――デビューのきっかけは?
高校生の時にスカウトされたのがきっかけです。
――芸能界に入りたいという思いはあったのですか?
全くなかったですね。建築などの仕事に就こうと勉強をしていたので、そういったことは考えていませんでした。
――スカウトされ、モデルとしてご活躍されていましたが、俳優業に転身されたきっかけは?
モデルと俳優のどちらの方向で進んでいこうか悩んでいた時期に、僕の主演映画『BLUES HARP』という作品を撮影をしていたんです。その時、役者というのは追求していく深みがあって、楽しんで演じていることに気が付き、続けていきたいと思ました。

――5月14日から公開されているJam Films シリーズ・映画『female』の『桃』というショートムービーにご出演されていますが、出演されたご感想は?
僕の役は桃農園の青年で、長谷川京子さん演じる淳子を挑発するような役柄なんですけど、服装からして桃農園の青年には見えないんですよ。コーヒー農園にいそうな感じで・・・(笑)。監督にも、「大丈夫なんですか、コレで?」と聞いたんですけど、「大丈夫!」と返されました(笑)。篠原監督とは、映画『昭和歌謡大全集』でご一緒させていただいたんです。一度きりのことが多いので、またお話しをもらえるというのはうれしいですね。
――この映画は、“女性”をテーマに作られていますが、池内さんが女性の魅力を感じる仕草というのはどういったところですか?
髪をかきあげる仕草です(笑)。よく“うなじ”と言う人もいると思うんですが、僕の場合は、髪をかきあげてまとめる瞬間に“女性”を感じるんですよ(笑)。
――今夏公開予定の映画『樹の海』というシリアスな作品にもご出演されますね。?
この作品は、“自殺”というものを題材にし、“生きていこう”というメッセージを、4つのストーリーに込めた作品になっています。僕が演じたタツヤは、闇金の借金取りで、樹海に入ってしまった客の女を逃がしたくない一心で捜しに行き、暗い森の中でいろいろな感情を思い出すんです。僕のストーリーは、この映画の1番目で、その後に続くストーリーの取っ掛かりになり、『人間は一人ではなく、絶対救ってくれる人がいるんだよ』というメッセージが伝わればいいなと思いながら、演じました。
――実際に、樹海に入られて撮影されたということですが、いかがでしたか?
不気味さというよりも、神聖な場所という印象を受けました。下を見ると靴や何か分からない物が沢山落ちていたり、撮影中に捜索隊の方々に遭遇したりと異様な感じもしましたけどね(笑)。でも、樹海というのは、樹や生物が生存していて生き生きとしているんです。どうして此処で自殺をしようと思うのか、不思議に思いました。
――この作品とドラマ『人間の証明』の撮影期間が重なっていたそうですが、役の演じ分けはどのようにされているのですか?
作品にも因るんですが、撮影が終わってしまうと自然に切り替えができるので、特に意識はしていないですね。ただ、撮影というのはストーリーの順番通りに撮る訳ではないので、以前撮ったシーンの前後を撮影する時は気を使います。どんな気持ちで撮影をしていたか、感情を込めて演じるのが難しいんですよ。だから、メモをとっておくこともあります。

――そして、堀江慶監督の映画『全身と小指』にも出演されるそうですが、どういった作品なのですか?
兄と妹の“禁断の愛”ですね。お互いに感情を持ってしまった兄妹の話です。
――兄妹愛のような?
兄妹愛・・・。いや、禁断の愛です(笑)!
――深いテーマですね。
そうですね。一人の女性を愛する感情を持ちながらも、それはとても身近な人という・・・、複雑な感情が絡まっています。でも、僕は一人っ子だったので、妹や姉がいるという感覚がなかなか掴めなくて、監督と相談しながら自分のイメージを膨らまして演じました。
――俳優業もされながら、来年公開予定の映画『13の月』で監督デビューをされましたが、この作品を作ろうと思ったきっかけは?
「映画を作ってみませんか?」というお話しを頂いて、やってみようかなと思ったのがきっかけです。
――以前から、撮りたいという気持ちがあったのですか?
ありました。でも、長編を撮るとは思っていなかったんですよ。ショートフィルムかと思っていたら、「えっ、90分!?」という感じで(笑)。
――この作品の内容を、簡単に教えていただけますか?
死を宣告された男性が、想いを抱いている年上の女性を訪ねるというストーリーなんですが、最初はコメディータッチの作品を作ろうと思っていたんですよ。約1年かけて構想を練っていくうちに、泣ける物語も良いなという選択肢が出てきて、その方向で進めていきました。
――柏原崇さんと大塚寧々さんがご出演されるということですが、キャスティングの決め手は?
男性役には、ナイーブさを感じる人を捜していたんです。以前、映画『きみのためにできること』という作品に柏原さんが出演されているのを観たんですが、その印象がとても強くて、是非、出演して頂きたいとお願いしました。女性役には、知的で何かを内に秘めているような人を捜していて、そのイメージにぴったりだったのが、大塚さんだったんです。

――ストーリー、キャスティングも決まり、初めて撮影に入られた時の気持ちは?
緊張を通り越していました(笑)。やらなくちゃ!という気持ちが強かったです。監督は、皆を引っ張っていかないといけない存在なので・・・。だから、みんなの視線を常に受けながら、頑張りました(笑)。
――全て自分から動かないといけないので、大変な部分もあったのでは?
良い悩みですよ。色々な選択肢があり、そのどれを選ぶかで作品の展開がどんどん変わっていくので、難しいぶんやりがいがありました。ただ、それを選ぶのに悩んでいる時間があまり取れないことが大変でしたね。
――作品の公開は、来年を予定されているそうですが、次回作の予定はありますか?
まだ、考えてないんですけど、ショートフィルムがやりたいです。この前も、カンヌ映画祭に8万円で作ったショートフィルムが出品されたんですよ。日曜日や休日に友達と集まって撮っていたそうで、そういうのも良いなと思いました。
――今後、やってみたいことはありますか?
今まで、悪役というのを演じたことがないので、演じる側に戻り、極悪な役をやってみたいですね(笑)。
――プライベートでやりたいことは?
料理ですかね。以前、『笑っていいとも!』でもお話ししたんですけど、家に燻製機があるんですよ。なので、一週間くらいかけて作りたいです(笑)。
――最後に、ファンの方へ一言お願いします。
自分で映画を作りました。おそらく来年公開になると思いますので、是非観てください。今後ともよろしくお願いします。