――この度、写真集を出そうと思った経緯を教えてください
- 自分の中では、写真集を出すという発想がなくて。写真集を出されている方々は皆さんキラキラしているイメージがあって…僕はそういうキラキラした感じでもないし、本当に一切考えてもいなかったのですが、お話をいただいた時はすごく嬉しかったです。ついに自分も写真集デビューかと(笑)
――写真集のコンセプトはどう考えていましたか?
- せっかく出させていただくのなら、等身大の自分を写真集に刻みたかったですし、写真集という言葉だけでは終われない、伝記というか…自分にとって濃密な経験をたくさんさせていただいた20歳の1年間の記録です。これまでの自分にとって大切な方々、そして場所を巡っているので、僕の人生を覗き見しているかのような写真集です。表紙は衣装なのですが、横須賀や大阪では私服で撮っていただいていることもあって、何も飾らない僕がいるので、写真集というよりは物語を読んでいるかのような、すごく大切な1冊になっています。
――強いこだわりがあったんですね
- ありのままの僕の気持ちを撮っていただいています。撮影した時期で微妙に表情が違っていて。横須賀のバージョンはまだ舞台(『ボクの穴、彼の穴。W』)を経験していないからか、少し幼さが残っている雰囲気があって、舞台のメイクをしている僕は、役にも入っているので、また違う雰囲気を纏っているというか。これまでになくさまざまな経験をした20歳の1年間のだったので、体感としては3ヶ月ぐらいな感覚でした(笑)。それほど濃厚で、考え続けていた期間でした。
――撮影してる時と今、気持ちは違いますか?
- 全く違います。今までの自分にとって大事なストーリーが詰まった写真集で、すごく特別なものです。この経験をしたことがまた新たな通過点となって過去といまの自分をより良く繋いでくれています。
――写真集を作って良かったですか?
- 本当に作って良かったです!せっかく作っていただくなら妥協したくなかったので、自分の想いをたくさん伝えさせていただいたのですが、スタッフの皆さんが僕の想いに親身になって、フォントからロゴから意見を汲み取って、表現してくださいました。こんなにも大切な写真集になると思っていなかったので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
――様々な窪塚さんが詰まった写真集ですが、お気に入りの写真を教えてください
- サーフィンボードで沖に向かっている写真です。どこがお気に入りかというと、大海原に自ら挑んでいるような後ろ姿です。このシチュエーションが色んなことを考えたり、想像させる写真だな、と。撮影していた時は、ただ単純に漕いでいただけなのですが(笑)。とても大切な1枚になりました。
――家族写真も載っていますが、写真集発売についてご家族の反応はどうでしたか?
- 「良かったね!」「おめでとう!」と言って、喜んでくれました!毎年恒例のハロウィン撮影にも写真集の撮影が入っていたので、合間にインタビューを受ける母を見て感動したり、いつもとはちょっと違う笑顔が生まれたりするのを見て、嬉しかったです。そして、スタッフの皆さんのご協力もあって、いままでで1番クオリティの高いものができたことに家族のテンションが上がっていました!(笑)
――お父さんから何か言葉はありましたか?
- 母の方が父より嬉しそうでした(笑)。父は照れ隠しからかあまり多くは語らずでしたが、大切に想ってくれていることは伝わりました。
――今後、俳優としての目標は?
- 進化し続けていたいです。自分はまだもがいているというか、これまでにいただいたお仕事を経て、そしてあの舞台を駆け抜けたことが自信となり、やっと一歩を踏み出せたと思っています。こうなりたいとはまだ無くて、ですがまだ見ぬ自分が絶対にあるので、そこは妥協せずに色々なものに挑戦していきたいですし、冒険し続けたいです。自分の新しい一面を知りたくて、邁進中です。まだまだこれからです!
――演じてみたい役や、やってみたいお仕事はありますか?
- すごくクセのある、夢に満ち溢れているような人柄ではなく、ダークな一面がある役をやってみたいです。実年齢に近い役が多いので、そこからちょっと飛び抜けた役をやってみたいです。
――最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします
- 僕にとって大事な場所や人を巡って、そこに飾らない自分がいて、当時の気持ちがそのまま表情に現れていて、写真1枚1枚にさまざまな想いがあります。写真集ですが文字を読んでいるような、僕の人生を覗き見できるような1冊になっています。写真集のタイトルから全てに対して僕の想いが詰め込まれているファースト写真集です。みなさんが想像しているような写真集とは違うかもしれませんが、味のある1冊になっています。今の僕を作り上げてくださった大事な瞬間、シーンが刻まれている、僕の分身のような1冊になっています。ぜひ見ていただきたいです。
撮影:川島彩水