――ドラマ『すべての恋が終わるとしても』は原作が140字の超短編作品です。出演が決まり、台本を読んだ感想を教えてください
- まず、この短編をドラマにすると聞いて、え?って(笑)。ドラマにするとなると1時間あるので、原作の方向性や筋は大事にしつつ、ほぼほぼオリジナルなのかなと思いました。台本をいただいて、本来なら最終話まで全部読み切ってから衣装合わせに向かうんですけど、今後どうなるのか楽しみで、一視聴者と同じ目線でこれどうなるんやろうなって思いを持ったまま、演じたいと思ったので、後半の方はあえて読みませんでした。それぐらいどういう結末になるのか、僕が演じる西颯もどう進んでいくのかを楽しみながら、台本を読ませていただきました。今まで色々な作品に出演させていただきましたが、その中でも演じたことのない新たな役どころなので、すごく楽しみで。一視聴者としても楽しみな作品だなと感じました。
――台本を読むのは何話までで止めていたんですか?
- 最終話の手前です。最終話を撮影する時に読もうと思ったんですけど、そう上手くは行かず……(笑)。監督に「最終話、どう思います?」と聞かれて、「すみません、今後どうなるのか楽しみで、あえて読んでいなかったです。すぐ読みます!」と言って、全部読みました。
――藤原さんが演じる西颯という役について、どのような印象を持ちましたか?
- 神尾楓珠くんが演じる大崎真央の親友という役柄で、素直でコミュニケーション力も高く、陽の要素もありながら、少しクールさも持ち合わせているといった印象ですね。
――演じる際に意識していることはありますか?
- 前の作品では関西弁だったんですけど、今回は標準語で、前までは演じている時に自分の中で違和感がありましたが、やっと違和感なく演じることができるようになっています。あとは、どこかこの人がいたら場が落ち着くよね、という存在感も意識しながら、絶賛演じています!

――ラブストーリー作品となりますが、藤原さんにとってラブストーリーの印象や、見る上で好きな部分や演じる上での印象を教えてください
- 見る側だと、次週どうなるんだろうとか、予告で上手いこと編集するじゃないですか!(笑)。僕はテレビっ子なので、「あれ見た!?」って次の日に言うタイプなんですよ。学生時代、よく次の日の学校で言っていたと思うんですけど、あれをまだ29歳でもやってます(笑)。「誰か昨日のあの番組見た!?めっちゃおもろいで!」って言うタイプなので、ラブストーリーでも、予告を見て「こことここがくっつくんちゃう?」とか、予想はしたりします。
やる側としては、結末を知りながら演じるので、お芝居では逆算しながらやらないといけないし、頭の回転も大事ですよね。狙いすぎてもミスマッチを起こしてしまうので、その塩梅は難しさがあります。あとは、距離感ですよね。例えば、見てる人からすると相手役との動作、仕草の一つで「これは好きなんじゃない?」「いや、これは脈無しだな」と感じ方が変わってくるので、そこは監督やカメラマンさんとどの角度が良いのか、皆で作り上げたいという想いがあります。
――台本を読み、キュンとしたシーンはありますか?
- 僕が演じるシーンの中でも、多分キュンとしてくださるところもあると思いますが、なかなか前のめりになれない颯がいたり、颯のなかでいろいろな葛藤もあったりするので、そこは視聴者の皆さんが「おい!西颯!」ってなるところだと思います(笑)。そこは作品自体の面白いところでもあるので、良い塩梅になっているのではないでしょうか。
――お芝居で恋愛感情を表現する際に、どんなことを意識していますか?
- 例えばライブとかだと、たくさんのファンの皆さんの目を見るとキュンキュンしているというか、僕たちに恋をしてくださっているなと感じます。お芝居とライブはまた違いますが、人を好きになるということで一番大事なのは心なので、ただ台詞を言っているだけでなく、お互いに見えないキャッチボールをしているというか、心の繋がり具合はどのシーンでも意識して撮影しています。
――本作は学生時代から社会人にかけて描かれている物語ですが、藤原さんが学生時代からずっと忘れられない記憶はありますか?
- 小学校の時に球技大会があって、サッカーの試合に出たんですけど、決勝戦でPKになり、ここで決めたら勝ちというところで自分に回ってきて。「俺、めっちゃ持ってる!アイドルやん!」と思って、最後にバーンと決めて、女子もキャー!っていうところも想像できて、思いっきり蹴ったんですけど外して。木村(拓哉)さんだったら、そういう場面では絶対決めるじゃないですか。僕もその路線やと思っていたんですけど、思いっきり外して、そっち側じゃないんや……っていうのを今でも鮮明に覚えていますね。あれ以降、ボール蹴るのが怖いですもん(苦笑)。なんか、体育であまり良い思い出が無いんですよ。高校最後の体育の授業で、その時もサッカーだったんですけど、胃腸炎で授業に参加できなくてトイレにずっとこもっていたっていう……学生時代は苦い思い出しかないですね(笑)
――現場の雰囲気はどうですか?
- 神尾くんが僕を舐めてます、良い意味で(笑)。周りから「2人は共演してたの?」ってよく言われるんですけど、親友という役なのでそれなりに距離感は縮めたいなと思っていました。初日の撮影がゲームをするシーンだったのですが、2人でキャッキャしながらやっていました。最初の頃は、神尾くんがAぇ! groupのメンバーと共演していて、その話から入って、その時は本当に可愛かったです。今では、僕の台詞が無いシーンで、始まる直前にバーッときて「緊張すんなよ」って言われて(笑)。それぐらい、和気あいあいとした現場です。
――親友役というところでは良い距離感で臨めているんですね
- 自然に距離感を縮めてくれましたね。台詞の掛け合いだけではなく、空気感を出すのは俳優として大事なところでもあるので、そこを2人で一緒に自然とできているのはすごく嬉しいです。

