――デビューのきっかけは?
小学校の高学年くらいから映画やドラマを観始め、「お芝居をやってみたいな」と思ったんです。その時、たまたま母の知り合いが、事務所の方と知り合いで紹介してもらいました。
――最初のお仕事のことは憶えてらっしゃいますか?
『ヘーベルハウス』のCMだったと思います。オーディションに合格して出演させて頂いたのですが、その時は緊張というよりも、何がなんだか分からなかったというのが本音です(笑)。こなすことに必死で、よく憶えていないんですよ。そのくらい余裕がなかったんでしょうね。
――今までに沢山のお仕事をされてきて、自分の中で変わったところはありますか?
中谷美紀さん主演のドラマ『R-17』に出演し、少しずつお芝居に対する気持ちが変わったと思います。それまでは、自分でやりたいとは言ったものの、まだ精神的に幼かったこともあり、お芝居の楽しさというのがいまいち理解しきれていませんでした。このドラマは、女子高に赴任してきたカウンセラーが、生徒達の悩みを解決していくというストーリーだったのですが、私も当時17歳で高校の事、友達の事、仕事の事と悩みが沢山あり、丁度、作品の設定とリンクしたんですよ。だから、お芝居をして「あぁ、凄くよく分かるなぁ。」と共感が持てたときに、お芝居が楽しいなと感じるようになりました。

――9月17日から公開される映画『深紅』に主演されますが、簡単に役どころを教えていただけますか?
この映画は、ある事件の加害者の娘と被害者の娘のストーリーなんですが、私は加害者の娘役で、自分のお父さんが死刑囚になってしまった女の子・都築未歩という役を演じています。
――この映画のオファーを頂いた時はどんな気持ちでしたか?
凄く重いテーマで、未歩の心情を表現するのは難しそうだなと思ったのですが、早く演じてみたいという気持ちの方が強かったですね。原作者の野沢尚さんが私のイメージと未歩がダブり、今回のお話を頂けたということでとても嬉しかった分、それに応えなければという気持ちでいっぱいでした。
――バーテンダーという設定でしたが、見事なシェイカーさばきですよね。
練習しましたよ(笑)!2週間程、教室に通いました。もう忘れてしまったのもあるんですが、10種類くらいはカクテルを作れるようになったんですよ。教室では、先生の作ったカクテルと自分の作ったカクテルを飲み比べて、何処が違うかというのもやりました。手順や作り方、注ぎ方も手馴れている様に見せないと、劇中で成り立たないので頑張りました。
――死刑囚の娘ということで、難しい役柄だったと思うのですが、どのように役作りをされましたか?
撮影前に1ヵ月間程リハーサルをする期間があり、監督や共演者の内山理名さん、塚本高史さん、内田朝陽さんと本読みをして具体的にどうするかを固めていきました。でも、役作りは現場に入ってから想像を膨らましたという感じですね。現場に入ると雰囲気も気持ちも変わってくるし、より未歩のいる環境に近づけるので想像しやすいんです。前もって、「ああしよう」とか「こうしよう」と決めてしまうと、分からなくなってしまうこともあるので、その時の感情で演じました。
――“未歩”を客観的に見て、いかがですか?
未歩が奏子と出会うまでの期間、お父さんの罪を引きずり、自分が受け継いでいくものだと思いながら、悩んで生きてきたというのは、本当に可哀想な子だと思います。
――撮影で大変だったことや印象に残っていることはありますか?
内田君は、一度お仕事をしたことがあったんですが、理名ちゃんは一緒にお仕事するのは初めてでした。映画は重い内容ですけど、現場では、休憩時間にサッカーをしたり、ふざけて遊んだりと楽しかったです(笑)。スタッフも“大御所”の方が沢山いましたが、とても気さくな方ばかりで、とても良い雰囲気の現場でした。
――この映画の見どころを教えてください。
死刑囚の娘と被害者の娘が出会い動き出してしまう二人の運命と、心情の変化を観ていただきたいです。この映画を観て、共感してもらえるところがあると嬉しいですね。

――そして、『深紅』とは全く違ったテイストの映画『まだまだあぶない刑事』にも出演されるということですが、この役どころは?
私は、浅野温子さん演じる真山薫の部下・結城梨沙という役を演じています。少年課に勤めていてるんですが、イマドキのギャルというか・・・(笑)、突拍子も無いことを口走る少し天然な女の子で、演じていて楽しかったですよ(笑)!テンションも上がります。浅野さんの役どころも凄いですけど(笑)、それに負けじと頑張りました。
――舘ひろしさん、柴田恭兵さんとご一緒したご感想は?
舘さんは、とてもクールな方かなと思っていたんですが、最初にお会いした時に「よろしくー。」と握手をして下さり、誰とでもフレンドリーな方でした。柴田さんは、お芝居に対してとても熱い方で、共演者の佐藤隆太さんや窪塚俊介 さんにアドバイスをされたりと、お二方とも、とても優しかったです。
――水川さんはタカ派ですかユウジ派ですか?
え~っ(笑)!?どっちも好きです。私は真山派かな(笑)。今回の浅野さんの衣装も半端じゃないですからね・・・。

――水川さんのオフィシャルサイトを拝見しましたが、BBSを設けていらっしゃいますよね。
皆さんの声が聞けるので、嬉しいですね。私の携帯から見られるようにしてもらっているので、時間がある時はチェックしてますし、私の書き込むコーナーもあるので、そこで返事をしたり、今日はどんなことをしていたかとか近況を伝えたりしています。
――ギャラリーのコーナーには、現場の風景や面白い写真も掲載されていていますが(笑)。
写真は、マネージャーが撮ってくれているので、どれを掲載するかを相談しながら選んでいます。
――“こんな女優さんになりたい”という目標はありますか?
頂いた役を大切に演じながらも、一つのイメージに固まらずどんどん前の役を潰していけるようになりたいです。常に新しいイメージを作っていける、引き出しを沢山持っているような女優さんになりたいと思っています。
――今後、挑戦したいことは?
英語を話せるようになりたいので、留学してみたいですけど・・・、まだ出来るかどうかは分からないですね(笑)。あとは、ヨガをやりたいと一年くらい考えているんですけど、これもなかなか行けなくて。体に良いそうなので、この秋くらいから始めたいなと思っています。
――ファンの方にメッセージをお願いいします。
映画『深紅』が9月17日から公開されるので、沢山の方に観ていただきたいです。重いテーマなので気が向かないなと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、人間の心理を繊細に描いてあり、どこかで共感できる部分があると思うので、是非劇場に足を運んでください!また、今年は「深紅」を含めて、出演映画が6本も公開されるので、そちらも観ていただけると嬉しいです。