――原作マンガの人気はもちろん、舞台も再演になるほどの作品ですが、舞台『鬼切丸伝~源平鬼絵巻~』に出演が決まった際の気持ちは?
私自身、時代劇というか歴史上の人物を演じることは初めてで、不安もありましたが、楽しみな気持ちの方が大きかったです。
――静の着物姿もステキです
そう、着物を着られるんですよ!着物がかわいくて、すごくテンションが上がりました(笑)

――初演舞台の映像は見ましたか?
見ました。演出家の方からは「見ても見なくてもいいし、参考にしてもしなくてもいいよ」という風に言われていて。私は前作のことも頭に入れつつ、自分なりの静を演じられたらいいなと思っています。
――前作の静と大島さんがイメージする静とに違いはありましたか?
(前作の静は)私がイメージしていたより元気がありました。でも同じように作らなくてもいいと思うので、“こういう静もあるんだな”という意識で、もう少し大人っぽい静を演じたいです。
――大島さんにとって静はどういう女性でしょう
静って、当時14歳とか15歳なんですよね。14、5歳で辛い出来事も含めいろんな経験をしながら生きてきた、豊富な人生経験を持った女性だと思います。共演者の方たちとも「昔の人ってすごいね」みたいな話はしていました。
――静と言えば、源頼朝と政子の前で義経を想いながら舞うエピソードが有名ですよね
そうですね。そのシーンはもう台本を読んだ時から涙が止まらなくて……。静自身の強さをとても感じるシーンだと思います。
――具体的にはどんな役作りをしましたか?
今はちょっと大人っぽく作り過ぎているとも思っているので、それを前回の静に寄せていくのか、また違った静にするのかというのを考えているところです。着物だから動きづらいけど、立ち居振る舞いには気を配っています。
――立ち居振る舞いというと?
例えば着物だと手をどこに置いたらいいのかわからない。1パターンだと代わり映えしないので、他の白拍子の方たちとも話して、手先の動きをどういう風に作っていくかなどを考えています。
――稽古の雰囲気はどうですか?
私自身人見知りなんですよ。あんまり、まだ皆とは話せてないかな(苦笑)

――稽古中、印象に残る出来事はありましたか?
那須与一役の石田隼さんが温泉大明神(ゆぜんだいみょうじん)を“おんせんだいみょうじん”って読み間違えていたのがおもしろくて(笑)。「いや、わかる。わかるけど……」みたいな。私は事前に調べていったこともあって、読み間違えずに済みました(笑)。でも現代劇と違って、言い慣れない言葉が多いですね。“わたし”ではなく“わたくし”とか、“○○しまする”とか。
――義経役の上仁樹さんの印象を教えてください
すごく大人!実は顔合わせの時にしかまだお会いしてないんですけど、落ち着きがある、大人の方だなっていう印象でした。
――その上仁さん演じる義経とのシーンは思わず涙してしまうところがありそうですね
だいぶネタバレになってしまうので詳しくは話せないんですが、台本を読んでいて一番ぐっときたシーンがあって。観に来ていただけたらすぐにわかると思います。観ている方も辛い感情を抱くんじゃないでしょうか。
――静の出演シーンは圧倒的に切ない場面が多い中で、彼女の健気さを意識して演じることはありますか?
そうですね。基本的に白拍子としてお客さんをもてなすシーンと義経とのシーンが多いんです。義経とのシーンの時は、唯一心を許している相手と向き合っている素の静というか、かわいらしい感じで演じたいです。
――「鬼」というある意味ファンタジーな要素も出てくることも踏まえて、今作の魅力を教えてください
“鬼切”という鬼を切っていたといわれる刀は実在しているので、歴史の裏に鬼がいたのかもしれないって考えるとほんとにワクワクしますし、アクションもたくさんあるので、とても見応えのある作品になっていると思います!