――デビューのきっかけは?
小さい頃からドラマを観ることが好きで、鈴木保奈美さんに憧れていたんです。本屋さんで、たまたまオーディション雑誌をパラパラめくっていたら、止まったページに小さく鈴木保奈美さんのお写真が出ていて“ホリプロスカウトキャラバン、応募受付中”という告知が載っていたんです。その時に、『ココに行けば保奈美さんに会える!』と思って(笑)。もちろん芸能界というところに憧れもありましたが、私も家族も受かるはずがないと思っていたので、家にあった写真を入れて送ったんです(笑)。
――ひょっとして受かるかもという直感が働いていたとか?
ないですよ。コタツに入っている写真を送ってますからね(笑)。しかも、雑誌を買ったのが募集締め切りの前日だったので、出しても間に合わないなと思っていたので、まさか書類選考が通るなんて全く考えていなかったです。
――でも、その書類が通って審査がどんどん進んだわけですよね。それでも“もしかしたら”という予感は・・・。
なかったです(笑)。最終審査に合宿があるんですけど、その時に39度の大熱を出して倒れちゃったんです。こんな状態では、ダメだなと思っていたし、早く帰って寝たいなぁとその時は思っていたんですけど、幸運にもグランプリを頂いて。家族もすごくびっくりしていました。次の日の新聞には載るし、テレビには出るし(笑)。家族以外にはスカウトキャラバンを受けたことも言っていなかったので、友達もびっくりしていました。

――学校での反応も凄かったんじゃないですか?
凄かったですね、花道とか作ってくれて(笑)。校長先生も喜んでくれましたし、友達も応援してくれました。ちょうど、中学を卒業して高校に進学する時期でもあったので、タイミング的にも良かったんです。
――最初のお仕事は憶えていらっしゃいますか?
映画『しあわせ家族計画』の撮影でした。しかも、共演した方々が野際陽子さんやいかりや長介さんや三浦友和さんというベテランの方々だったので凄く緊張したのを覚えています。
――デビュー作が映画で、しかも凄い方々に囲まれてそれは緊張しますよね。
台詞を憶えても、頭が真っ白になってしまうんですよ。動きながら台詞を言うなんてことが慣れていなかったし、その同じ時期にドラマの撮影もあったので。まだ東京に上京する前だったので、周りに友達もいなかったので精神的にも大変でした。

――今までで一番辛いなぁと思ったことは何ですか?
色々ありますけど(笑)、結局は楽しさに変わっていくことばかりでした。例えば、去年公開した映画『バックダンサーズ!』は4ヶ月間、仕事をしながら毎日8時間のレッスンを受けて、体力的にも辛かったんですけど結果的には楽しかったし、やって良かったなと思えます。勉強にもなってますし、自分自身にとってプラスになっていると思います。
――逆に、やっていて良かったなと思うことは?
それは常に思っていることなんですが、このお仕事をしていると毎日新しい人に出会えるんです。そこから友達になったり、お仕事で繋がったり。そういう“出会い”もあれば、私が出ているドラマや映画で、感動してくれたり笑ってくれたりする人や声を目の当たりにした時にやっていてよかったなと思います。それに、やりたかったことを仕事としてできているというのは嬉しいことだなって。