――まず、このお仕事に興味を持ったきっかけを教えてください。
- もともと芸能界に興味はあったんですけど、高校の文化祭で演劇をやった時に、主役を演じることになったのが一番はじめにお芝居に触れるきっかけでした。演劇好きな友達が居て自分のカメラで映像を撮るのが趣味で、ショートムービーを撮影する時にも芝居をしたり、有志でダンスを踊って全校生徒の前で披露したり、人前で何かをするっていう事があって、それから徐々に興味を持っていきました。
――その後、どのように芸能界へ入られたんでしょうか。
- 高校生の時は興味を持っただけで仕事にしたいとは思わなかったので、興味をもったまま大学に進んだんです。大学3年生に上がる年に、映画の『クローズZERO』や『ROOKIES』で若手の俳優さんが活躍しているのを見て、自分もやっぱりお芝居をやってみたいっていう思いで上京しました。そのあとスクールに通って、現在の事務所に所属することになりました。
――ミュージカル『テニスの王子様』が公演中ですが、初めてテニミュの舞台に立った時と今とで、一番成長したと感じる部分はどこですか?
- もともと緊張しやすくて、すぐにあがっちゃうタイプなんです。テニミュは1000~3000人近いお客さんの前で演じる事が多いので、はじめはすごく緊張して舞台上で自分がやりたい事ができなかったりすることがあったんですが、六角公演を経て、今は立海公演で出演していて、どんどん自分のやりたいことや新しいアイデアも出るようになってきました。今回の公演ではネタ的な部分を任せてもらえるようになって、日替わりでその場で生まれたものを舞台上でやったり、度胸がついてきたところが一番成長できた所かなと思います。
――8月には大阪でも公演されていますね。大阪ご出身ということで、地元での公演はいかがでしたか?
- やっぱり毎回大阪公演はどの会場よりも特別な気持ちがあって、家族や友達が観に来てくれるので、いつもとは違う気合いの入り方がありますね。僕も家族や友達に観てもらえるのが楽しみで、公演後に面会して感想を聞いています。お客さんも僕が大阪出身って知っているので、大阪出身の方は「おかえり」っていう雰囲気を出してくれるんです。大阪のイベントで、少しお客さんとコミュニケーションを取れる機会があった時には、「おかえり」って言ってくれたりアットホームな感じで、大阪出身の僕的にはある意味凱旋公演のような特別な思いがありますね。
――ご家族からはどんなコメントがありましたか?
- 「六角公演の時よりダンスが上手くなったね。」って言ってもらえました。前回に比べて今回は歌とお芝居のシーンが少ないので、ダンスの部分でどれだけ成長が見せられるかっていうのが自分の中でも課題だったので、ダンスに力を入れていたんです。この事を話す前にダンスを褒めてもらえたので、成長が見せられたと思ったら嬉しかったですね。
――元々ダンスは得意だったんですか?
- 高校の文化祭で初めてダンスをして、でもその時も格好いいダンスではなくて面白い振り付けのものだったので、本格的にダンスを始めたのは『テニミュ』からですね。今回は僕にとって六角戦後の立海戦だったので、経験を活かして少しでもレベルアップ出来るように頑張りました!
――ミュージカル『テニスの王子様』と言えば、キャストやカンパニーでの友情も見どころのひとつですよね。
- 普段からチームの意識がすごく強くて、楽屋もチームごとですし、プライベートから一緒に食事に行ったり遊んだりしています。最近は「LINE」っていうアプリがあるので常にコミュニケーション取っていますね。稽古中・本番中も常に一緒にいるし、チームとしての意識が高い分、舞台裏での関わりが舞台上でもしっかり現れるんですよ。今の立海戦は試合が無くてお芝居つけられていない部分もあって、自分たちの思うように動いていくんですけど、そこのレパートリーがどんどん増えていくんですよね。役と自分自身半分ずつ位で色々幅が広がってきて、僕たち自身も楽しんでやっています。お客さんも、メインの試合を見ながら僕たちが後ろで動いているのを楽しみにしてくれている方も居て、リピーターの方も多いので、いつ見ても違うものが見せられるように色んなバージョンを増やしていくのも楽しみの一つですね。
――開演前はどのように過ごされいるのでしょうか。
- 僕は集中力を高めたいタイプですね。過ごし方は結構皆それぞれで、鏡の前でメイクを直して完璧に準備を整える人とか、リラックスしている人もいます。僕は声を出したり、その日のネタの構成を考えなおしたり、イメージトレーニングしたりとか、しっかり準備に時間を使っていますね。
――9月には東京凱旋公演がありますね。
- 最初に東京公演があって、間に福岡・大阪・仙台・名古屋を挟んで最後にまた東京に戻ってきます。公演期間が長い分、公演中にも成長している部分が作品全体を通して見られるので、そういう所を見てもらいたいですね。自分の中では毎日少しずつ変化していくので、大きな変化を感じる事が出来ないんですけど、やっぱり見てくれている人の評価とか言葉を聞いて、「こう成長したんだ。」ってその時に改めて知る事ができるので、東京で観た方が凱旋公演を見てどう感じたかっていうのが楽しみですね。
あとは大阪公演の千秋楽の時点で泣きそうになってしまって、僕たち六角チームも本公演の出演は今回が最後だし、メインの青学も今回で卒業で。やっぱり青学チームのみんなも初めからずっと一緒にやってきてすごく思い入れのあるチームなので、皆で演じるのが最後になってしまうと思うと、凱旋の千秋楽はやっぱり泣いてしまうかもしれません(笑)。それはそれで達成感があるんですよね。前回の六角公演の千秋楽は今でも覚えていて、スタンディングオベーションがあったり、舞台上から観た客席の光景が焼き付いているので、それを見られるのが今から楽しみです。
――残りの公演に向けて意気込みをどうぞ!
- 今までの公演は本当に早くて、あっという間に終わってしまったんですけど、引き続き1公演1公演大切にしていきたいっていう気持ちはすごく大きいです。あとは六角チームが任されている日替わりネタ部分を出来るだけ毎日違うネタをしたり、以前やったものをブラッシュアップしてパワーアップさせて、新鮮に、より面白く、これまでの公演で得たものを活かしてどんどん良いものにしたいと思います。
――そして、11月には舞台『30-DELUX The Remake Theater「イエロー」』に出演が決まりました。出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
- 単純にすごく嬉しかったです。今まではオーディションを受けて役を頂いていたのが今回はオファーを頂いたんです。僕を必要としてくれている事が本当に嬉しかったので、期待に応えたいっていう気持ちもありますね。殺陣やアクションもあって、前から殺陣をやってみたいと思っていたので楽しみです。あとはアクションも好きで、昔からバク転ができるので、そういう部分も活かせたら良いなと思います。この30-DELUXの舞台を機会に殺陣を特技にしたいので、頑張って取り組んでいきたいです。
――ミュージカル『テニスの王子様』のフレッシュな雰囲気とは変わって、ベテランの俳優さんとの共演もありますね。
- 今までは同世代や年下の方との共演が多かったんですけど、『イエロー』では最年少なんです。ベテランの皆さんにどこまで喰らいついて行けるかっていう楽しみもあります。色んなものを学び取りたいですし、そういうチャンスも多いと思うので、本当に楽しみです。山崎銀之丞さんは以前舞台を拝見していて雲の上の存在だったのが、まさか共演出来るなんて思っていなかったので、同じ舞台に立つに相応しくなるように成長したいです。