――本作のオファーを受けた際の心境を教えてください
- タイトルからすごく興味をそそる内容だなと感じたのと、企画書に書かれている内容が面白すぎて、まずは原作を読みたいという気持ちになりました。僕が演じる梅沢くんがどういったふうに黒崎や葛城に巻き込まれていくのか、すごく面白そうだなと思って企画書を読ませていただきました。でも、これまで演じたことのない役だったので、このような役をいただけるのはすごく嬉しかったです。
――なぜこの役が自分に来たと思いますか?
- なんでですかね?(笑)。こういったヤクの売人や、人間性にちょっと不備があるような役を演じさせてみたいと思ってくださったんですかね。そうだったら嬉しいです。
――実際に原作や脚本を読んで、この作品のどこに引き込まれましたか?
- 原作は“さすがヤンチャン”と言わざるを得ないぐらいだいぶハードで、だけど読んでいく中で興味が湧いてくる内容だったので、これを実写化するにあたって脚本はどういったものになるんだろうという気持ちはありました。脚本は『マトリと狂犬』の良さを生かしつつ、しっかり実写化してくださったんだなと感じました。この作品自体、掛け合いが多いんですけれども、脚本を読んでいてもテンポ感のある掛け合いが読み取れるぐらい、パンパンパンって言ってるんだろうなというのを、読みながら思っていました。
――監督・脚本に品川ヒロシさんの名前がありますが、これまで接点はありましたか?
- 無かったんですよ。バラエティーとかでもご一緒したことは無かったので、この作品が初対面でした。
――役作りやシーンについて、監督からの指示や相談はありましたか?
- 外見的な役作りでは「金髪にしてほしい」と監督に言われました。多分、細田善彦さん演じる黒崎と、向井理さん演じる葛城と、その間に板挟みになる梅沢くんという、黒髪・黒髪・金髪という分かりやすい構図を作りたかったのかなというのはすごく思いました。あとは、台詞の言い回しとか、「こういうところはこう言ってほしい」みたいなのはありましたが、大部分はアクションのことに関して、すごく親身になってアドバイスをしてくださいました。あそこまで動ける50代の芸人さんはいないと思うぐらい、アクション担当の方がいらっしゃるにもかかわらず、自分もアクションに入って行ったり、こういう風にしてほしいと密に話したりされていたので、それがすごく新鮮でした。「こう振ったらここにカメラがあるから殴っているように見える」とか、そういう基礎的なところからアドバイスをしてくださいました。
――西畑さんが演じる梅沢について、どんな印象を持ちましたか?
- 過去にすがっているような、他責な子なんだろうなというのはすごく感じています。順風満帆かと言われたらそうではなく、アクション俳優として出てきて、ちょっと売れたら調子に乗って暴力沙汰を起こして、拾ってくれた先輩の下でヤクの売人をやっているわけなので、救いようがないかなとは思っちゃいます。でも、そこで諦めるのではなく、生きることを選んで、何が何でも生きてやるというのが垣間見えるのは強いところではあると思います。だから、生存能力はめっちゃ高いんでしょうね。あとは、すごく素直で単純です。どんなに黒崎から言われても、ちょっと褒められたら図に乗るような単純な子で、情にも厚く、この子を助けてあげないと、と思った子に対しての肩入れはすごくて、そういった人間味も兼ね備えている子なのかなと思います。
――ご自身と似ているところはありますか?
- 単純なところですかね。褒められたら嬉しいし、怒られたらしょげるし、そういったところは似ているところではあるのかなと思います。あとは、情に厚すぎるわけでもないけど、しっかりとした人間味というのは似ているのかな?このストーリー自体が梅沢くんの成長物語でもあると思うので、全話を通して、どう成長していくのかも観ていただければ良いなと思います。
――役を演じる上で事前に準備されたことは何かありましたか?
- 事前にジムに行って鍛えるとかも無かったです。というのも、僕が演じる梅沢くんは絶対不健康なんですよね。だってお金に困っているからこそヤクの売人をやっているので、お金が無いならジムに行くとかも無いわけじゃないですか。だから俺も行かんでいいかと思って行かなかったんですけど(笑)。でも、撮影に入る1ヶ月ぐらい前からアクション指導があり、そこで1から色々と教えていただきました。
――梅沢はマトリと警察のダブルスパイとなるわけですが、西畑さんがもしスパイになるとしたら、ご自身のどんなところがスパイに向いていると思いますか?
- スパイに向いている部分といえば、嘘をつくのは得意ですね。あまりつかないですけど、頭に嘘は何個でも思い浮かんでいます。
――ちなみに最近ついた小さな嘘はありますか?
- 友だちとご飯に行っていて、ちょっと忙しいと思われたくて、仕事が21時に終わったのに23時に終わったというちょっとした嘘を(笑)。2時間ぐらいならバレないじゃないですか(笑)
――逆に、スパイに向いていないと思う部分はありますか?
- 感情が顔に出ちゃうところですかね。自分では制御できていると思っていたんですけど、最近、顔に出ているなと思いました。しかも悪い意味で出るんです。楽しいとか嬉しいなら良いんですけど、むしろマイナスな感情で、基本的に怒っている時がかなり出やすいと、自分でも思います。

――これまでに演じたことのない役柄に挑戦されていますが、様々な役を演じてきた中で、日常生活に影響が出ることはありましたか?
