――本作に出演が決まった時の心境を教えてください
- 尾碕真花(以下、尾碕):まさか少女漫画原作の実写化で主人公をやらせていただくことになるとは、本当に夢にも思っていなかったので、最初にお話をいただいた時はびっくりしましたし、ドッキリなのかなと思っていました(笑)
- 松本怜生(以下、松本):率直に嬉しかったです。自分がお芝居でデビューして、初めてメインキャストとして出させていただいたのがドラマストリームなんですよ(2022年『パパとムスメの7日間』)。その後にももう1回出させていただいて(2023年『君には届かない。』)、3回目で主演ということで、自分でも感慨深く、主演を任せていただけるのはすごく嬉しかったです。期待に応えたいなと思いました。
――それぞれ役の印象はどのように捉えていましたか?
- 尾碕:原作を読ませていただいて、春香がすごく良い子で、真っ直ぐで純粋で、自分よりも周りの人たちを大切にしているイメージだったので、これは私にできるんだろうか……と思いました。
――松本さん演じる光は、女装男子という役どころですが、いかがでしたか?
- 松本:“女装男子”という括りにさせられがちですが、光は少し特殊で、女装をファッションのひとつとして楽しんでいるんですよね。中身は男の子で、ただ女装が好きで、女装をしている時は一人称が私になる、という。複雑な設定もあったので、癖として出せるぐらい、全て自分で解釈して落とし込むことが大変でした。色々考えることがいっぱいで、役への入りが難しかったです。
――役とご自身で似ているところ、似ていないところがあれば教えてください
- 尾碕:背が高いところが似ているなと思いました。春香自身も背が高いことがコンプレックスだと言っていたのですが、私も、今でこそ「服が似合うから良いじゃない」と言われることが増えてから、ちょっとずつコンプレックスだと思うことはなくなってきましたけど、背が高いことはすごく嫌だったので、その気持ちは共感しました。
似ていないところで言うと、春香は言葉を純粋に受け取れることが素敵だなと思っていて。私は「良いよ」と言われても、本当は良いよって思っていない可能性があるぞ……とか真意を考えてしまうので、言葉を言葉のままに受け取れる人の良さや純粋さは、羨ましいですし、似ていないところです。
――松本さんはどうですか?
- 松本:基本似ていなくて……僕は光ほど不愛想では無いと思うので(笑)。けど、親しくなると毒舌になるの率直に思いを伝えてしまう部分は似ているなと思っています。
- 尾碕:照れやすいところは似ているんじゃない?光っぽいですよね。
- 松本:照れやすいかな?(笑)。でも、僕の方が光よりオーバーに照れてますよね。隠さずに、嬉しそうにしているんだろうなって分かりやすい(笑)
――尾碕さんと松本さんは今回が初共演となります。お会いする前の印象や、共演してからその印象が変わったなどあればお聞かせください
- 松本:朝ドラの共通点があったよね。
- 尾碕:私が『虎に翼』に出させていただいて、(松本くんは)その後の『おむすび』ですよね。
- 松本:話そうかなとか思っていたんですけど……。
- 尾碕:1回も話してないね!今、初めて朝ドラの話をしました(笑)。共通点は多いねって話はするんですけど、そこは深掘りしなかったね。
- 松本:お互いに何を話したか忘れてるんじゃないかと思うくらい、話して終わって、また次の日に会って同じように話して……という感じです。
- 尾碕:同じ話をしていることが多い気がします。聞いたことあるかも?みたいな(笑)
――早くから打ち解けられたのでしょうか?
- 尾碕:そうですね。私は自分から話しかけに行くのに緊張してなかなか行けないタイプですが、そこを超えてからは、同い年ですしタメ口でお話していました。松本くんは撮影インから10日ぐらいはずっと敬語で距離を感じていましたが(笑)、春香と光が仲良くなっていく内に、役と一緒に仲良くなれたのかなと思っています。
- 松本:明るいシーンを撮っていると勢いで行けたりするんですけど……。
- 尾碕:最初は春香にお説教するところが多いね。
- 松本:最初の方ではお説教をするところや駆け引きっぽいところが多いので、難しかったです。あとは、僕がちょっと人見知りでした(笑)
――撮影中、印象に残っている出来事はありますか?
- 尾碕:春香と光が唐揚げを作るシーンで、光は料理がとてもできる設定なのですが、しょうゆを入れたり料理酒を入れたり、調味料を入れる工程で苦戦されていたのがすごく面白かったです(笑)
- 松本:大さじ1を寄りで撮る時に、光の性格だとスムーズに大さじ1で止めて、入れられると思うんですよね。ぼとっ、ぼとっ、って出たらダメなわけですよ。日和っているのもバレたらダメですし、できたと思ったら8分目になったりして難しくて……。僕は普段そんなに料理をしないので、これができる人はすごいな、と思いました。
――唐揚げのシーンは要注目ですね
- 松本:あとは、尾碕さんが毎回現場にデカい水筒を持って来ているんです。それは皆の中で定着していて、“尾碕真花といえばデカ水筒”みたいな感じで。どこに行くにも、楽しそうに持ち歩いていますね。
- 尾碕:水筒にはハブ茶を入れています。以前、お店で飲んだ時にすごく美味しくて!そこから買って飲んでいます。私は水があまり好きではないので、水筒に好きな飲み物を入れて飲んでいます。
――本作の楽しみにしてほしいところを教えてください
- 尾碕:テンポよくストーリーが展開していきますが、内容はぎゅっと詰まった作品になっているので、余すところなく見てほしいなと思います。あとは、春香が外見だけではなく内面の部分でも成長していくので、そういったところに感情移入しながら楽しんでいただけたら嬉しいです。
- 松本:視聴者の皆さんも、春香の目線になって見てもらうと楽しいと思います。最初は黒滝(八村倫太郎さん)とも色々ありますし。あとは、登場人物が個性的なので、誰推しか決めてもらったりするのも面白いと思うんです。
- 尾碕:確かに!春香目線になって、黒滝派か光派かあるだろうし、周(カルマさん)が好きな方とか、ミオリン(水戸由菜さん)もいますし。
――少女漫画原作ですが、胸キュンシーンも期待していいですか?
- 尾碕:いっぱいあると思います。春香は黒滝に振り回されて、悩んだり喜んだりするんですけど、それぞれのシーンが素敵で、勝手にキュンキュンしていました。
――そういった意味でも、春香目線で見たらより楽しめるかもしれないですね
- 松本:あとは曲が良いです!春香にすごく合っていて、音楽が付くとこんなに変わるんだって思いました。
- 尾碕:良いよね!物語が始まるぞ、という感じが私もすごく好きです。
撮影:川島彩水
ヘアメイク:鈴木海希子(尾碕真花さん)、速水薫乃(尾碕真花さん)、中原ありさ(松本怜生さん)
スタイリスト:村松栞奈(尾碕真花さん)、岡村春輝(松本怜生さん)