――藤原さんご自身は、人見知りせず現場にスッと入れるタイプですか?
- そうですね。ありがたいことにメンバーが共演している方もいらっしゃるので、「この前はありがとうございました」とか、逆に向こうから「この前○○くんと一緒だったよ」っていう会話のネタもあり、そこから仲良くさせていただいています。
――莉津役の本田望結さんとのシーンはどうですか?
- 本田望結さんとは、2人のシーンも多いですが、颯があまり気持ちを表に出せないというか、どっち?みたいな、難しいシーンが多くて、そこはずっと俳優をやられている本田さんに引っ張っていただいています。でも、休憩時間になったら、本田さんも京都出身なのでお互い関西弁で喋って、そこに神尾くんも入って3兄妹みたいな感じで喋っています。歳は僕が1番上なんですけど、1番下みたいな扱いをされてます(笑)。この3人でのシーンもあったりするので、その雰囲気がお芝居にも繋がり、良い現場だなと思います。
――莉津に対して颯はお兄ちゃん感もありますよね
- そうですね。それが莉津からすると複雑な部分かもしれませんが、恋と友情の境界線が、颯と莉津との見どころでもあるので、1話から最終話まで皆さんにも感じていただけたらと思いますし、そういう経験があるなと共感していただけたら、より楽しめるのかなと思います。

――藤原さんご自身は恋と友情の境界線はどのように考えていますか?
- あんまり意識はしていないタイプだと思います。もし向こうがそう感じるのであれば、そうなんや、って。「今のってキュンっていう行動になるの?」っていう感じで結構鈍感なので、そういうのはメンバーを見て勉強しています。メンバーのちょっとしたボディタッチとかに、これは女の子が喜ぶのかな、とか、常に勉強中です。だから、台本を読んでいても、メイク中とかに「これってキュンキュンするんですか?」ってスタッフさんに聞いたら、「するに決まってるじゃん!」ってめっちゃ怒られて(笑)。そこは女性と男性で価値観が違う部分があると思いますし、さらに僕はまた違う変な価値観があるので、そこはドラマを通して、日々勉強させていただいています。
――なにわ男子のメンバーは、具体的にどういったところで勉強になっていますか?
- メンバーは距離が近いんですよね。(大西)流星とかみっちー(道枝駿佑)は、「おはよう〜」とか言ってハグとかしてくるんです。
ちょうどこの前の撮影で、神尾くんに「〇〇やんな」って普通にパッと触ったらびっくりされて、「やっぱり俺さ、距離近い?」って聞いたら、「うん、近い」って。「そっか、ごめんな。俺、メンバーでこういうの普通にするからさ」「全然良いんだけど」という話をしたところなんですよ。だから、もしかしたら不意にやっちゃっている部分もあるかもしれませんが、自分自身はもし何かされても、境界線超えてきたな、というセンサーはまだ無いんですよね。センサーはゆるゆるです(笑)