- 僕はアイドルをしながら役者もやらせていただいている身なので、いつか言ってみたい台詞があって……「ちょっと役を引っ張っちゃってて」ってめっちゃ言いたいんですけど、引っ張ったことがマジでないんですよね。
――役を引っ張ることに憧れがあるんですね(笑)
- 言ってみたいですね。かっこいいじゃないですか。いつもより声が低く出ちゃって、すみません、みたいな。やってみたいんですけど、無いんですよね(笑)。役に立ったことで言えば、『マトリと狂犬』での梅沢くんのアクションシーンで、ジャンピングパンチがあるんです。走っていってジャンプしてパンチするのをドラマの中でも2、3回はやっているんですけど、この撮影が終わった後に、なにわ男子のツアーの映像撮りがありまして、それで僕とみっちー(道枝駿佑さん)が喧嘩をするという、ちょっとしたアクションシーンがあって。それでたまたまジャンピングパンチが出てきて、運命を感じましたね。すごく役に立ちました。
――売人役にちなみ、何か売りたいものやおすすめしたいものはありますか?
- クローゼットがパンパンなので、服を西畑着用済みで売りたいんですよね……絶対しないですけど!(笑)。シンプルに服を売りたいなと思いますけど、それが西畑着用済みという一つのポイントをつければ、どれくらい値が上がるのかはすごく気になります。
――現実的には、後輩の方に譲るなどでしょうか?
- それは考えてます!選択肢が4つあって、兄にあげるか、いとこにあげるか、後輩にあげるか、着用済みで出すか、の4つです!(笑)
――かなりハードなテイストの作品ですが、撮影現場の様子はいかがでしたか?
- とても和気あいあいとしていました!なかなか無いと思ったのが、備品で疑似薬物みたいな、パッケージに入ったものが出てくるんです。それを監督が「アレいっぱい持って来て!」って、そういう現場はあまり無いじゃないですか。どんな現場やねん!と思いながら面白かったですね(笑)。撮影は1ヶ月ぐらいで撮り終えたので、短かった中で、天候にも左右されて色々大変ではあったんですけど、でも本当に監督がすごく明るい方で、あんなに怖そうな見た目をしているのに、すごく優しいおっちゃんって感じなので(笑)。すごく好奇心旺盛で、例えばアクション指導の中に入って行ったり、ちょっと美術を作ったり、血糊とかも監督が自分で僕に付けてくれたりしましたし、そんな天真爛漫さも兼ね備えた監督だったので、僕自身もすごくやりやすかったですし、こんな題材やのに現場も終始和やかではあったと思います。
――マトリの黒崎を演じた細田さん、警察の葛城を演じた向井さんと共演されて、お二人の印象はいかがでしたか?
- 演じられている時は黒崎も葛城も、どっちも怖かったですね。僕が真ん中に立ったらほんまに捕らわれた宇宙人みたいになるので(笑)。細田さんはお兄ちゃんみたいな存在で、シーン的にも一番長く一緒にいたので話す機会も多かったですし、物腰が柔らかくてたくさんお話をしてくださいました。お互いがお互いを支え合ったというか、この二人のシーンが多かったからこそ掛け合いも多くて、1日で20シーン近く撮る日もあって、その日が掛け合いのシーンだったので、練習しあったりしていました。
――向井さんとは何か印象に残っているエピソードはありますか?
- 向井さんとは同じシーン自体もそこまで多くは無くて、すごく喋ったという印象はなかったんですけど、いきなり広島弁で喋り始めるので、取り調べのシーンは超怖かったです。
――ちなみに、黒崎と葛城で敵に回したら怖いのはどちらですか?
- 葛城ですかね。黒崎の方はまだ話が通じて、自分のことだけを考えているわけではないというか、黒崎の過去が薬物との因縁を表していて、だから薬物を撲滅したいと思っているので、それ以外は多分良い人なんですよ。薬物が関わると狂犬になってしまうだけで。でも、葛城は救いようが無いというか、警察になって、権力と権威だけを求めて高みを目指していて、それでしかも人を巻き込んでいくじゃないですか。黒崎は単独行動なんですけど、葛城は色んな人を巻き込んでいくので、そうなったら絶対葛城が嫌でしょうね(笑)

――原作の田島先生も現場にいらっしゃって、ドラマにも出演されるそうですが、その際に何かお話はされましたか?
- 「大丈夫かな?大丈夫かな?」ってすごく緊張していられたので、「大丈夫ですよ~」みたいな会話はしました。まさか、あんな優しそうなおじちゃんからこの作品が生まれてるとは思えないぐらい、びっくりしました。人は見かけによらないなってすごく思いました。本当に可愛らしかったです。
――演じる中でテンションが上がったシーンはありましたか?
- 僕一人があるものを思いっきり破壊するシーンがあるんですけど、それがまあ気持ち良くて!今もあるか分からないですけど、ストレスを発散するために物を壊しに行くカフェみたいなのがあったじゃないですか?あんな感じのことをさせていただきまして、監督にもすごく褒めていただいて。2、3秒のシーンなんですけど、すごく楽しかったです。成功するかなっていうヒリヒリさもあったので、そこをぜひ楽しみにしてください。あるものを思いっきりぶっ壊します!(笑)
――この役を演じて得たものがあれば教えてください
- こういった役を演じさせていただいたことが無かったので、自分の中でも、一つ皮を剥くことができたかなと思います。あとは、監督から「やられ役の西畑くん、良いね」と、ボコボコにやられる役が似合うと言われました。
――監督が何かそそるものがあったんでしょうか?
- やられ顔が良かったのかなと思います(笑)
――今後もこういった作品に挑戦したいと思いますか?
- 元々こういう闇社会みたいなものを観るのが好きだったので、とても興味があります!
――ドラマの放送開始前には29歳の誕生日も迎えられます。放送へ向け、メッセージをお願いします
- 29歳という20代ラストの僕にとって、一つの節目になるタイミングではあったので、そのタイミングで攻めた作品に出演させていただいたことはすごく嬉しく思いますし、ちょっと大人な西畑を観ていただければ嬉しいなと思います!






