――近年、キャリアを重ねてきた俳優やタレントの方がプロデュース側に挑戦するケースが増えているように感じます。この流れをどのように感じていますか?
僕らの世代で、オーディション番組や自分がプロデュースしてみたいと思って行動される方は、どこか共通点はあると思います。自分がすごく苦しんだとか、NOって言われ続けたとか、そういう自分が受けたことを、自分が年齢を重ねてそれを変えていったり、次の世代にはそうじゃない面白さを伝えたり、自分の経験した中で改善したい部分を変えるという行動を起こしたい人が始めている気がします。
――山崎さんもそのお一人になりますよね
エンタメがもっとジャンルも広がって選択肢もすごく増えてきたので、自分が好きな場所とか、自分がこうだと思うことを突き通せる時代になった気はします。前はプロデューサーがいて、その方が作ったところに参加するということだったけど、今はそれぞれが自分のやりたいことが表現できる時代になったというのも1つあると思います。
――これまでのキャリアの中で、人生を変えたオーディションや人との出会いはありますか?
小椋佳さんに12歳の僕をミュージカルのオーディションで選んでいただいたのが1番のきっかけなので、あそこはターニングポイントですし、お芝居もダンスも何もやったことなくて、ただ歌が好きなだけの自分を主演に選んでいただいたところから人生が全部変わったので、小椋さんがあそこで僕を選んでくださらなければ、今の自分は無いと思います。数年前に小椋さんと話した時に、自分がオーディションで出てきた時に「見つけたって思った」って言ってくださったんです。僕はその意味がよく分からなかったんですけど、小椋さんの中で、この子を磨けば何か輝くんじゃないかと感じてくださったんだなと思います。
――今回のオーディションがターニングポイントになる方もいっぱいいらっしゃるかもしれませんね
何もできなくても、お芝居やダンスとまた違うのが、その子が元々生まれ持った声、声帯はご両親からのプレゼントでもあり神様からの贈り物で、実は楽器で変えようがないので、その人にしか持っていない声は唯一無二です。トレーニングをして磨けば絶対どこまででも行くので、生まれ持った声は注目してみると思います。


 

――山崎さんの思うミュージカルの魅力を教えてください
ミュージカルは総合エンターテイメントだと思っているので、この場所に行けばすべてのジャンルの表現がそこで見れて、アスリートのようにトレーニングする俳優たちの輝きがあり、そこにオーケストラがいて、どこか夢の世界に誘われるような非日常な空間です。
僕は、ミュージカルはエンタメの中で王様だと思っているぐらいで、これがいつか日本で生まれた日本発のミュージカルがどんどん増えた時には、皆さんが映画を見るような感覚で、娯楽の1つの選択肢としてミュージカルがもっと身近なものになれば、ミュージカルはもっと盛り上がっていくし、ミュージカルをやりたいと思う子どもたちももっと増えていくと思います。韓国のようにアメリカのトニー賞を取るような作品を日本も目指していくべきだと思いますし、そうすれば日本のエンタメ業界が絶対盛り上がっていくと思うので。とにかくミュージカルをやりたい子たちをもっともっと増やしたいですね。
――これまでミュージカルに触れたことのない人へ、ミュージカルのアピールポイントを教えてください
昔もこれからも唯一変わらないエンタメが、生のステージだと思っています。今はこれだけメディアも広がって、配信もあって、選択肢もたくさんあって、映像の世界が分散されていく中で、時代と共にどんどん変化すると思います。でも、生で目の前にお客様が2000人いる中でパフォーマンスをして、そこで魅了して感動を与える人はもっと価値が高まっていくし、もっと広がっていく場所だと思います。実際に劇場に足を運んで、オーケストラがいて、目の前で役者さんが歌って踊って芝居をして、豪華なセットや衣装があって、こんなに贅沢な空間は無いと思っていて、これは経験しないと分からない部分です。
今回、このプロジェクトをやるにあたって出会ったたくさんのスタッフの皆さんも、初めてミュージカルに触れて、こんな世界があったんだと驚きと魅力を感じてくださる方がたくさんいらっしゃって。なので、まずは劇場に足を運んでいただくところが大事だと思っています。
あとは、ディズニーを好きな方にも共通する部分があって、ディズニーランドに行ったらディズニーのマジックにかかって、非日常の空間に身を置いて楽しむという経験ができる場所で、それはミュージカルも同じだと思っています。音楽が好きな方も、芝居が好きな方も、ダンスが好きな方も、全ての人を魅了できる場所だと思うので、一度劇場に足を運んでみていただきたいです。
――ミュージカルファンの皆さんへ向けて、メッセージはありますか?
多分今まで見たことのない、聞いたことのないサウンドができるグループになると思うので応援してほしいですし、今、オーディションに参加してくださっている方を見ても、このグループは年齢関係なく色んな人に愛されるグループになるんじゃないかと思っていて。老若男女、皆がこのグループを好きになるような、誰も置いていかないグループを作っていきたいので、このグループが誕生した時には、興味を持ってもらって、応援していただけたら嬉しいです。
――最後に、応募を迷っている方や興味があるけどまだ一歩踏み出せない方に声をかけるとしたら、何と伝えますか?
いつも言うのは、野球と一緒で打席数だと思っていて、何回バットを振るかだから、少しでも何か感じるものがあったら一歩踏み出してほしいです。例えば僕自身も、プロデューサーになる準備ができてから始めたわけではなく、とにかく一歩を踏み出して、やっていく中で色んなことを考えながらプロデューサーになりました。僕は歌手として素晴らしい人間です、だからオーディションを受けます、ではなく、まずは一歩を踏み出してみたら自分に何が必要なのか、何が得意なのか、色んなことが分かるので。結果がどうであれ、絶対にプラスになると思うし、自分がこれからやっていくことが見える可能性もあるし、新しい出会いもあると思うので、このプロジェクトに少しでも気になる部分があったら、まずは一歩を踏み出してやってみようと思ってほしいです。

撮影:泉健也