんの演出でキャラクターが作られていくと思うので、本読みではすごくフラットな感じでやっていました。
――役とご自身で似ているところなどはありますか?
どのキャラクターもそうですけど、ちょっとぶっ飛んでいるので……アキノは戦い好きですし、自分とはあまり共通する部分はなさそうだなと思います。
――では普段の西野さんからは考えられない姿が見られるかもしれませんね
お見せできたらいいなと思っています。

――公開されているビジュアルは衣装も豪華で凛々しい姿ですが、撮影を振り返ってどうでしたか
ここまで濃いしっかりとしたメイクはなかなかする機会が無いので「新感線だ!」と思いましたし、長時間撮影させていただいて色んなアングルだったり、すごくこだわって撮影していただきました。弓を持って撮影もしたのですが、その時に中島さんから「体幹を鍛えておいてください」とありました。弓を構えた姿勢が綺麗に見えるよう、そこにも命をかけようと思います。
――舞台への出演は2年ぶりで3作目となりますが、過去の舞台出演時と今回を比べてご自身でアップデートされていると思う点は?
いのうえさんは動きやセリフの言い回しの演出を細かくつけられるので本読みをどういう感じでしていいか分からず、お隣に粟根(まこと)さんがいらっしゃったので聞いてみたら「本当にその通りなのでフラットで良いと思います。後からどうせいのうえさんが(演出を)つけるから」「とりあえず大きい声だけ出しておけば大丈夫」とおっしゃっていたので、よし、と思って大きな声で一通りやってみて。近くに中村(倫也)さんが座っていらして、感想を言っていただけました。前に『あさひなぐ』という映画でご一緒して以来だったのですが、以前を知っている方に変化を気づいてもらえるというのはすごい嬉しく思いました。
――声を出すことについては前回の新感線で不安とおっしゃっていましたが、今回はいかがですか?
1つ前にやった舞台(『みんな我が子』)では、体に全くマイクをつけずフットマイクだけだったので、ボイストレーナーの方に付いていただいていました。その経験を活かせると思います。

――今回はアクションにも挑まれるということですが、アクションがあると聞いた時の心境は?
だろうな、と思いました(笑)。いのうえ歌舞伎は初めてですが、今まで何度か観に行ったことがあるので、殺陣や戦闘している感じはイメージできました。台本でも戦いながら喋ったりしている方がいて、私もセリフは無いけど多分奥でずっと戦っていたりするだろうなと、覚えることがより増えるなと思って楽しみです。
――ご覧になったいのうえ歌舞伎で印象に残っている作品は何ですか?
初めて観た作品が松山ケンイチさんと向井理さんの『髑髏城』(劇団☆新感線『髑髏城の七人』 Season風)で、今も印象に残っています。
――アクションもあり公演期間も長いということで、舞台へ向けて何か体力づくりを行おうと考えていることはありますか?
たまにベランダで縄跳びとかはしていたんですけど、やっぱりちゃんとジムに行ってみようかなと思っています。一度、少しの期間だけジムに行ったことはありましたが、長期間通ったことは無くて。運動があまり好きじゃないので……。でも、怪我しない体になった方が絶対に良いので、代わりがいないからこそ気をつけたいと思います。

――稽古に向けての準備や目標があれば教えてください
今は人がいっぱいいるだけで緊張してしまって、本読みの日もこんなにたくさんの人がいる前で読むのは恥ずかしいかもと思ってしまったので、まずは稽古の空気に慣れて、いのうえさんの演出の感じを思い出したいです。公演数や人数や規模感が前回と違いすぎて、前回の感じで行くと多分体力が持たなそうなので、上手くバランスを取りながら、力を入れるところは入れて、良い感じに抜けるところは抜いてというふうにやっていかないと、と思っています。
――『月影花之丞大逆転』の時の思い出はありますか?
すごく楽しかったです。舞台自体が初めてで、その初めてが劇団☆新感線ってすごく贅沢だったんですけど、劇団員の皆さんが本番中もぼそぼそ喋っていたりするんです。もちろんマイクには乗らないんですけど、耳に聞こえるぐらいの声でツッコんでいたり、変なことがあったらすぐに察知して何かぼそっと言ったりしていて、その雰囲気も好きだったので、またその感じを味わえたら懐かしく思えそうです。