――まず、芸能界デビューのきっかけを教えてください。
地元のお祭りに親友と二人で行ったときに、今のマネージャーさんにスカウトされました。写真を撮りたいっていう話を頂いて、最初は断ったんですよ。でももう一度声をかけられたので、正直、嫌々写真を撮りました。そうしたら後日、事務所から電話が来てって感じでした。
――地元・静岡でのスカウトは意外でした?
そうですね。芸能界とは程遠い感じの田舎なので。テレビとかも全然見ない子だったので、全然興味なかったんですけど(笑)
――なぜやってみようという気持ちになったのでしょうか?
正直、流れでそのまま事務所に入って今に至るというか、辞めようかなと思ったこともあったんですけど、高校生になってやっとこの仕事を続けたいな、と思うようになりました。
――妹のすずさんも芸能界でご活動されているということで、ご両親は芸能活動を応援してくださっているんですね。
そうですね、反対はしなかったですね。「好きなようにやりなさい。」って言われました。目立ちたかったっていうのもあったんですけど(笑)
――これまでに一番印象に残っているお仕事は何ですか?
やっぱ昼ドラが一番大きかったかなと思いますね。あんなにガッツリ3か月間お芝居をしたのも初めてですし、監督から毎日のように怒られたのも初めてですし、お芝居を甘く見ていたなっていうのがすごく解って、未熟さも感じましたね。クランクアップの日には、撮影が始まった当初よりはどこか成長できたかなって今改めて考えると思います。

――現在TBSで放送中の『黒の女教師』に出演されています。広瀬さんの役どころについて教えてください。
佐伯江衣花という、クラスの派手な女子グループの中心に居る女の子です。全然喋らないんですけど、存在だけで空気感を作ってしまう子ですね。正直、江衣花ちゃんって全然喋らないので、何考えているんだろうって思うところがあって、撮影もかなり後半になってきたんですけど、私もまだ役に対して手探りの状態です。
――あまり喋らないキャラクターだということで、台詞のない演技で心がけていることはありますか?
あまり感情を表に出さないっていうのを心がけていますね。笑っていてもどこか上辺な部分が出ていたりだとか、なんか浅いっていう、そういう感じを出そうと思っています。
――佐伯江衣花を演じるにあたって、役作りの際に参考した人はいますか?
キャラクターがオリジナルだったので、何かをベースにするっていうのがあまりなくて。本当に謎なんですよ、役が(笑)。どちらかというと監督さんと色々お話しながら、佐伯江衣花という女の子を作っていったという感じなので、あんまり参考にしたものはないですかね。
――ちなみに広瀬さんは学校ではどんな学生ですか?
学校ではうるさいですよ(笑)。それは小さい頃からずっとそうですね。現場も本当の学校みたいで、休憩時間にクラス全員が揃うと男女関係なく仲良くって、変顔し合って笑ったりとか、他愛ない感じでかなり騒いでいますね。
――年の近いキャストが多いということで、何か流行っていることはありますか?
すっごい身内ネタなんですけど、杉咲花ちゃんっていう最年少の出演者で中学三年生の女の子がいるんですけど、杉咲花ちゃんの笑い方を真似したり、ローラさんの物真似をしたりしています。あと、疲れたときや夜遅いときに、皆でわざと声出し合ったりしてテンション上げています。
――重いテーマが扱われていると、舞台裏も暗くなりがちなイメージがありましたが、逆なんですね。
全然ですよ、明るすぎて!逆に仲良くなりすぎて大丈夫かなっていう位。重いシーンでは、そんなにうるさくならないんですけど、アドリブとかも撮影中や本番中に言い合えるというか、何でもポンポン普通の会話のように出てきますし、めちゃくちゃ仲良いです!笑いが本当に絶えないんです。
――広瀬さん演じる佐伯江衣花と同い年の役ということで、共感される部分も多いかと思いますがいかがでしょうか?
やっぱり会話では「あぁ、こういう会話って女子高生しそうだな。」とか「してた人いたな。」とか思いますね。恋バナとか、例えば江衣花がある男の子を見ていたりすると「えー、ああいうのがタイプなの?!」みたいな本当に小さなことなんですけど、そういうことで盛り上がれるのが女子高生で、共感できる部分はいっぱいありますね。
――逆にご自身と比較して、演じていて新鮮な部分はありますか?
全てです!本当に、びっくりするくらい私と真逆なんですね、役と素が。それは現場の皆が知ってるんですけど(笑)、周りの皆を笑わせるのがすごく好きで、急に歌い始めたりとかっていうことをよくするので、そういうことを一切しない江衣花ちゃんから、こういうのがモテ子っていうんだなっていうのを勉強しました。
――キャストの中でプライベートでも仲良くされている人はいますか?
