――デビューのきっかけは?
- 幼稚園を卒園する少し前に、長崎から東京に引っ越して来たんです。東京に来てから、母に連れられて舞台やミュージカルを観に行くようになり、同じ年くらいの女のコが歌ったり踊ったりしているのを見て、楽しそうだなぁと思って触発されたのがきっかけです。
――それがきっかけで、オーディションを受けに行こうと?
- そうですね。母はお稽古ごとが大好きだったので、いろいろやらせてもらっていたんですけど、オーディションを受けることに対して最初は反対されました。もし、舞台に出られるようなことになったら、学校に行くのも大変なんじゃないかと心配していたようです。一年くらいかけて説得し続けて、ようやく、「しょうがないわねぇ~。」って(笑)。どのオーディションを受けようかと悩んだんですが、舞台に出ている方が多い『東京児童劇団』のオーディションに参加しました。
――初舞台のことは憶えていらっしゃいますか?
- 今でも、初舞台は自分の中でも一番の支えになっています。小学校6年生くらいだったと思うんですが、舞台のお稽古も楽しくて、早く皆に会いたいなと思っていました(笑)。出演者の方々が凄く温かく、アットホームな雰囲気だったので、よりその作品も好きになりましたね。その舞台のビデオをよく観るんですが、落ち込んだときに見返すと、“頑張らなくちゃ”と思えるんです。今、大人の出演者の方達の役作りだったり、取り組み方や姿勢をふと思い出したりして、あの頃よりは理解できるようになったかなと自分では思っているんですけどね。
――お仕事と勉強を両立させるのは大変だったのでは?
- そうですね。厳しい家だったので「仕事をやる前以上に良い成績を取りなさい」と言われ、試験の前は凄い憂鬱で(笑)。でも、仕事も学校も凄く楽しかったので、頑張りました。舞台をやっている間は、給食を食べずに早退していていたのでちょっと寂しいなと思ったりもしましたけど、今考えると学校と仕事の両方を楽しめて2倍得した気分ですね。本当に周りに恵まれ、自分の好きなことを自分のペースで学べたので、楽しんで出来ました。
――さて、4月13日(木)から南里さんにとっては4年ぶりのミュージカル『ANGEL GATE ~春の予感~』が公演されますが。
- 最初にお話しを頂いたときは、久しぶりの舞台だったので「やったー!」と思いました(笑)。大学に通っている間は、単位を取らないといけないので学校をお休みするということが難しかったですし、何より、集中して勉強したいということもあり、しばらく舞台はお休みだなと思っていたんです。その間も、友達と舞台を観に行っていたんですけど、観るとやはり“やりたいなぁ~。”って(笑)。
――では、卒業後すぐに念願の舞台に立てたわけですよね。
- 4年間も舞台から離れていたので、卒業しても本当に舞台に立てるのかという不安もありました。でも心の中ではずっと、「舞台をやりたい!」と思っていたので、本当に嬉しかったですね。