この前、大野いとちゃんとご飯に行きました。家が近いってこともあるんですけど、元々セブンティーンでも一緒なんです。ドラマでは私の前の席なんですよ、だからずっと後ろから息ふーって吹きかけたりとか、椅子ガンって蹴ってみたりとか。みんな、いとちゃんにちょっとちょっかいを出し合うんです(笑)。中条あやみちゃんもセブンティーンのモデルなんですけど、おもちゃのゴキブリを見せてきて、みんなで「うわー!」って叫んだりとか。そんな感じですかね。女の子同士はプライベートでもよく電話とかしていますね。
――ドラマHPのツイッターでは川柳を披露されていますね。
あれ、ほんっと大変なんですよ~もう(笑)。川柳は小学校の国語の授業のときに一人だけできなくてトラウマもあったんですが、そういう時間があってもいいなって思います。川柳を考えるときもマネージャーさんと一時間くらいずっと相談しながら「あ、でもコレはコレでちょっと…6文字ですよ?」って話したり。川柳が更新されたら一時間くらい粘ったんだなって思ってもらえれば(笑)
――ドラマHPの生徒プロフィールページやブログで、直筆コメントをアップされていますね。字がお綺麗ですがお習字などのご経験があるんでしょうか?
何も習ってはいないんですけど、字を書くのがすごく好きなんです。授業中のシーンとか待ち時間があると、教科書を全部ノートに写したりとかしています。パソコンとか携帯だと文字が決まってしまうので、自分が思っているのと捉え方が違っていたらどうしようって思うことがブログでも結構あって。
そういう意味では、やっぱり直筆の方が伝わりやすいっていうのもありますし、親近感が湧くというか、友達に手紙を渡すっていう感覚が欲しいんです。タレントだからっていう変な壁をファンの方たちとの間につくりたくなくて、よく手書きで書いています。

――榮倉さん演じる高倉先生はかなり格好いい役ですね。CMなどで見る和やかな雰囲気とはギャップがありますが、撮影の裏ではどんな方なのでしょうか?
すごく豪快に笑う方で、この前、筋トレの話を生徒役5、6人と榮倉さんとしていたんですけど、本当にキツイ筋トレがあって、それを皆でやったとき、榮倉さんが「ああーーー」と絶叫していて(笑)。その後はもう高倉先生のイメージなんて消えちゃったってくらい、すごいゲラゲラ笑っていました。
やっぱり今までは役柄の高倉先生としか見られなかったので、すごく話しやすくなったというか、現場での変な緊張感がなくなりましたね。
――高倉先生みたいな先生が担任の先生だったらいかがですか?
えー、嫌です(笑)。私の担任の先生は小中高と今まで明るい先生が多かったので、高倉先生のような先生は新鮮なんですけど、やっぱり皆とわいわいお喋りしたりするのが好きなので、あんな無表情な先生嫌だなぁと思って(笑)。逆に素の榮倉さんみたいな人が先生だったら、すごく嬉しいです。
――榮倉さんといえば、セブンティーンモデルの先輩ですが、モデルについてのお話はされますか?
私にとって初めての「ミスセブンティーン夏の学園祭」の時に榮倉さんの卒業式があって、その時に一緒に記者会見をさせていただいたんですけど、そのお話をしたりしましたね。
――今回のお仕事で、久しぶりの再会ということでしょうか?
そうですね。でも私は記者会見の時は緊張しすぎていて、何を喋ったのか全く覚えていなくて、何も思い出せないんですよ。只々、緊張してたっていうのしか思い出せなくて。
――小林聡美さんなどベテランの女優さんもいらっしゃいますが、演技のご相談をされたりアドバイスをいただいたりしますか?
まだ撮影の現場で一回しかお会いしたことがないんです。食事の撮影のときに、目が合うシーンを一瞬撮ってすぐ終わってしまって。目が合うシーンって解っていたんですけど、自分ですごく顔が赤くなるのが解って、すごい緊張してるんだなって思いましたね。色んなお話したいなあって思っていたんですけど、やっぱり緊張しちゃいますね。
――いじめや虐待など重いテーマが扱われています。撮影中や台本を読んだ時などに、考えさせられる場面もありそうですね。
そうですね。本当にメッセージ性のあるドラマになっていると思います。今の日本に本当に必要なテーマが「黒の女教師」のドラマで表現されていて、もちろん同世代の方には絶対見て頂きたいと思いましたし、高校生・中学生の学生のお子さんをお持ちの大人の方にも見て頂きたいなって思いますね。
毎回、新しい台本を頂くときには、次はどんな問題が来るんだろうと、ドキドキしています。1話で扱われた脱法ハーブは、ニュースで騒がれているときに台本を頂いて「脱法ハーブ?!」と驚いて、そこから話にのめり込んでいきました。もっと皆さんに見ていただきたいですね。
――ドラマもいよいよ最終話ということで、第1話から演じられてきた江衣花役ですが、お話が進むにつれて役自体に成長はありましたか?
まだ本当に監督と相談しないと解らないことが多いんですけど、回を追うごとに「あ、江衣花ってこういう子なんだな。」って、自分でも少しずつ分かってきたので、それがもっと皆さんに伝わればな、と思いますね。
――最終回のオンエアが9/21に迫っていますが、見どころを教えてください。
まず、黒の女教師のお三方が謎すぎて、どうしてあの3人は、ああいうことをしているのか、なぜ3人が集まっているのか、男子生徒との関係なども、是非注目していただきたいですし、私が演じる佐伯江衣花ちゃんも、まだ何も問題が解決していないので、どういう女の子なのかっていうのも是非見ていただけたらなと思います。